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「マイナポイント事業」の仕組みや登録方法、紐付けるキャッシュレス決済を選ぶときの注意点などを解説!まずは「マイナンバーカード」を取得・登録しよう!

2020年7月8日公開(2023年1月25日更新)
風呂内亜矢
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「マイナポイント事業」の要点や実施される時期を紹介!
まずは「マイナンバーカード」の取得からスタート

 今回は、2020年7月から申し込みが始まった「マイナポイント事業」について紹介します。
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 2020年6月末に、政府主導で行われた「キャッシュレス・消費者還元事業」(対象店舗でキャッシュレス決済をすると、ポイント還元などが受けられる制度)が終了しましたが、これと入れ替わるようにして、7月1日から「マイナポイント事業」の申し込みが始まりました。

 「マイナポイント事業」は、「マイナンバーカード」の普及に加えて、キャッシュレス決済の基盤構築や、消費の活性化などを目的に実施されるものです。「マイナンバーカード」は、新型コロナウイルスの影響で実施された、現金10万円の一律給付(特別定額給付金)のオンライン申請に必要とされたことでも、注目を集めたばかりです。
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 「マイナポイント事業」の内容には、やや複雑なところもありますが、要点をまとめると、以下のようになります。

◆「マイナポイント事業」の基本
「マイナポイント事業」は、「マイナンバーカード」と所定の「キャッシュレス決済」を登録することで、「マイナポイント」を貯めることができる制度。キャッシュレス決済の種類は、電子マネーやコード決済、クレジットカードなどさまざまで、100種類以上が対象となっているが、すべてのキャッシュレス決済が対象というわけではない。紐付けた決済手段でチャージしたり買い物したりすると、チャージ額や購入額の25%分(上限は累積で5000円分)の「マイナポイント」が貯まる。貯まった「マイナポイント」は、紐付けた決済手段のポイントと合算して利用できる。

◆「マイナポイント事業」の実施時期
2020年9月1日~2021年3月末まで

◆「マイナポイント事業」を利用するために必要なもの
・「マイナンバーカード」
・対象のキャッシュレス決済

(※対象のキャッシュレス決済の一覧はこちら
・「マイナンバーカード」を読み取れるスマホ(ない場合は、公的個人認証サービス対応のICカードリーダライタを用意して、パソコンで手続きをすることも可能。また、全国の郵便局やセブン-イレブン、ローソンなどにある「支援端末」から申し込むこともできる)

◆「マイナポイント事業」を利用する手順
(1)「マイナンバーカード」を取得する
(2)「マイナポイント」の専用アプリで、「マイナポイント」の予約をする(この際、「マイナンバーカード」のICチップに搭載されている電子証明書を用いて「マイキーID」を発行する。「マイナンバーカード」の受取時に設定したパスワードも必要になる)
(3)「マイナポイント事業」に対応しているキャッシュレス決済サービスを一つ選択し、申し込みをする(2020年7月1日から申し込みの受付を開始)
(4)申し込んだキャッシュレス決済で買い物をすると、「マイナポイント」が貯まる(2020年9月1日から。「マイナポイント事業」を利用していても、通常の買い物に「マイナンバーカード」を持ち歩く必要はない)

 「マイナポイント」が貯まるといっても、実際に貯まるのは紐付けたキャッシュレス決済のポイントになるという点が、少しわかりにくいところかもしれません。たとえば、「マイナポイント」を「PayPay」に紐付けたとすると、「PayPay」の残高として2万円チャージした場合、5000円分の「PayPayボーナス(マイナポイント)」が付与されます。その結果、「PayPay」としての支払いが、合計2万5000円分できるようになります。「マイナポイント」はこの事業にあたり、各決済事業者が付与するポイントの総称です。

 また、「マイナンバーカード」を読み取れるNFC(※端末をかざすと通信できる技術)などに対応したスマホが必要になる点も、意外とハードルが高いところです。

 ただし、公的個人認証サービス対応のICカードリーダライタを持っている場合は、パソコンからも申し込みが可能。対応スマホもカードリーダーも手元にない場合は、全国の市区町村役場やコンビニなど、約9万カ所に設置される支援端末でも手続きができます。
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「マイナポイント」と紐づけられるのは前払い式の電子マネーが多いが、
決済事業者によって細部のルールの違いがあるので、登録の際は注意!

 ここまでのところで、「マイナポイント事業」の基本は掴めたでしょうか。要は、2万円分のチャージや買い物をすることで、5000円分のポイントがもらえて得をする制度と覚えておけば十分です。

 「マイナポイント事業」は、以前政府が、やはり消費の下支えを狙って発行した「プレミアム商品券」とよく似ています。「プレミアム商品券」も、2万5000円分の商品券を2万円で購入できるなど、25%ほど得をする点が“売り”とされていました。ただし、半年で最大5000円分しか得をしないため、利用するキャッシュレス決済手段によっては対象店舗での買い物で月1万5000~5万円ほども還元が受けられた「キャッシュレス・消費者還元事業」ほどのお得感は感じにくいと言えそうです。

 そんな「マイナポイント事業」ですが、最大の悩みどころは「どのキャッシュレス決済と紐付けるか」という点でしょう。原則、最初に申し込んだキャッシュレス決済を後から変更することはできないので、よく検討する必要があります。

「マイナポイント事業」で紐付けられる電子マネーの一覧(7月5日時点)。「マイナポイント事業」で紐付けられる電子マネーの一覧。この他に、プリペイドカードやQRコード決済、クレジットカード、デビットカードなどが紐付けできる(2020年7月5日時点、画像は「マイナポイント事業」公式サイトより)拡大画像表示

