【今回のまとめ】
1.米大統領選挙の勝敗を決する「選挙人団」とは?
2.オバマが若干有利だが、極めて接戦
3.議会選挙にも注目。「財政の崖」に即応するには、ねじれのない状況が好ましい
4.むしろ米国株にとって重要なのは大統領選挙の翌年は相場が冴えないという事実
5.米国が先進国で一番先に緩和政策拡大の自制に乗り出す
11月6日(火)は、いよいよ米国大統領選挙の投票日になります。これを書いている11月3日(土)朝の時点では、民主党のバラク・オバマ現大統領への支持率が47.4%、共和党のミット・ロムニー候補に対する支持率が47.3%と、ほぼ一線に並んでいます。
「選挙人団」とは?
実際の大統領選挙は「選挙人団(electoral college)」と呼ばれる州ごとの勝ち点の合計によって争われます。
例えば最も大きなカリフォルニア州は55点、次に大きいテキサス州は38点、フロリダ州は29点、ニューヨーク州も29点といった具合です。
それぞれの州のポイントの重さは、その州の人口によって決まりますが、どんなに人口が少ない州でも、最低3点のポイントが与えられているため、カリフォルニア州のように人口の多い州は実際の有権者の数より選挙人団の比重が低くなってしまっています。
いずれにせよ、それぞれの州で勝った候補者が、その点数を全部奪い、負けた候補者はどんなに得票率が接近していてもカウントはゼロになります。言い換えれば、大きい州にて僅差で勝つ方が、小さい州で圧勝するより重要になるということです。
ロムニーは「フロリダ」「オハイオ」で勝つことが最低条件
現時点でほぼオバマ勝利が確実視されている州はカリフォルニア(選挙人団ポイント55)、ニューヨーク(同29)、イリノイ(同20)、ワシントン(同12)などです。
反対にロムニー勝利が確実視されている州はテキサス(同38)、テネシー(同11)、アラバマ(同9)、ルイジアナ(同8)などです。またジョージア(同16)、サウス・カロライナ(同9)はロムニーに傾いていると言われています。
合計するとオバマは201ポイント、ロムニーは191ポイントをたぶん獲得できるだろうとリアルクリアポリティクス社は見ています。またどちらに転ぶかわからない州が146ポイント分あります。
どちらに転ぶかわからない激戦州における支持率は、下のグラフのように極めて接近しています。
6日の大統領選挙当日、選挙の行方を占う上で注目すべき州は、オハイオ、フロリダ、バージニア、ノース・カロライナあたりです。
特に、現時点の選挙人団で劣勢なロムニー候補の場合、フロリダとオハイオの両方で負けると、形勢逆転は極めて困難となります。この両州が選挙結果を決定づけることでしょう。
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