つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2024年]

「つみたてNISA」で老後資金2000万円を貯める方法を
具体的に解説!「iDeCo」も併用して「早く始める=
長く積み立てる」と老後資金2000万円は貯められる!

2019年6月29日公開(2022年3月29日更新)
頼藤 太希
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つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

 「夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ20~30年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1300万円~2000万円になる」

 2019年6月に、金融庁の金融審議会から出された報告書「高齢社会における資産形成・管理」では、老後資金として、公的年金だけでは2000万円足りないという指摘があり、大きな話題となりました。

 私も報告書を読みました。しかし、政治的な話は別として、書いてある内容そのものは至極まっとうなことに感じました。「公的年金だけでは2000万円以上不足する」というのは、ずいぶん前から相談の場、取材、講演、記事などでお話ししてきたことだったからです。

 では、不足する2000万円を自分で用意するにはどうしたらいいのでしょうか。今回は、2000万円を貯める方法について考えてみたいと思います。
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⇒“老後資金2000万円”が不足する問題は、株の「配当」で解決できる!? 65歳で毎月7万円の株の「配当」収入を得るための事前の準備と投資プランを詳しく解説!

資産運用の力を借りなければ
2000万円貯めるのは厳しい

 例えば、毎月10万円ずつ銀行へ預金すれば、16年8カ月で2000万円貯まります。とてもシンプルですが、毎月10万円も預金できる人は少数派でしょう。それに、大手銀行の定期預金の金利は年0.01%といった水準ですので、預けたところでお金はほとんど増えません。
 
 そこで利用したいのが、「資産運用」です。金融庁の報告書でも、「つみたてNISA」(積立NISA)や「iDeCo」(イデコ・個人型確定拠出年金)を活用して資産を作ることに触れていました。
【※関連記事はこちら!】
⇒「つみたてNISA」で老後資金を賢く作る方法とは?長期で資産を増やすための商品選び&運用のコツと、自営業・会社員それぞれにおすすめの活用法を紹介!

「つみたてNISA」は、一言でいうと、積立投資で得られた利益(運用益)にかかる税金をゼロにできる制度です。本来、投資では運用益に約20%の税金がかかります。しかし、「つみたてNISA」なら非課税になりますから、普通に投資するよりも効率よくお金を増やせる可能性があります。

 「つみたてNISA」では、毎月、毎日など一定の頻度で、投資信託などを毎回決まった金額分ずつ買っていく、「積立投資」を行います。積立投資は「投資の王道」ともいわれる手法です。
【※関連記事はこちら!】
⇒「積み立て」による貯蓄や投資のメリットを、改めて基礎から解説! 積み立てできる金融商品の種類と、実際に積み立てを始めるときの注意点を復習しよう!

「つみたてNISA」で投資できる金額の上限は年間40万円までで、非課税となる期間は20年。投資できる商品は金融庁が定めた基準を満たす商品のみとなっています。うまくいけば、年数%の利益を見込むことができるでしょう。

 それだけの利益を受け取れれば、「複利」の力を生かしやすくなります。「複利」とは、利子に利子がつくことをいいます。お金自身に働いてもらおう!と講演などでよく言うのですが、それは「複利効果」がキーワードです。

 元本に利子が加わって、その加わった利子にも利子がつくことで、お金は加速度的に増えていくのです。「つみたてNISA」の場合は、運用益を再び投資に回すことで、複利の力を生かせるというわけです。
【※関連記事はこちら!】
⇒「つみたてNISA」(積立NISA)の8つのメリットを紹介! 少額から長期の積立ができて損しづらく、利益は非課税になるなど、初心者におすすめの理由を解説

「つみたてNISA」“だけ”で2000万円 
貯めるには年利平均9%での運用が必要に!

