株主優待や配当に注目して資産1億円以上を築いた“コツコツ”投資家に、昨年の成績や保有銘柄を直撃! 優待株に投資するメリットや高配当株に投資するリスクなど、株初心者は必読!
ダイヤモンド・ザイには、スペシャル企画「2020年の勝ち戦略を語る! 億り人の【新年座談会】」を掲載! 資産1億円を超える個人投資家8名に、大儲け狙いの“ドッカン派”4名、配当や株主優待が好きな“コツコツ派”4名で分かれてもらい、2019年の投資成績を振り返るとともに、2020年の投資戦略についても、じっくり語り合ってもらっている。
今回はその中から、コツコツ派の座談会を一部抜粋! 株主優待株や高配当株、連続増配株などに投資するコツコツ派のメンバーは、立川一さん、ようこりん、mtipsさん、v-com2さんの4名。彼らが2019年にどんなことを考えて投資し、どんな銘柄で成功したか、などをそれぞれの投資手法の解説も交えながら紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい!(※座談会が開催されたのは2019年12月。本文中の※は編集部注)
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ようこりんは2018年末の暴落時に株主優待株を爆買い!
mtipsさんは株主優待と配当狙いの投資を貫き、2019年は+20%
──まず、2019年の運用成績はいかがでしたか。
ようこりん 株価の安い株主優待株がゴロゴロしていて、2012年の再来でしたね。消費税が増税になったので、節約にも役立つ株主優待株を買うしかないな、と。いまは桐谷さん効果(※株主優待名人・桐谷広人さんのおかげで、株主優待株は株価も下がりにくいことが知られるようになり、人気に火がついた)もあって、株主優待株は下がりづらいから。2018年12月のクリスマスの大暴落のときは、信用取引で2000万円ほど買いまくりました。もう、うれしくてうれしくて「サンタさんありがとう!」って(笑)。
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mtips よくあのときに信用取引で買えますね。
ようこりん 2019年の夏から秋にかけて日経平均株価が下がったときも、「2万円を割るんじゃないか」とみんなが騒いでいたので、逆に「これは割らないな」と考えて、2万円の手前で信用でガツンと買いました。株は大多数について行って勝てるものではない。少数派が勝つ!!
mtips 私は株主優待と配当狙いで、買ったら持ちっ放しが基本。それでも2019年の運用成績は日本株だけで10%増くらい。米国株がそこそこ上がったのでトータルで20%プラスくらいでした。
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ようこりん 2019年に新たに買った株は何?
mtips いままでずっと買ったことがなかったJT(日本たばこ産業・2914)を初めて買いました。みんなが塩漬けになってギャー! と悲鳴をあげている最中に。これまでタバコは嫌で買わなかったけど、配当利回りが6%台とあまりにも高かったので、ついパクッと。
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ようこりん 私もJTは夏に株価があまりにも安すぎたので、2200円で2000株を買いました。
立川一 JTは財務省が大株主なので、配当を大きく減らすことはなさそうですが、PER18倍くらいで配当性向が高い(※配当性向は、純利益のうち、配当金をどれくらい支払っているかを表す比率。配当性向が高いと稼いだ利益を目いっぱい配当に回していることになり、増配余地が少ない)。今後は成長も難しそうで、積極的に買いにくいところです。
v-com2 私も配当性向がかなり高いのは気になります。あと会計がIFRS(※日本の会計基準とは異なる国際会計基準のこと)なので、のれんの減損リスクが怖いな(※のれんとは企業買収した際に、買収額が資産額を上回った額のこと。買収した事業が儲からなくなった場合は、償却して損を計上する。JTは相次ぐ海外企業の買収で、のれんが約2兆円ある)。
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v-com2さんは2019年秋以降から成績が上昇!
立川一さんは連続増配株狙いで、年間配当収入480万円を達成!
mtips ところで、2019年は年後半こそ年初来高値で万歳! となったけど、夏あたりは「この先どうしよう、もうわからん!」って感じでドキドキでしたよね? 成長株なんて怖くてチャレンジできなくて。だから株主優待ガッチリ、配当もガッチリ貰える銘柄しか私は買えなかったナ~。
v-com2 私も夏までは非常にやりにくかった。ユニゾホールディングス(3258)は、エイチ・アイ・エス(9603)によるTOB(※株式公開買付け)が発表された日の夜間取引で買って、ちょっと値上がりしたところで売ってしまった。今までの自分だったら対抗TOBが出てくるまで、もう少し待てたと思う。トランプ発言やブレグジットなど、外部環境を警戒してしまいました。秋以降は楽になりましたが。
立川一 僕は連続増配株に投資していますが、配当も込みで2019年は25%増くらいの運用成績でした。
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mtips すご~い! 増配株は増えているんですか?
立川一 日本企業も株主還元に積極的になり、増配株も増えました。2025年までに年間480万円の配当をもらいたい、という計画でしたが、前倒しで達成できそうです。増配株には成長株も多いんですよ。2003年から保有しているベネフィット・ワン(2412)は、株式分割を考慮した配当が、2003年の0.31円から今期予想で25円と、80倍に。利益も売上高も2ケタ成長を続けて株価は10倍になりました。成長株だけあって、PERは60倍と高いですけどね(※日経平均株価のPERは14倍台なので、60倍はかなり割高。将来の成長期待が高いことを意味する)。
ようこりん 成長株はPER60倍でも低いくらいだもんね。でも、こういう株は期待以上の成長が止まると、株価がストップ安になることもあるから怖い。
立川一 そういう意味では、ベネフィット・ワンは減配はしないけど配当が横ばいの年もあるので、連続増配の記録が途切れる。これもポイントなんですよ。花王(4452)みたいに30期連続増配だと有名になっちゃって、みんなに注目されますから。
ようこりん わかる! あまり注目されすぎる株もダメよね。株価の急騰・急落がなくて、“なだらかに人が歩いて行ける角度”のチャートが理想だよね~。
さて、ここまで“コツコツ派”の億超え投資家たちによる座談会を、前半のみ抜粋して紹介した。座談会の後半では、2020年にそれぞれが目を付けている投資対象などについて触れているので、続きはダイヤモンド・ザイ3月号でチェックしてほしい!
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