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2016年の増税&減税、負担増&減の対象とは?NISAの拡充やジュニアNISAの創設は朗報だが国民年金や厚生年金の保険料アップに注意!

2016年2月7日公開(2022年3月29日更新)
ザイ編集部
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2016年の税制改正大綱が固まった。酒税の変更、配偶者控除や公的年金等控除の縮小など、2016年の参議院選挙後に先送りされた項目も多く、一見負担は増えないようだが、実はすでに複数の負担増が今年以降に予定されている。その実態を大公開。

NISAの増額とジュニアNISAはプラスも
増税では高所得の会社員が狙い撃ちに!

 「2015年は相続増税がありましたが、実は16年も負担増が続きます。国民年金や厚生年金の保険料が増え、給与所得控除は縮小。17年の消費増税は負担増の決定打ですね。反対に減税や負担減には、NISAの拡充やジュニアNISAの創設といった投資減税、空き家対策の推進などがあります」(ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さん)

 今年からNISAの投資上限額が100万円から120万円にアップ。4月からスタートするジュニアNISAは20歳未満が対象で、上限80万円までの投資で生じた利益が非課税になる。NISAに加えてジュニアNISA分の資金確保が難しい夫婦であれば、ジュニアNISAの名目である「子どもの大学進学資金の確保」を理由に、子どもの祖父母から支援(贈与)を得たいところだ。

 その他の負担減には、空き家問題への対策や、3世代同居に備えたリフォームへの補助がある。空き家問題は、親の家を継ぐ相続の際に起きやすいが売却や処分をすれば、譲渡所得から最大3000万円が控除できるようになる。また、親世代との同居を考えている人はリフォーム補助を使うと最大25万円の減税に。

減税&負担減 投資減税や特定課題への対処など限定的!
導入日 項目 内容
2016年1月~ NISA(少額投資非課税制度)の拡充 値上がり益や、株の配当金・投信の分配金といった 利益が非課税になるNISAの、投資額の上限が年間 100万円から年間120万円に拡大
【関連記事】NISAのメリット・デメリット、注意点などNISA口座の開設前に注目情報をまとめてチェック!
2016年1月~ 交通費の非課税限度額拡大(※) 会社から支給される通勤手当や、定期券代に対する所得税の非課税限度額を、最高月10万円から月15万円に引き上げ
2016年4月~ ジュニアNISAの創設 16年4月に新設され20歳未満の子ども名義で口座開設ができる。投資額の上限は年間80万円で、子どもが18歳になるまでは引き出し制限がある。
【関連記事】ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)のメリットと使い方、ネット証券のサービスを紹介!
2016年4月~ 空き家対策の減税(※) 1981年以前の旧耐震基準に基づく空き家を相続し、解体や耐震リフォームをした上で売却した場合、譲渡所得から3000万円を差し引けるようにする。
2016年4月~ 3世代同居のための
住宅改修の減税(※)
3世代同居のためにキッチンや浴室、トイレ、玄関の増設などを行なった場合、最大250万円の工事費の1割を所得税から差し引けるようにする。
2017年1月~ スイッチOTC薬の
購入費の所得控除(※)
薬局などで売られている市販薬(スイッチOTC薬)の年間購入額が1万2000円を超える世帯を対象に、超過分の金額をその年の総所得額から控除。
2017年4月~ 環境性能割の導入(※) 自動車取得税が廃止され、代わりに環境性能に応じた新税がスタート。エコカーは非課税となるが、購入時の負担軽減は限定的。
※今後の法案の動向により変更される可能性がある

 

  一方、増税や負担増としては給与、年金分野がまず挙げられる。給与面では、16年に年収1200万円超を対象に、給与所得控除の15万円縮小が行なわれる。さらに、17年には、範囲が年収1000万円超に引き下げられ、控除額は追加で10万円縮小。例えば年収1500万円の人の場合、所得税だけで17年には15年比で年8万円超の負担増となる(基礎控除と給与所得控除のみで計算)。

 また、社会保障改革の影響で、17年までは国民年金の保険料が増加。厚生年金でも保険料率がアップする上、報酬比例部分を受け取れる年齢も61歳から62歳に引き上げられる。そして、17年4月には消費増税があり、飲・食料品(酒・外食含まず)や新聞(宅配)を除いて10%への増税が実施される予定だ。

 このようにさまざまな負担増が続くが、投資減税やふるさと納税などを上手く活用して生活水準の維持を図りたい。

増税&負担増 投年金の保険料アップや税控除の縮小などが目白押し!
導入日 項目 内容
2016年1月~ 給与所得控除の縮小 サラリーマンの給与所得控除の増加が年収1200万円で頭打ちに。同時にこれまで245万円だった控除額が230万円に縮小される。縮小にともない所得税と住民税が増税となる。
2016年1月~10月 住宅資金贈与の上限額の縮小 住宅資金としての贈与の上限額が、1500万円から1200万円に300万円縮小される(10月まで)。10月からは一転して、上限は3000万円に増える予定(消費税10%の物件の場合)
2016年4月~ 国民年金の保険料アップ 社会保障制度改革の影響で、国民年金の保険料が月額1万5590円から月額1万6260円へアップする。(2017年4月以降は月額1万6900円で固定される予定)
2016年4月~ 厚生年金の報酬比例部分の支給先送り 65歳前に受け取れる厚生年金のうち、報酬比例部分の支給開始が61歳から62歳へ引き上げられる。60歳で定年を迎える場合、62歳までの年金空白が生まれる可能性も。
2016年9月~ 厚生年金の保険料率のアップ 厚生年金の保険料率は給与と賞与に共通の保険料率をかけて計算される。その保険料率が17.828%から18.182%へアップ。※2017年9月からは18.3%で固定される予定。
2017年1月~ 給与所得控除の縮小 給与所得控除の増加が年収1000万円で頭打ちになり、同時に控除額が230万円から220万円に縮小される。こちらでも対象となる人の所得税と住民税の負担が増加
2017年4月~ 消費税の10%への増税(※) 消費税率が8%から10%に。飲・食料品(酒類と外食を除く)と新聞(週2回以上宅配)には軽減税率が適用され、8%で据え置かれる予定。減収分を補うため子育て給付金の廃止も。
※今後の法案の動向により変更される可能性がある

 

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