 では、「つみたてNISA」を利用しさえすれば、2000万円を作ることができるのでしょうか。

 結論から申し上げると、かなり厳しいと言わざるを得ません。以下の速算表を使って計算をしてみましょう。

「掛金」「期間」「運用利回り」から得られる資産総額がわかる速算表
  投資期間
5年 10年 15年 20年




1% 61.50 126.15 194.11 265.56
2% 63.05 132.72 209.71 294.80
3% 64.65 139.74 226.97 328.30
4% 66.30 147.25 246.09 366.77
5% 68.01 155.28 267.29 411.03
6% 69.77 163.88 290.82 462.04
7% 71.59 173.08 316.96 520.93
8% 73.48 182.95 346.04 589.02
9% 75.42 193.51 378.41 667.89
10% 77.44 204.84 414.47 759.37

 この表は、投資の「掛金」「期間」「運用利回り」によって資産総額がいくらになるかを、すばやく計算するための速算表です。

 例えば、月2万円、10年間、年利5%で運用できた場合の資産総額は、

 2万円×155.28(5%)=310万5600円 

 となります。

 「つみたてNISA」で投資できる金額は年40万円、つまり月約3万3000円までです。仮に、月3万円ずつ投資して、20年間で2000万円を作りたいなら、

 3万円×667.89(9%)=2003万6700円

 というわけで、年利9%で20年間運用できれば、2000万円を作れることがわかります。しかし、正直に申し上げて、年利9%で20年間も運用するというのは、かなり難しいと思います。 

 金融庁の「つみたてNISA」のパンフレットには、「20年投資すると、データ上は年利2~8%に収まる」と紹介されています。上限で年利8%ですから、年利9%で運用することがどれほど難しいかは、おわかりいただけると思います。

 もちろん、単年で見れば年利9%を超える年もあるかもしれません。しかし、それより低い年があれば、他の年でさらなる挽回をしなければなりません。それはいよいよ、現実的ではありません。

 なお、「つみたてNISA」ではなく、通常の証券口座で積立投資を行うと、運用益に対して約20%の税金が取られてしまうため、年利11%以上で運用しなければいけないので、可能性はますます低くなります。
【※関連記事はこちら!】
⇒つみたてNISAの口座開設の方法をわかりやすく解説!「証券会社と銀行」や「特定口座と一般口座」の違いなど、投資初心者が口座開設時に戸惑う疑問も解決!

「iDeCo」(イデコ・個人型確定拠出年金)を併用して
節税しながら老後資金を貯めよう!

 そこでもう1つ考えたいのが、「iDeCo」(イデコ)を併用することです。
【※関連記事はこちら!】
⇒iDeCo(個人型確定拠出年金)の"4つのメリット"を解説! 大きな節税効果に加えて運用の自由度の高さが魅力で、すぐ使う予定のない資金がある人に最適!

 「iDeCo」の正式名称は「個人型確定拠出年金」です。“年金”とあるとおり、「iDeCo」は老後資金を自分で積み立てて作る制度です。「つみたてNISA」と同じく、積立投資で得られた運用益にかかる税金をゼロにできます。

 1年間に投資できる金額は、加入している年金の種類によって異なります。例えば、企業年金のない会社員の場合、年27万6000円、1カ月あたり2万3000円です。基本的に、60歳未満の国民年金被保険者であれば誰でも加入できます。

 一番のメリットは、掛金が全額「所得控除」できるため、所得税や住民税を安くすることができる、ということです。

 所得税は、税金の計算の元となる課税所得の金額によって税率が変わります(5%〜45%)。それに対し、住民税は一律で10%です。

 例えば、所得税の税率が10%の人が、「iDeCo」で年間24万円(2万円×12カ月)積み立てた場合、節税できる金額は、住民税と合わせて24万円×20%=4万8000円となります。毎年24万円を貯めながら、年間4万8000円の節税もできるお得な制度なのです。

 「iDeCo」で積み立てできる商品は、預金・保険・投資信託です。「iDeCo」の口座開設をする金融機関によって、購入できる商品が異なります。預金・保険・投資信託のうち、お金が大きく増える可能性があるのは、投資信託です。

 ただし、「iDeCo」は「つみたてNISA」とは違って、60歳になるまで原則としてお金を引き出せませんのでご注意ください。
【※関連記事はこちら!】
⇒3つの「NISA」と「iDeCo」の違いやメリットを解説! 資産形成には税制優遇が受けられる「NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA」と「iDeCo」を活用しよう!

