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日経平均は「ファーウェイへの輸出規制解除」により2カ月ぶりの高値をつけるも、当面はボックス相場を継続! 「ドル建て日経平均」のレンジも要チェック!

2019年7月2日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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 「トランプ・プット」が炸裂して、日米株式市場は非常に強い動きになっています。

 7月1日の日経平均株価は、前週末比454.05円高の2万1729.97円と、5月7日の2万1923.72円以来、約2カ月ぶりの高値でした。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 また、7月1日のNYダウは続伸し、前週末比117.47ドル高の26717.43ドルでした。一時、昨年10月に付けた過去最高値を上回る場面がありました。ナスダック総合株価指数は4日続伸、同84.919ポイント高の8091.163ポイントでした。そして、S&P500種株価指数は3日続伸、同22.57ポイント高の2964.33ポイントと過去最高値でした。

■NYダウチャート/日足・3カ月
NYダウチャート/日足・3カ月NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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 この株高は、6月29日の米中首脳会談で、対中制裁関税「第4弾」の先送りや貿易協議の再開が決まったことに加え、米国政府が米企業によるファーウェイへの部品販売を一部認める方針に転じたことが主因です。特に、米中首脳会談でファーウェイについて言及されるとについて事前の市場予想が少なかったため、市場にとってはポジティブ・サプライズになりました。

6月の日銀短観で発表されたDIは、
製造業と非製造業で違いが

 ところで、7月1日に発表された6月の日銀短観(回答期間:5月28日~6月28日)では、大企業・製造業DI(業況判断指数)はプラス7と、前回3月調査のプラス12から5ポイント悪化しました。ただし、9月までの先行きDIはプラス7と横ばいです。このため、大企業製造業のマインドの悪化は歯止めが掛かりつつあるようです。

 一方、大企業・非製造業DIはプラス23と、前回調査から2ポイント改善しました。しかしながら、先行きDIはプラス17と、6ポイント悪化しています。これはやはり、10月の消費増税が影響していることが主因とみられます。

 なお、事業計画の前提となっている想定為替レート(大企業・製造業)は、2019年度全体で1ドル=109円35銭(上期は109円36銭、下期は109円34銭)です。

米ドル建て日経平均株価は、
190〜200ドルの間のボックス相場が続く見込み

 ちなみに、日経平均株価が2万2362.92円をつけた4月24日のドル/円のドルの高値は1ドル=112円39銭でした。ドル建て日経平均株価で株価は198.98ドルです。こう考えるとザックリ200ドルがドル建て日経平均株価の上限とみてよいしょう。現在の1ドル=108円40銭程度なら、2万1680円(=108円40銭×200)が算出されます。110円でようやく2万2000円です。

 逆に、日経平均株価が2万289.64円をつけた6月4日のドル/円のドルの安値は1ドル=107円83銭でした。ドル建て日経平均株価は188.16ドルです。こう考えとザックリ190ドルがドル建て日経平均株価の下限とみてよいでしょう。現在の1ドル=108円40銭程度なら、2万596円(=108円40銭×190)が算出されます。105円でようやく1万9950円と、2万円割れが実現することになります。

 つまり、当面の日経平均株価については、1ドル=110円の円安でようやく2万2000円台が回復できる一方、105円まで円高が進まない限り、2万円大台はキープできると考えています。

 ドル/円相場に関しては、米国の金利が低下して日米金利差が縮小する見通しであることはドル安・円高要因であるものの、10月の消費増税の景気への悪影響はドル高・円安要因であり、お互いがその効果を相殺する結果、ドル/円相場は1ドル=105円~110円での膠着・ボックス相場が続くというのがメインシナリオです。

 その結果、日経平均株価は、ザックリ言えば2万円~2万2000円、ドル建て日経平均は190ドル~200ドルのボックス相場が当分続く可能性が高いとみています

「老後2000万円不足」問題で、
NISAやイデコを始める若者が急速に増加!

 話は変わりますが、金融庁の審議会が老後に夫婦で2000万円不足するとの報告書を出したことを受け、若者中心に少額投資非課税制度(NISA)や、「自分年金」づくりへの関心がメチャクチャ高まっているようです。具体的には、日本各地で開催される投資セミナーへの参加申し込みが6月から急増したり、個人型確定拠出年金(イデコ)の申し込み件数が急増したり、ネット証券への新規口座開設が増加しているそうです。

 若者が「自分年金」づくりに興味を持ち始めたことは、喜ばしいことです。なぜなら、金持ちの家に生まれた若者は存命中の親からの支援を受けられ、親が死んだら多額の相続財産を手に入れることが可能です。このような若者は、敢えてリスクを取って自分年金なんて用意しなくてもいいでしょう。しかしながら、親がそこまで裕福でなく相続財産が期待できない若者は、自助努力で自分年金を用意しないとなりません。

株式投資で資産運用を始めたい人は、
1日30分勉強の時間を取ることから始めよう!

 その主要な手段のひとつが株式投資です。この機会にぜひ、多くの若者が「資産運用」というものを勉強して、金融機関の営業マンの言いなりにならず、「独自の判断で株式投資を行える能力を身につけてもらいたいなあ」と思っています。そのためには、それなりの時間を費やして、関連する書物を読み漁ることをお勧めします。友人・知人や著名な評論家・投資家などのお勧め本を優先して読むとよいでしょう。

 そして、自分なりの売買基準を策定しましょう。

(1)購入する銘柄の基準
(2)利食いの基準
(3)損切りの基準
(4)資産に占める同一銘柄の組み入れ比率の基準
(5)相場高変動時の株式と現金との比率の基準
(6)信用取引等を活用した場合のレバレッジ比率の基準
(7)長期間の休場時の対応基準

などをあらかめ決めておくわけです。そして、当初はその基準で運用をすると同時に、運用開始後もさまざまな新規の最新情報を取り入れて、自分なりの基準をさらに改善させていきましょう。

 株式投資は「不労所得」の代表格だと思っている人は多いようです。しかしながら、安定して儲けるようになるは、そうなるための相当な勉強・努力が必要です。決して「楽して儲かる」ことはありません。だから、勉強、研究が必要です。

 まずは、1日30分だけ株式投資に関する時間に割り当ててみてはどうでしょうか。この30分だけは、読書やポートフォリオチェックなど株式投資のことだけを考える時間です。取り敢えず、株関連の本をザックリ10冊くらい読めば、それなりの知識が身につくはずです。投資初心者の若者は、まずは10冊読破することから始めてみましょう。

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