定年後の再雇用・再就職で”給料が激減する場合”にもらえる、「高年齢雇用継続基本給付金」や「高年齢再就職給付金」などの公的給付金について、わかりやすく解説!
今回は、発売中のダイヤモンド・ザイ5月号より、2019年3月号から始まった連載「本誌59歳部員の同時進行ドキュメント 定年退職までのロードマップ」の第3回を紹介!
本連載では、2020年3月に定年退職となるダイヤモンド・ザイ編集部の「ハラダ部員(59歳)」が、老後のお金の不安を解消すべく奔走する様子を同時進行で赤裸々に公開している。第3回は、定年後に働き続けた場合に”給料減を補ってくれるお金”について、ハラダが社会保険労務士の池田直子さんに教えてもらっているので、参考にしてみてほしい!
定年後に働き続けた場合のネックは給料の大幅減……
急激な収入ダウンを補ってくれる”強い味方”を発見!
ほかの会社での再就職をたくらんだことは前回伝えたが、結局、今の会社の継続雇用に応募することにした。
【※関連記事はこちら!】
⇒定年後は「転職」と「再雇用」、どちらの道を選ぶ? 中高年の転職事情&定年前に準備できることを解説![59歳ザイ編集部員・定年退職までのロードマップ(2)]
やっぱ慣れた環境で働けるのはラクだよね。ただ、問題は給料だ。とっても下がるのよ……。
一般的にみても、継続雇用で賃金が下がる場合は多い。少し古いデータだが、東京都が2012年に調べたところ、60歳以降の賃金が60歳時に比べて7割未満になるケースが全体の58%だった(円グラフ参照)。
オレの給料も同様だ。これじゃ嫁の「節約しやがれ空手チョップ」がますますパワーアップするぞ。新しいおもちゃなんて買ったら、即死かも。
しかし、カシコいオレは見つけたぜ、定年後の給料減を補ってくれる強い味方を。それが「高年齢雇用継続基本給付金」だ。継続雇用で給料が大幅に減った場合、国(雇用保険)から支給されるお金だ。
給付金額は給料の低下率に応じて変わる。オレの場合、継続雇用後の給料の15%にもなる! あ、でも他社に再就職した場合は継続雇用じゃないからもらえない? 定年後、少し休んでから働いた場合でも、もらえる? なんだかわからなくなってきたぞ。
定年後の働き方で、もらえるお金が異なる!
制度の詳細をきっちり抑えて、自分の身は自分で守ろう
「定年後に働くけれど給料が減ってしまう人を援助する給付制度はいろいろありますよ」
社会保険労務士の池田直子さんは、頭がワヤになったオレに、やさしく教えてくれた。要は、「基本手当(失業給付)」の受け取り方で、もらえるお金の種類と金額、支給頻度が異なるのだ。
「基本手当」を受けずに勤める場合にもらえるのが「高年齢雇用継続基本給付金」。勤め先は関係ない。
定年後に少し休んで「基本手当」を受けた後で再就職したら? 「基本手当」の支給日数の残りが100日以上、あるいは支給日数の3分の1以上ある場合は、「高年齢再就職給付金」か「再就職手当」がもらえる。両方もらうのは不可。ちぇっ。
一見、最大2年間もらえる「高年齢再就職給付金」のほうが有利に思える。しかし、「『再就職手当』は金額がその時点で決まるが、『高年齢再就職給付金』の金額は変動する可能性がある」(池田さん)から要注意だ。残業を多くするなどで賃金が増えた場合、給付金が減ることもある。
これは、「高年齢雇用継続基本給付金」も同様だ。自分でよく考えてから有利になるほうを選んでほしいと池田さん。また、法改正など制度変更にも目を配ってほしいというアドバイスも。
「今から24年前、高年齢雇用継続給付制度が始まった当初は、支給率が最大25%という、現在よりいい条件でした。今後も条件が変わる可能性があります」(池田さん)
今までは会社が守ってくれてたけど、これからは自分で自分を守らなくてはいけない。外部環境の変化に応じて働き方も変えていく心構えが大切だってわけだ。
今回の結論:残業代か給付金か、しっかり考えよう!
このままいけば、オレの場合は「高年齢雇用継続基本給付金」がもらえるわけだが、残業したりすると給付が減ってしまう。残業したほうがトクか、残業しないで給付金を満額もらうほうがトクかを天秤にかけて、よーく考えてみよっと。
【連載「本誌59歳部員の同時進行ドキュメント 定年退職までのロードマップ」バックナンバー】
■第1回 「老後資金は1億円」は本当か? 誰でも自分の定年後に必要な老後資金がわかる計算式を、専門家が解説!(https://diamond.jp/zai/articles/-/198795)
■第2回 定年後は「転職」と「再雇用」、どちらの道を選ぶ? 中高年の転職事情&定年前に準備できることを解説!(https://diamond.jp/zai/articles/-/198822)
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