月5万円・年利4%の積立投資で
2000万円は(ほぼ)作れる!

 ここまでお話ししてきた「つみたてNISA」と「iDeCo」を組み合わせると、どのくらいの運用利回りで2000万円を達成できるでしょうか。上の速算表を使って計算してみました。話をわかりやすくするために、20年投資した場合で考えます。

「つみたてNISA」月3万円×366.77(20年・4%)=1100万310円
「iDeCo」月2万円×366.77(20年・4%)=733万5400円
○ 節税額…年4万8000円×20年=96万円
●合計額1929万5710円

 2000万円には少々届きませんが、「つみたてNISA」と「iDeCo」で月合計5万円投資できれば、年利4%でも、20年間でほぼ2000万円が達成できることがわかります。

 年利4%だって、簡単に出せる利回りというわけではないのですが、全く投資しない、あるいは「つみたてNISA」しか使わない、というよりはずっと、2000万円が現実的になってきたと言えます。

 なお、「つみたてNISA」の非課税期間は20年ですが、「iDeCo」は60歳になるまでずっと非課税。「iDeCo」は20歳から加入できるので、最大40年間も所得控除で節税しながら運用益が非課税になるので有利です。

 「つみたてNISA」の期間が終わっても、「iDeCo」での投資を続けていれば、2000万円を突破することも無理ではないでしょう。

 はじめは少額でもいいので、スタートしておくことをおすすめします。
【※関連記事はこちら!】
⇒iDeCo(個人型確定拠出型年金)の金融機関を比較! 口座管理手数料や投資信託の取扱数などで比較した、iDeCo口座を開設できる、証券会社・銀行を紹介!

年利4%を実現するには
何に投資すればいい?

 先ほど「積立投資は『投資の王道』ともいわれる手法」と書きましたが、積立投資と同様に“投資の王道”と言えるのが「分散投資」です。この分散投資の考え方は、最悪なケースを避けつつ、安定的に利回りを得るために必要な考え方です。

 1つの投資対象、1つの資産に集中的に投資した場合、当たった場合は大きいですが、はずれた場合、資産が減るどころではなく、最悪、全ての資産を失うということにもなりかねません。

 そこで、投資する「地域」や「投資商品」を組み合わせることが大切で、具体的には「日本だけ」でなく、先進国や新興国なども含めて投資先を「国内外」とし、株式だけでなく債券も組み合わせるのです。

 さて、年利4%という数字は、何をどう組み合わせて投資したら達成できるかが気になるところでしょう。金融庁のデータによると、国内、先進国、新興国の株・債券の6資産に分散投資した年利の平均(1993年〜2015年)が4%となっています。

 もう一つ数値を見てみましょう。IMF「World Economic Outlook」によると、世界全体の経済成長率は4%で推移しています。世界全体を見渡せば、どこかの地域で発展は続き、世界全体としては年々豊かになっています。そこで、世界全体へ投資すれば、その成長に伴ったリターンが得られるはずです。

 経済成長率の観点から考えても、世界中の株式・債券に分散投資することで年利4%程度のリターンは十分見込める可能性があるのです。

 何に投資するか迷うなら、国内、先進国、新興国の株・債券の6資産に分散してはいかがでしょうか。
【※関連記事はこちら!】
⇒つみたてNISA(積立NISA)を始めるなら、おすすめの証券会社はココだ!手数料や投資信託の取扱数などで比較した「つみたてNISA」のおすすめ証券会社とは?

