2022年末までの「日経平均株価」の値動きを専門家が予測! 強気シナリオでは、2万6000円を底に年末には3万3000円という予測もある一方、弱気シナリオでは2万5000円割れの展開も!
ダイヤモンド・ザイでは、毎号巻頭でマネー関連の最新ニュースを紹介している。発売中のダイヤモンド・ザイ4月号で掲載しているニュースは「米国の引き締め不安で急落!【日経平均株価】は今後どうなる?」。
2022年に入ってから、株価は乱高下の展開が続いているが、はたして日経平均株価はどこまで下落して、どこまで上昇が見込めるのか。この記事ではアナリストなどの株式市場のプロに「2022年末までの日経平均株価の値動き予測」と「今後の株価を左右するポイント」を聞いているので、投資の参考にしてほしい!
2022年の年初から相場環境は大きく変化!
4人中2人のプロが「日経平均株価は3万円を超えられない」と予測
2022年の株式市場は、大波乱のスタートとなった。年明けから株価は下り坂だったが、1月下旬に米国の株価が急落。つられて日本株も大きく値を下げ、1月27日の日経平均株価は、一時2万6044円まで落ち込んだ。
要因は、米国の金融政策への不安だ。1月26日、米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は、金融政策を決定する会合(FOMC)で、3月から利上げを行う方針を示した。利上げ自体は想定内だ。しかし会見の内容などから、金融引き締めのペースを加速するのでは、という警戒感が急速に高まった。
「12月の段階では、2022年に3回の利上げという見方が中心的でしたが、今や5回を想定する市場関係者が多くなっています」(第一生命経済研究所の藤代宏一さん)
さらに、中央銀行が保有する資産を減らす量的引き締め(QT)が示唆されたことも大きい。量的緩和の規模を縮小するテーパリングがアクセルを緩める段階なのに対して、QTはブレーキを踏む行為だ。示唆されたのは年後半からのQTだが、前倒しもありうると市場は受け止めた。
状況の変化を受けて、アナリストなど株式市場のプロたちの2022年の相場見通しも変化している。今回意見を聞いたのは、ニッセイ基礎研究所の井出真吾さん、フィスコの小林大純さん、第一生命経済研究所の藤代宏一さん、SMBC日興証券の丸山義正さんの4人だが、4人のうち3人が日経平均株価は2万6000円割れの展開もあると予測している。日経平均株価の最安値を2万6000円と予測した井出さんも「確率は低いが、状況次第では2万5000円もありうる」とした。
一方、高値の予測に関しては見方が分かれた。井出さんと丸山さんは3万3000円と予測。対して藤代さんとフィスコの小林大純さんは、3万円を超えられないと見ている。
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今後の日本株・米国株の値動きを占ううえで重要なのは、
FRB(連邦準備制度理事会)がどのような動きをするか
企業の業績は「日米ともに悪くない」との見方で全員が一致する。したがって、今後の相場を見通すうえでカギを握るのは、FRBがどう動くかだ。実のところ、具体策は何も発表されていない。その不透明感が相場急落を招いたわけだが「市場の懸念は行き過ぎ」という意見が多い。
「FRBのパウエル議長は、今後の経済データ次第だとしています。中間選挙の前に、株価をこれ以上暴落させるわけにもいかない。過去もそうだったように、引き締めのペースがある程度見えてくれば、市場の警戒感は和らぐでしょう」(井出さん)
「経済の実態に対して米国の株価が高すぎで、2割の調整がありうる」と予測する丸山さんも、引き締めは急激なものにはならないと読む。「QTについても、前回の2017~2019年の分析を踏まえると、市場への影響は実施する前に出尽くします。今回も同様なら、株価は4~6月が底で、年後半は上昇と考えられます」(丸山さん)
FRBが憂慮するインフレ率の急上昇は、数字上の問題もあると藤代さんは指摘する。「2020年が低インフレだったため、前年比で見た2021年のインフレ率が高くなっている。2022年の半ば以降は、その反動で落ち着く可能性があります」(藤代さん)
一方で、小林さんは「FRBは引かない」と見る。「金融緩和でインフレを目指し、経済活性化を図るという政策の流れが、世界的に変わり目に来ています。岸田政権もそうですが、取りこぼされた人たちへの分配に目を向けざるを得なくなった。市場に配慮、とはならないでしょう。大規模な金融緩和を背景に、投資家はレバレッジをかけて投資を拡大してきましたが、今後は縮小が不可避です」(小林さん)
株価は1月末から反発を見せたものの、市場の疑念はまだ晴れていない。次回のFOMCは3月15・16日。少なくともそれまでは、波乱含みの相場が続きそうだ。
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