最下層からの成り上がり投資術!
【第186回】 2015年11月10日公開(2017年12月1日更新)
バックナンバー 著者・コラム紹介
藤井 英敏

郵政IPO後、好調が続く株式市場だが
いま保有している株は決算発表前に
売った方がよいのか? そのまま保有すべきか?

 11月9日(月)の日経平均株価終値は前週末比377.14円高の1万9642.74円となり、8月20日の2万0033.52円以来、約2カ月半ぶりの高値を付けました。

日経平均株価チャート(日足・1年)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

 円相場は1ドル=123円台前半と、約2カ月半ぶりの安値水準を付けたことで、輸出関連中心に幅広い銘柄が買われた結果です。なお、9日の株高・ドル高のきっかけは、6日発表の10月の米雇用統計が市場予想から大幅に上振れたため、FRB(連邦準備制度理事会)による年内利上げ観測強まったためです。ちなみに、非農業部門の雇用者数が前月比27万1000人増と市場予想の18万人程度の増加を大幅に上回りました。

思ったほど良い環境とはいえない日本株
決算日前にいったん売って、決算発表後に買い戻せ

 こんな良好な投資環境ですが、私の周りの多くの投資家の顔色は冴えません。対面営業の証券会社の友人によれば、「今、儲かっているのは主力の優良株や投信を持ってる投資家だけ」「自分達が提案した銘柄(新興株、材料株)を買っている投資家の損益状況は改善するどころか、悪化傾向」「日本株のヤラレよりも、新興国絡みの投信や債券の評価損拡大の方が深刻」などなどです。日本郵政グループ3社の上場が大成功し、日経平均株価が8月20日以来の高値を付けたとは思えない状況です。

 例えば、たまたまかもしれませんが、私の知り合い数人に、最近深刻な打撃を与えたのが、ザインエレクロニクス(6769)です。同社は11月6日15時に15年12月通期連結業績予想の下方修正を発表しました。中国及び韓国向け出荷が落ち込む見込みになったことに加え、テレビ向け出荷が計画を下回る見込みとなったそうです。この下方修正を受けて、6日終値1802円だったのが、週明け9日は1402円のストップ安売り気配、そして、10日9時4分、1342円で値を付けました。460円(25.53%)の下落です。

ザインエレクトロニクス(6769)株価チャート(日足・6カ月)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

 同社はZMP関連、自動運転関連で人気の高かった銘柄です。ホルダーは、今回の大幅下方修正に驚き、且つ失望し、我先にと投げ売ったようです。確かに、持ち株の下方修正は、交通事故のようなものです。しかし、やはり、新興株の決算日持ち越しはリスクは非常に大です。もちろん、逆のケースもあるかもしれませんが、基本的には、私は敢えて決算リスクを取る必要はないと思っています。

 つまり、決算日前にはいったん売って、決算を無事通過後、買い戻す戦略を推奨します。

 ただし、月次の売上高を発表しており、あまり業績サプライズが発生しにくい企業や、あなた自身が投資先の業績に自信を持っている場合はその限りではありません。また、会社側が赤字予想をしている場合は、多少業績が下振れても、株価に影響を与えることはあまりないように感じます。まあ、しょせん赤字は赤字。多少赤字額が拡大しても、投資家はあまり気にしない、ということかもしれません。それはともかく、手堅く稼ぎたいのなら、既に決算を終えた銘柄を弄るようにしましょう。

いまはパッシブ運用がおすすめだが
株価指数先物やオプション取引を行う際に注意すべき点とは?

 このような個別の決算リスクを避けたいのなら、やはり、パッシブ運用をするべきでしょう。パッシブ運用のいいところは、当たり前ですが、自分の持ち株の収益状況が、指数に連動することです。多くの投資家は、「日経平均株価が上がれば、自分の持ち株の評価も改善するはず」と思い込む傾向があります。だがら、日経平均株価が上がっても、自分の持ち株が上がらないと、ストレスが倍増するようです。それが嫌なら、やはり、パッシブ運用です。まあ、指数が下がれば、持ち株も同じように下がりますが、多くの投資家は、「指数が下がっているのなら、持ち株が下がっても仕方がない」と諦めがつくようです(笑)。

 あなたが投機大好きのリスクテイカーなら、株価指数先物や、オプション取引を行うのもありでしょう。レバレッジを効かせて指数を売買すれば、少ない種銭でも大きく育つ可能性が高まりますからね。ただし、決済期限のある金融商品は「ゼロサムゲーム」です。つまり、「プラスサム」が期待できる現物株式投資ではなく、投機、ギャンブルです。ハイリスク・ハイリターンである点は十分理解して、取引しないとなりません。

 なお、株価指数先物や、オプション取引を行うのなら、現物株以上にリスク管理を徹底しないとなりません。特に、「損切り」の徹底と、建玉管理です。

 また、オプションに関しては、よほど腕に自信がなければ、売り建て(コール、プットのショート)は回避しましょう。成り上がりたいあなたが取るべきポジションの損益線は、「損失限定、利益無限」であり、「損失無限、利益限定」ではありません。

 確かに、オプションのショート戦略は高い勝率を誇ります。しかし、ひとたび、大きなトレンドが出ると、10勝1敗でも、その1敗で、すべてを失う可能性があるのです。また、身の丈以上の建玉で勝負すると、負けた時にとんでもないダメージを被ることになります。大きな建玉を抱え、想定とは逆の方向にトレンドが出た場合、ポジションを取った時点では、想定もしていなかった額に評価損は膨らんでいくものです。

 だからこそ、株価指数先物や、オプション取引を行う際は、最悪の事態を想定して、慎重に行うようにしましょう。
 

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