最下層からの成り上がり投資術!
【第127回】 2014年9月9日 藤井 英敏

9月中はとりあえず視界良好だが、
10月に入ってからは要注意な理由

 9月に入っても、良好な投資環境が続いています。国内要因としては、公的年金を所管する厚労省のトップに塩崎氏が就任したことで、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による日本株買い増しに対する期待がいっそう高まった結果です。しかしながら、相場的には、第2次安倍改造内閣が実際に発足し、目先的には出尽くし感が出ており、GPIF運用改革期待だけで相場が上に行くのは難しいでしょう。

ウクライナ、スコットランドなどの地政学リスク

 一方、最大の波乱要因の地政学リスクについては、ウクライナ東部で続くウクライナ軍と親ロシア派武装勢力の軍事衝突を巡る和平協議が5日、ベラルーシの首都ミンスクで開かれ、ウクライナと親ロ派の代表が停戦合意書に署名しました。これは相場の上昇要因です。

 しかし、ここにきて、スコットランドの独立を問う住民投票を18日に控え、賛成派と反対派が伯仲し、スコットランドが英国から独立するシナリオの現実味が増しています。この新たな地政学リスクの発生は、相場の上値抑制要因です。

 逆に、4日にECBが大方の市場予想に反して、利下げと資産担保証券(ABS)など資産買い取りの追加の金融緩和を決めました。また、5日発表の8月の米雇用統計が下振れしたことで、米国の早期利上げがやや遠のきました。結果、世界的なカネ余り状態が続く見通しです。これは相場の下支え要因です。

当面の日本株は上値も重いが下値も堅い

 なお、8日のNY円相場は反落し、前週末比95銭円安・ドル高の1ドル=106円00~10銭で取引を終えました。一時は106円09銭と2008年10月3日以来、約5年11カ月ぶりの安値を付けました。日本の4~6月期の実質GDPが改定値で下方修正されたことに加え、米金利の上昇を受け、ドル買いが優勢になった結果です。これは、日本株の押し上げ要因です。

 以上みてきたように、内外共に好悪材料が入り混じっているため、当面の日本株は上値は重いですが、下値も堅いという状況が続く見通しです。具体的には、日経平均は概ね25日移動平均ベースのボリンジャーバンドの+1σ(9日前場現在1万5664.62円)と+2σ(同1万5891.69円)とに挟まれたレンジでのバンドウォークを想定しています。

日経平均チャート(日足・6カ月)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより