最下層からの成り上がり投資術!
2018年1月30日 藤井 英敏

3月後半までの1カ月間は「リスク回避」を徹底せよ!
「円高」「決算対策売り」「持ち合い解消売り」など
しばらくは日本市場の需給は良くない状況が続く!?

 足元の世界の株式市場では、世界的な景気回復というポジティブ材料と、景気回復が顕著だから世界的に金利が上昇するというネガティブ材料が綱引きしている感じです。

 ちなみに、独5年物国債利回りが約3年ぶりにプラス圏に浮上したことで、1月29日の10年物の米国債利回りが、2014年4月下旬以来、3年9カ月ぶりの水準である2.72%まで一時上昇しました。

■米国国債10年チャート/日足・6カ月
米国国債10年チャート/日足・6カ月米国国債10年チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 なお、市場では、日欧の金融政策の早期正常化が強く意識されています。欧州では、オランダ中央銀行のクノット総裁が「欧州中央銀行(ECB)は、資産買い入れ計画を9月末で終了すると明確にすべきだ」と発言したと伝わり、ECBの金融政策の正常化が加速するとの観測が浮上しています。

 また、黒田日銀総裁が1月26日のダボス会議で「ようやく2%の物価目標に近づきつつあると思う」と述べたことを受け、日銀の金融緩和政策の正常化が想定よりも早まるとの見方が強まっています。

ドル安・円高が維持されることにより
日経平均株価の上値は抑えられる

 米国と日欧との早期の金利差縮小観測を受け、外国為替市場では、ドルが対ユーロ、対円で売られ易くなっています。このドル安は米国株にとってはポジティブです。なぜなら、米国の輸出関連株に加えて、大型グローバル株がドル安の恩恵を享受するからです。

 しかしながら、日本株にとってはネガティブです。もちろん、堅調な米国経済を背景とした米国株高は日本株には追い風です。しかし、対ドルでの円高は日経平均株価の上値抑制要因です。

 このため、仮に、米国株が堅調さを維持したとしても、ドル安・円高が維持されない限り、日経平均株価は冴えない動きを続ける見通しです。

2月中旬から3月のメジャーSQ前後に
日経平均株価は当面の底値をつける

 なお、例年1月後半から3月のメジャーSQ前後まで、国内機関投資家からの年度末の決算対策売りが出てきます。また、今年と来年は、2015年に導入された、意義の薄れた持ち合い株の解消を促しているコーポレートガバナンス・コードを背景に、「生保・損保」「都銀・地銀等」「事業法人」の3つの投資主体からの持ち合い解消がこれまで以上に膨らむと指摘されています。

 つまり、当面は「決算対策売り」+「持ち合い解消売り」で、東京株式市場の需給は良くない状況が続くことを覚悟する必要があるでしょう

 さらに、海外投資家が日本株の売り越し姿勢を続けています。1月第3週(15~19日)の投資部門別株式売買動向では、海外投資家は2222億円売り越しました。昨年11月第4週以来ほぼ2カ月ぶりの大きさの金額の売り越しでした。また、売り越しは2週連続です。

 今後については、海外投資家が買い越しに転じない限り、日経平均株価が上値を追うことはなさそうです。

 ただし、相場が押せば、逆張り大好きな個人や、年初からの急騰で評価損の拡大に苦しめられた売り方の買い戻し、さらに、日銀のETF買いが見込めるため、下値も限定的とみています。現時点では、日経平均株価については、大納会と大発会とで空けた窓(2万2881.21円~2万3065.20円)が押し目限界とみています。

■日経平均株価チャート/日足・6カ月
日経平均株価チャート/日足・6カ月日経平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 ザックリとした私の相場観としては、2月中旬から3月のメジャーSQ前後に、日経平均株価は当面の底値を付けるというものです。当面は、本格化している主力企業の決算を見極めたいというムードが強い状況が続くと考えています。

 買い手控え気分が強まる中、海外勢と国内機関投資家の売りで相場水準が押し下げられる。その後、国内勢の決算対策売りと持ち合い解消売りが一巡する2月下旬から3月メジャーSQ前後で需給が改善していくとみています。

 このため、目先1カ月程度は、押し目待ちが賢明でしょう。

決算発表をまたいでの持ち越しを避けるなど
リスク回避を徹底しよう

 具体的には、リスク回避的に、あなたのポートフォリオにおける株式組み入れ比率を落とし現金比率を高めるなど、リスク管理を今まで以上に徹底するべきと考えます。

 特に、持ち株の決算発表日をまたいでの持ち越しは、余程、自信がない限り回避するべきだと思います。予想(期待)通り好業績が発表されたら「好材料出尽くし」、期待外れの内容なら「嫌気売り」を浴びる可能性が高いからです。

 腰を抜かすようなポジティブサプライズ(想定を超えた進捗率、予想外の大幅上方修正など)がない限り、決算発表翌日以降の急騰は期待薄でしょう。それならば、決算リスクを敢えて取る必要はないですよね。

アクティブ個人が好きな小型材料株は
「ナイアガラ状態」になりがちなので特に注意!

 前回の当コラムでは、「当面は、年度末の持ち合い解消売りを浴び難い、新興市場を中心とした小型材料株狙いでいくべきでしょう」としましたが、この1週間で、風向きが変わってきたように感じます。なぜなら、足元のヒアリングベースで「引かれ玉(含み損を抱えたポジション)」を抱えて苦しんでいるアクティブ個人が多いからです。

 アクティブ個人は積極的に信用取引を行います。代用有価証券も、買い建玉も同時に値下がりすると、彼らの活性は一気に鈍ります。そして、ある一定水準を割り込むと、追証回避のための投げ売りを行います。

 現時点では、追証が発生するような相場水準ではありません。しかし、彼らの「ぶん投げ」が始まると、とんでもないスピードでの株価下落が発生します。

 よって、そのような事態が発生する確率が高まったと、あなたが感じたなら、急落が発生しないうちに、命の次に大事なあなたの投資資金を市場からこっそり逃がしておきましょう。もちろん、あなたが急落はないと自信を持っているのなら、その限りではありません。

 とりわけ、アクティブ個人が好きな小型材料株は、個人の関与率が非常に高いため、急落時に国内外の機関投資家の買いは入り難いという特徴があります。また、多くの材料株はバリュエーションを無視して高値を形成しがちです。このため、人気が離散し需給が悪化すると、多くの小型材料株は、一方通行の急落、すなわち、「ナイアガラ状態」になりがちです。

 以上のことから、当面(目先1カ月程度、3月のメジャーSQまで)は、このような「ナイアガラ」に巻き込まれないように、慎重なスタンスで相場を眺めておいて損はないと考えています

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