週明けの東京株式市場では、利益確定売りがやや優勢です。しかし、堅調相場が続いているといってよいでしょう。実際、前週末6日の日経平均株価の終値は1万8971.00円で、2日に付けた1万8826.88円を上回り、2000年4月19日の1万9086.62円以来、ほぼ15年ぶりの高値を付けました。
マイナンバー制度が来年1月からスタート
ところで、税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度が2016年1月に始まります。幼児から高齢者まで、日本在住者1人ずつに12桁の番号が割り当てられます。氏名や住所、年齢、年金や納税の記録、証券情報、普通口座、予防接種など医療情報などあらゆる情報が16年1月以降、個人番号にひも付けられ管理されます。
これだけの大規模な新制度導入なのに、マイナンバー制度の認知度は低く、内閣府の直近の調査では、約3割の人が「知らなかった」、約4割が「内容までは知らなかったが、言葉は聞いたことがある」と回答し、内容を知っている人は約3割にとどまったそうです。そこで、甘利明経済財政・再生相は、「認知度を高めるために取り組みたい」と述べ、政府は9日からメディア広告を打ち始めました。
一方、制度の導入に伴い、国と自治体では現在、システムの大改修が急ピッチで行われ、開発案件は総額3兆円ともいわれています。また、企業は16年1月から従業員の個人番号を集め、給与や社会保険関連などの書類に記載することが求められます。正規社員だけでなく、派遣社員やアルバイトも対象です。企業も従業員の番号を管理するシステムなどを導入する必要があります。
正直、株式市場的には、「マイナンバー制度」は、もはや旧聞に属する話です。しかし、内閣府の直近の調査をみるかぎり、世間的にはそうではないようです。また、国の周知活動が出遅れたこともあり、企業の対応は緒に就いた段階で、企業はようやく、対策本部を設け対応を急ぎだしたということです。
このため、制度導入に伴う、関連企業への直接的な発注、業績寄与等は、これから本格化する見通しです。こうなると、関連銘柄への投資マネーの本格的な流入も、実は、これから始まるとみてよさそうです。
よって、成り上がりたいあなたは、6日の甘利明経済財政・再生相の閣議後の記者会見での、「認知度を高めるために取り組みたい」とのコメントを、大きなテーマ株物色スタートの号砲と認識するべきです。なぜなら、官民の情報システムの改修などの規模は「消費税導入以来」との指摘があるからです。
今ほど株式投資に適した状況はあと数十年来ない
思い返せば、2012年11月14日、当時の野田首相が自民党の安倍総裁との党首討論で、「16日に解散をします。やりましょう。」と述べたことが「アベノミクス相場」スタートの号砲でした。「16日に解散をします。やりましょう。」との言葉をきいて、ピンときて「株を買い、ドルを買った」投資家の多くは、ビッグマネーを手にしたはず。
今回の「認知度を高めるために取り組みたい」とのコメントも、12年11月14日の「16日に解散をします。やりましょう。」とのコメントも、新聞、テレビを通じて、普通の国民皆に伝わっているはずです。それをみたり、聞いたりして、どのような投資行動を取るかが、将来の経済格差に直結するのです。
なお、過去200年分の各国の膨大なデータを使って「資本主義では格差が拡大し、今後も不平等が拡大する」と予想した、世界的なベストセラー「21世紀の資本」の著者、フランスの経済学者のピケティ氏が人気です。
私も「資本主義では格差が拡大し、今後も不平等が拡大する」ことは否定しません。ですが、「普通に(ほぼタダで)手に入る情報」に対して、「上手く対応し投資に活用しよう!」という気持ちで情報に接すれば、「持たざる者」から「持てる者」になるチャンスは十分あると思います。
例えば、種銭100万円とか、200万円とかで、「アベノミクス相場」に上手く乗り、多くの「億り人」が出ています。まあ、1億円程度じゃ「持てる者」とはいわないでしょうが、少なくとも100万円や200万円の時代と比べると、経済的なステージは2ランクも、3ランクも上でしょう。そして、「持てる者」を目指せるポジションには近づけたはずです。誰にでも「タダ」で手に入る情報に対する、ちょっとした感応度の差や、実際の投資行動の有無が、わずか数年後の所得・資産格差を生むのです。成り上がりたいあなたは、「今の格差」を絶望的な差と諦めるのではなく、「この格差は必ず埋められる」と信じて、株式投資に臨んでください。(笑)
中央銀行が脱デフレを目指す、すなわちインフレを起こそうとする時代なんて、そうそうありません。また、一国の総理がここまで前のめりに経済政策を打ち出す光景もあまりみません。正直、「今、株やらないで、いつやるの?」という感じで、私は相場を眺めています。もちろん、諸般の事情で株をやれない人や、株のようなリスクを伴う投資はやらないと決めている人も多いことでしょう。しかしながら、もしあなたが成り上がりたいのなら、今ほど株式投資に適した状況は、あと数十年こないかもしれないと考え、今を大事に、かつ全力で投資するべきだと思います。
もちろん、漫然と株を持っていれば儲かるほど、相場は甘くありません。過熱場面では売り、押し目では買う。間違ったと思ったら損切りもサクッと実行する。そして、今、最も効率的に儲かるテーマはなにか?銘柄はなにか?を、常に探す努力を怠らないことです。
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