 今回の記事で、私が一番お伝えしたいのは、「少額でいいので、投資をスタートしよう!」ということです。私の記事だけでなく、ニュースや他の人の書いた記事などでも、投資は「早く始めよう」と書かれていることが多いかもしれません。

 でも、それに対し、「早くやれと言われると急かされてるようで嫌だ」「勉強してからじゃないとやりたくない」という声もよく聞きます。

 でも、「早くやろう」の本質は「長くやろう」です。

 2000万円を貯めるにしても、若いときから準備するか、老後が迫ってから準備するかで、毎月の必要積立額、必要利回りは全く異なります。

 人が使える時間は有限です。時間を味方につけて、お金が勝手に増えていく生活を楽しんでください。
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頼藤太希(よりふじ・たいき)[マネーコンサルタント]
(株)Money&You代表取締役、ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本証券アナリスト協会検定会員。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。著書は『投資信託 勝ちたいならこの7本!』『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』 『入門仮想通貨のしくみ』『つみたてNISAでお金は勝手に増えていく』など多数。
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2024年1月4日以降、新NISA口座では、日本株の売買手数料が全額キャッシュバックされ、実質無料に(上限なし)。投資信託は従来から購入手数料が無料となる「ZEROファンドプログラム」を行っているため、一括購入、積立買付とも手数料が無料だ。投信積立については、1銘柄あたり毎月100円から。低コストの人気ファンドを数多く取りそろえている。ファンド選びに迷った場合は、各自のリスク許容度に合わせた銘柄と投資割合を提案する「投信ロボ」が心強い。また、投資信託の平均保有残高が1000万円以上(プラチナ)、3000万円以上(プレミアゼロ)の場合は、信用取引の手数料が優遇されたり、IPOの当選確率がアップするサービスも提供している。単元未満株の取引も可能で取扱銘柄数も多いが、売買手数料は約定代金2万円まで220円、3万円まで330円、10万円まで660円(すべて税込)などだ。
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還元率 
※1
投資信託 株式売買手数料(税込) 投資信託
国内株 米国株
38本 無料 112本
【GMOクリック証券の新NISA口座のおすすめポイント】
新NISA口座なら日本株の売買手数料が無料! 投資信託の取扱本数は多くないもののノーロード投信や信託報酬の低い投信が豊富だ。「100円」から積立が可能なのも魅力。GMOクリック証券は、ここ数年、急激に株式市場での売買代金シェアを増やし、個人投資家の支持を集めている。新NISA対応ではないがFXやCFDなど商品ラインアップが豊富なので、新NISAを入口にさまざまな投資に挑戦したい人におすすめ!
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※1
ETF ETF
サービス手数料:
資産残高の0.693〜0.733%(年率・税込)※
【ウェルスナビ(WealthNavi)の新NISA口座のおすすめポイント】
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国内外のETFに分散投資をするロボアドバイザー「ウェルスナビ」はNISA口座にも対応。5つの質問に答えるだけで最適なポートフォリオを提案し、毎月自動的に積立投資をしてくれるので、初心者でも簡単に効率的な運用を実行できる。2024年からの新NISAなら、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で資産を購入することで最大で年360万円まで投資可能! 運用コストとしては、一般的な証券会社のような売買手数料ではなく、資産残高に対して決まった割合のサービス利用料を負担する形なので要注意。また、楽天証券と提携した「ウェルスナビ×R」も提供している。その場合、楽天カードや楽天キャッシュを利用し、楽天ポイントを貯めたり、楽天ポイントを利用した購入・積立が可能となる。

※ NISA口座に自動積立だけで入金した場合で試算した手数料。リスク許容度(ポートフォリオ)により異なる。また、各商品の値動きによりポートフォリオのバランスが崩れた場合は、手数料が表記の範囲を超えて変動する可能性がある。
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。売買手数料は、1回の注文が複数の約定に分かれた場合、同一日であれば約定代金を合算し、1回の注文として計算します。投資信託の取扱数は、各証券会社の投資信託の検索機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合が場合があります。※1 年会費無料のクレジットカードの場合。※2 1約定ごとプランで約定金額240万円までの売買手数料。

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