いま、米国企業の業績に多くは望めない
今週(10月8日~12日)から、米国では第3四半期の決算発表シーズンを迎えます。
前回の第2四半期決算では、EPSで市場予想を超えることができた企業は全体の59%、また売上高で市場予想を超えることができた企業は48%でした。
また今回は決算に先だって、すでにいくつかの企業が利益警告をしており、早くも波乱含みの様相を呈しています。
今回の第3四半期のS&P500の利益成長率は-2.2%程度になると予想されています。
つまり、企業業績面からは多くを望めないわけです。
アルコアの決算で全体動向を占うことができる
大手企業の中で最初に決算発表するのはアルコア(ティッカー:AA)で、現地9日(火)の引け後(日本時間:10日の早朝)を予定しています。コンセンサス(アナリスト予想の平均)は、EPS(1株あたり純利益)が1セント、売上高が55.7億ドルです。
アルコアはアルミニウムのメーカーであり、アルミニウムは自動車、建材、航空機などに使用されることから、景気に左右されやすいことで知られています。
過去10年間で見ると、アルコアの決算が市場予想を上回ったときは、その四半期のS&P500指数は平均して+3.9%上昇し、逆に予想を下回った場合はS&P500指数は-0.6%を記録したと、調査会社であるファクトセット社は報告しています。
なお、今週アルコア以外で重要な決算発表は、12日(金)のJPモルガン(JPM)とウエルズファーゴ(WFC)で、JPモルガンは1.19ドル、ウエルズファーゴは87セントがEPSのコンセンサスになっています。
まとめると、金融緩和面での材料が出尽くした上に、業績面でも不安に満ちた決算シーズンを迎えるとあって、目先の相場にはあまり期待しない方がよいと思いますが、それを占うアルコアの決算を見極めたいと思います。
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