 ひと口にキャッシュレス決済と言っても、支払いのタイミング(前払い・即払い・後払い)などによって種類はさまざまですが、今回の「マイナポイント事業」で紐付けられるのは、前払い式の決済手段が中心になっています。そのため、電子マネーやコード決済は多くが登録可能ですが、クレジットカードは種類が限定されています。
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 ちなみに、「LINE Pay」にはコード決済とクレジットカードなどがありますが、コード決済が「マイナポイント事業」の対象となる一方、「Visa LINE Payクレジットカード」は対象外となっています。
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 基本的に、紐付けたキャッシュレス決済へのチャージや、買い物した金額に応じて「マイナポイント」が貯まるわけですが、細部のルールは決済事業者によってばらつきが出そうです。たとえば、現金ではなくクレジットカードでチャージした部分については「マイナポイント」付与の対象外になったり、「マイナポイント」で買い物した部分に対して、その決済事業者が通常時に付与しているポイントはつかなかったりすることもあるかもしれません。一律のルールが敷かれるわけではないため、紐付けたキャッシュレス決済のルールを把握する必要があるでしょう。

 すでに「マイナポイント事業」の申し込みに合わせて、キャッシュレス決済の事業者の顧客獲得競争も始まり、各社がお得なキャンペーンを打ち出しています。

 たとえば「PayPay」は、「マイナポイント」に「PayPay」を登録すると、抽選で現金(500円~100万円)が当たるキャンペーンを2020年8月末まで実施します「LINE Pay」は、2020年8月25日までに登録した場合、特典クーポンを発行する予定です。
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 また、「メルペイ」を「マイナポイント」と紐付けると、「マイナポイント事業」の実施期間中にフリマアプリのメルカリを利用した場合、「マイナポイント」の25%に独自で5%分を上乗せし、最大30%(上限は合計で6000円分)のポイントが貯まるようにする予定です。「メルペイ」はこの発表の後、さらにチャージで5%分の上乗せ(上限合計7000円)や、抽選で1000万円相当が当たるキャンペーンも追加するなど、キャンペーン情報も流動的です。

 これから新たにキャンペーンを実施する決済事業者も出てきそうなので、「マイナポイント事業」に申し込みをする前に、キャンペーン情報を確認してみてください。
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4人家族なら合計2万円分の「マイナポイント」を貯められる!
ただし、「マイナンバーカード」は“更新”が必要になるので要注意

 「マイナポイント事業」では、一人あたり最大5000円分を得することができ、たとえば夫婦で申し込めば、1万円分のポイントが貯まります。また、子どもの「マイナンバーカード」でも「マイナポイント事業」に申し込むことはできます。

 15歳未満の子どもが「マイナポイント事業」に申し込むときは、自分で申し込むか、幼齢でやむを得ない場合などであれば、親などの法定代理人が手続きを代行できます。紐付けるキャッシュレス決済は、本人名義が基本。しかし、電子マネーやプリペイドカードは「12歳以上」や「15歳以上」といった年齢制限があるケースが多いため、未成年者が紐付けるキャッシュレス決済は、親名義のものでも可とされています。
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 ただし、親も「マイナポイント事業」に申し込んでいる場合、同じキャッシュレス決済で、複数人の「マイナポイント」を合算することはできないため、子どもの「マイナポイント」と紐付けるキャッシュレス決済は、親が登録済みのものとは変える必要があります。

 これを機に、家族全員分の「マイナンバーカード」を作ろうと考える人も多いかもしれませんね。意外と知られていませんが、「マイナンバーカード」は1回作ったら終わりではなく、パスポートや運転免許証のように、定期的な更新が必要になることは覚えておきましょう。更新頻度は「20歳未満」か「20歳以上」かで異なり、20歳未満であれば、カード発行から5回目の誕生日までが有効期限、20歳以上であれば、カード発行から10回目の誕生日までが有効期限(電子証明書の有効期限は5年)となっています。つまり、5年ごとに何らかの更新手続きが必要です。パスポートや運転免許証とは異なり、発行手数料や更新手数料はかかりません(紛失による再発行の場合のみ1000円かかります)。

 さて、ここまで「マイナポイント事業」について紹介してきました。ファーストステップの「マイナンバーカード」を作るという段階がもっともハードルが高いですが、今後、新型コロナウイルスによる「特別定額給付金」の実施が決まったときのように、「『マイナンバーカード』があったら便利だったかも」と感じる局面は、少しずつ増えていくかもしれません。少しでも気になった人は、作成を検討してみるといいかもしれません。
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(取材/元山夏香)

風呂内亜矢(ふろうち・あや)[ファイナンシャル・プランナー]
一級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士。会社員だった26歳のとき、貯蓄80万円でありながら自宅用としてマンションを衝動買い。物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯蓄を開始。年間貯蓄額を一年で6倍まで増やす。その後、自身の体験を活かしてマンション販売会社に転職。年間売上一位の実績を上げる。2013年、ファイナンシャル・プランナーとして独立。著書は『超ど素人がはじめる資産運用』(翔泳社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)、『ケチケチせずにお金が貯まる法見つけました!』(王様文庫)など多数。日常の記録にお金の情報を織り交ぜる「FUROUCHI vlog」を更新中⇒https://www.youtube.com/c/FUROUCHIvlog/

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