“東証再編”の影響で株価上昇が期待できる2銘柄を紹介! プライム市場への残留を目指す「NJS」や、グロース市場からプライム市場への移行を目指す「メドレー」に注目!
発売中のダイヤモンド・ザイ6月号は、巻頭の「ZAiニュースチャンネル」で、「東京証券取引所の市場再編」に関する記事を掲載。この記事では、4月4日に再編された東証に注目し、再編の背景や、「プライム」「スタンダード」「グロース」各市場の特徴、さらに、市場再編で追い風が吹く注目銘柄などを紹介している。ここでは、その一部を公開!
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東証が「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に!
上場基準も変更されたが、プライム市場には”未達”の銘柄も多い!
4月4日から東京証券取引所が再編され、新市場としてスタートした。2013年に東京証券取引所と大阪証券取引所が統合したときからの流れを汲み、これまでは東証1部のほか、2部、ジャスダック、マザーズと市場が乱立。それぞれの市場の特性もわかりづらかったが、再編後はシンプルに3市場となった。
それぞれの特徴は下図のとおりだ。
プライム市場は、外国人・機関投資家の投資対象になる大企業が中心。一方、グロース市場は伸び盛りのベンチャーが多い。基本となる市場がスタンダード市場だ。
3つの市場間の壁は、これまで以上に厚くなる。従前は、東証マザーズに上場した企業が、ほどなくして東証1部へ昇格するケースが珍しくなかった。東証1部に直接上場するには、時価総額250億円が必要だったが、マザーズからの昇格なら、時価総額40億円でできたからだ。
このため、「東証1部には時価総額数十兆円から40億円の企業まで存在するようになり、現在のコンセプトや基準のままでいいのか課題となっていました。これが、今回の市場再編につながっています」(東京証券取引所の池田直隆さん)
これからプライム市場に上場するには、流通株式時価総額(※役員や10%以上を保有する大株主、自己株を除いた流動性の高い株数を用いた時価総額)100億円以上が求められる。
ただし、今回の市場再編のタイミングでは、もともと東証1部にいた企業は、基準未達のままでもプライム市場への“横滑り”が認められた。基準未達の企業名はJPX(日本取引所グループ)のホームページでも公開されており、「上場維持基準の適合に向けた計画書」を提出している。わかりづらいのが、基準未達のまま、いつまでプライムにいられるのか、明確な時間軸が示されていないことだ。
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再編後も指数はTOPIXが重視されるが、
流通株式時価総額が低い銘柄は除外される可能性も!
目下、基準未達企業にとって差し迫った課題といえば、TOPIX(東証株価指数)落ちのほうだ。新たに「東証プライム市場指数」なども設定されたが、指数は過去との連続性が大切なため、引き続き投資家の間ではTOPIXが重要視されそう。年金やETFなど、TOPIXに関連した金融商品の市場規模は、70兆円にも上る。
このTOPIXから「流通株式時価総額が100億円未満の銘柄は、徐々にウェイトを落とされ、2025年には除外される予定です」(JPX総研の島田周大さん)。すでに1回目のアラートは鳴った。3月期決算企業の場合、2022年3月末時点で流通時価総額100億円未満だと、10月からTOPIXへの組み入れ比率を落とされる。
ただ、この時点ではまだ挽回のチャンスがある。2023年3月末に基準をクリアできれば、復活できるからだ。残された猶予はあと1年。TOPIXへの組み入れ比率が減れば、投資信託やETFを通じた資金流入も減るため、株価の下げ圧力に。ここ1年が頑張りどころだ。
同時に、ここに投資チャンスもある。「プライム市場に残ったまま、流通時価総額が70億~130億円くらいと基準達成が微妙な企業は、プライムやTOPIXに残ることを目指して、自社株買いなど株価向上策が期待できます」(マネックス証券の益嶋裕さん)
また、ひとまずスタンダード市場やグロース市場に上場した銘柄の中にも、プライム市場への区分変更を準備している企業がある。プライム市場に上場すれば、TOPIXにも採用されるため、株価の押し上げ要因になる。
そこで、ここからはアナリストが注目する市場再編で株価が上がりそうな2銘柄を紹介していこう(※株価などの数字は4月6日時点)。
まずは、マネックス証券の益嶋裕さんが注目するNJS(2325)だ。
NJSは、水と環境のコンサルティング会社。上下水道の整備や災害対策、環境対策などを手掛ける。国内だけでなくアジアやオセアニア、中東でも事業を展開。国際的な環境意識の高まりや、一層増している災害対策ニーズが追い風となりそうだ。現状、プライム市場に上場しており、今後の株価向上策に注目したい。
続いては、フィスコの小林大純さんが注目するメドレー(4480)だ。
メドレーは、医療介護向け求人サイトをけん引役に業績堅調。オンライン診療や、オンライン服薬指導システムの医療プラットフォーム事業への成長投資を継続する。資本業務提携先のNTTドコモとの協業や、規制緩和にも期待。グロース市場に上場しているが、適時開示情報ではプライム市場への変更を目指して準備していることを明らかに。実現すれば、株価上昇が期待できるだろう。
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