最下層からの成り上がり投資術!

いまの上昇相場で新たに狙うのはマイナンバー関連の7銘柄だ!

【第57回】 2013年5月13日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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「2016年1月スタートのマイナンバー制度で狙うべき大型株と小型株10銘柄を紹介!」(2015年3月10日公開)

 東京株式市場は相変わらず強い展開が続いてます。13日前場の日経平均株価は一時、1万4847.20円を付けました。ザラ場中に1万4800円台に乗せるのは、およそ5年4カ月ぶりのことです。外国為替市場で円相場が1ドル=102円台まで弱含み、採算改善期待から輸出株などに買いが入った結果です。

日経平均の日足チャート(6カ月)。緑が5日、赤が25日、青が75日の移動平均線(出所:株マップ)

 一方、10日の米国株式市場は反発し、NYダウは前日比35.87ドル高の1万5118.49ドルと過去最高値を更新しました。また、S&P500種株価指数も同7.03ポイント高の1633.70ポイントと過去最高値を付けました。そして、ナスダック総合株価指数は同27.41ポイント高の3436.58ポイントと2000年11月3日以来、約12年半ぶりの高値でした。

 このように、世界の経済の中心の米国株式市場も絶好調です。米国株式堅調の主因は米雇用環境の改善です。

 5月4日までの1週間の新規失業保険申請件数は32万3000件と、前週の改定値比4000件減と、前週比の減少は3週連続でした。また、米ドル堅調の主因は、この雇用環境の改善を受け、米国の量的緩和策の縮小が近づいているとの観測が台頭し、日米金利差が拡大するとの思惑から、ドル買いが膨らんだためです。

 この米国株高と、円安・ドル高が、日本株の強烈な追い風として吹き続けています。この追い風が止まらない限り、日経平均株価の上値追いは継続する見通しです。

1ドル=100円で主要企業の経常利益は約45%増に

 ところで、東証上場企業の13年3月期決算発表が10日(金)、ピークを迎え、全体の22%にあたる376社が業績を公表しました。14年3月期は13年3月期より5割増益となる見通しで、リーマン・ショック前の08年3月期の水準まで回復する可能性もあるということです。

 ちなみに、SMBC日興証券によると、9日までに決算発表を終えた東証1部上場企業574社(金融除く、全体の48.2%)の税引き後利益合計は前期比32.9%増となったということです。また、大和証券の試算によると1ドル=100円が定着すれば主要企業の13年度の経常利益は前年度と比べ45%増えるということです。

 このような上場企業の良好な業績モメンタムは、バリュエーション面で日本株を力強くサポートすることでしょう。

 さて、このような良好な投資環境下での物色対象ですが、株式投資で成り上がりたいあなたは(1)アベノミクス効果・資産インフレ発生で不動産・含み資産、(2)昨年の自民党の選挙公約から、健全な小口金融市場の育成でノンバンク・消費者金融、(3)安倍政権の成長戦略・TPP関連で再生医療・バイオや農業、(4)年内の法案提出期待でカジノ関連、(5)ネット選挙解禁関連、などなどです。これらのテーマ株物色に上手く乗ったあなたは、昨年から今年にかけて、荒稼ぎし、資金を膨張させたことでしょう(笑)

マイナンバー関連の注目小型株はこの7つ!

 なお、新たなテーマとして、これらに付け加えて注目したいのが、マイナンバー関連です。

 社会保障・税の共通番号(マイナンバー)法案が5月9日、衆院本会議で与党、民主党などによる賛成多数で可決され、今国会で成立する見通しになったからです。年金などの社会保障と納税を1つの個人番号で管理する制度が2016年に始まります。

 マイナンバー制では国民一人ひとりに12ケタの個人番号を振ります。まずは15年10月をメドに、市町村が個人番号を記載した紙の通知カードを郵送します。16年1月からは番号情報が入ったICチップを埋め込んだ、顔写真付きの個人番号カードを市町村の窓口で配布します。カードを行政窓口に提示したり、自宅のパソコンで読み取ったりすることで給付申請や情報取得の手続きが簡単になります。

 そして、17年1月からはパソコンからインターネットで自分専用の「マイ・ポータル」というページに接続すれば、年金や介護保険料の納付状況や給与・報酬情報をいつでもみられるということです。

 ちなみに、一部大手証券は政府や地方自治体に加え、マイナンバーの民間活用が法律で認められた場合、関連する市場は最大3兆円程度と推計しているもようです。

 主な関連銘柄は次ページに掲載の通りです。なお、このようなテーマ株物色では、お金持ちはNTTデータ(9613)などの大型株を狙えばいいですが、今、小額資金しか持たず、最下層からの成り上がりたいと考えているあなたは、小型株を当然のごとく狙うべきです。

【会社名】/コード
【1】フリービット
(3843)
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テレビ朝日は通信系基盤にフリービットクラウドを導入した。番組の中でキャンペーンや視聴者プレゼントを紹介すると、視聴者からの想像を絶する膨大なアクセスがサイトに集中する。この“針”のようなトラフィックを捌くには、フリービットクラウド以外の選択肢はなかったという。なお、次世代インターネット・ユビキタスインフラ事業に関しては、2012年5月に完成した、膨大な種類のデジタル機器をSDカード1枚で瞬時にクラウド対応させる「Plug inCloud」 アーキテクチャーを切り口に、今後の拡大が見込まれる機器間自動通信市場(M2M市場)に参入。
【会社名】/コード
【2ITbook(3742)
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官公庁や民間企業向けにシステムの最適化を手掛けている。また、クラウド型のITサービスを始めとするサービスメニューの拡充を図り、受注・販売活動を積極的に取り組んでいる。その結果、地方自治体のITコンサルティング業務において、1案件億円単位の大型案件も数件獲得できるようになっている。同社の自治体クラウド推進支援では、クラウドへの移行予定(現有システムの更新時期)、業務改革・業務標準化の内容、期待される効果、想定される課題とその対策の調査・分析等を通して、顧客に最適な移行計画の策定等の支援を行っている。
【会社名】/コード
【3】ジャパンシステ(9758)
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2008年には米ヒューレット・パッカード(HP)が親会社となった。安定的にシステム開発を受託できることが強み。2つの事業を強化。1つはセキュリティー事業。10年に国内IT企業から「アルカクラヴィス」というサービスを譲り受け、独自に拡張。近距離無線通信技術の「Felica(フェリカ)」を使ってパソコンだけでなくスマートフォンも統一的にログインできる点がうけている。もう一つが自治体向けビジネス。中核となるのは人口5万~50万人規模の自治体で使う財務会計システム「ファスト」。
【会社名】/コード
【4】DTS(9682)
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年金系のシステム開発を得意とする。5月7日、日立製作所(6501)と共同でハード機器とソフトなどを一体販売する「垂直統合型」のビッグデータ解析装置を開発したと発表した。従来に比べ100倍の速度で情報処理できる検索エンジンを搭載、大容量データの分析時間を大幅に短縮する。新製品「データスーパーエクスプレス」を6月3日に発売する。
【会社名】/コード
【5】アイネス(9742)
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公共、金融、産業向けに強みを持つ情報処理大手。地方自治体向けWeb型の総合行政情報システム「ウェブリングス」の拡販に力を注いでいる。マイナンバー制度が導入されれば、自治体の職員に利用されている業務システムの改修が必要となり、更新需要が見込める。2013年3月期連結決算は得意の公共向けが落ち込み、売上高が6%、経常利益が166%減ったが、今期は、税金の収滞納状況や各種手当の対象者などを管理するシステムで大型受注があり、増収の見通し。
【会社名】/コード
【6】セキュアヴェイ(3042)
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ネットワーク・セキュリティの専門集団。14年3月期は、自社が提供するサービスの最大の強みである、ネットワークの脅威からユーザーを保護し安全性を確保する「セキュリティマネジメント」と、安定したシステム稼動を継続するために必要な「システムマネジメント」を融合させた、「統合運用監視サービス」を24時間365日体制でサポートできる仕組みを主軸に、同業他社と競合するのではなく、それぞれの強みを活かし合えるパートナー企業と共同して提案することで、顧客に対し最高の品質のサービスを提供する体制のもと、ストック型サービスの拡販に努めていく。
【会社名】/コード
【7】ラック(3857)
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2012年4月に完全子会社3社を吸収合併し、情報セキュリティをコアにITトータルソリューションを展開する事業会社となった。セキュリティコンサルティングサービスは、遠隔操作ウイルス事件や標的型メールによるサイバー攻撃、官公庁や企業のホームページ改ざん、個人情報漏えいなど、セキュリティ関連の事件・事故が頻発し社会を脅かすなか、緊急対応サービスが増加し、他のセキュリティサービスへの展開を牽引している。同社は企業や官公庁内にセキュリティ監視センターを構築し、運用を支援するサービスに注力している。


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