「新NISA」と「iDeCo」はどちらを優先すべきか? 新NISAとiDeCoのそれぞれのメリットや節税効果を比較して、使い分ける方法をQ&Aで解説!
発売中のダイヤモンド・ザイ12月号は、特集「すでに株をやっている人の【新NISA】Q&A32」を掲載。新NISAの開始が迫ってきたが、現行制度から大幅に改正されるとあって、投資経験者でもわからないことは多々あるはずだ。そこで、この特集ではザイ読者から寄せられた質問をベースに、新NISAにまつわるQ&Aを大公開! 基本的な内容から、マニアックな疑問まで細かく解説しているので、新NISAが始まる前にチェックしておこう。
今回はこの特集から”新NISAとiDeCoの使い分け”に関するQ&Aを紹介!
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Q:新NISAとiDeCoは何が違う?
A:新NISAは中長期の資産形成、iDeCoは老後資金づくりが目的!
「新NISA」は投資による利益が非課税になるが、もう一つ節税しながら投資できる制度がある。それが「iDeCo(個人型確定拠出年金)」だ。
似ているようだが、両者は資産形成の目的が異なる。NISAは中長期の資産形成を、iDeCoは老後の資金づくりをサポートする制度だ。両制度の注目すべき違いを、ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんに聞いた。
まず注目すべきは、現金化しやすさの違い。新NISAはいつでも現金化できるが、iDeCoは60歳になるまで引き出せない。例えば、20歳からiDeCoに拠出し始めた場合、40年間も資金が拘束されてしまう。
「iDeCoは老後資金を確実に貯められる半面、自由に引き出せません。その点、新NISAは換金性が高く、急な出費にも対応可能。柔軟な資産形成ができます」(深野さん)
次に、税制優遇の違いを比較しよう。新NISAとiDeCoは運用益が非課税になる点では同じ。しかし、iDeCoのみ拠出時と受取時にも税制優遇がある。そのため、節税メリットの大きさではiDeCoのほうが優位だ。
最後は投資のしやすさ。上限額の大きさや商品の豊富さでは新NISAが勝る。さらに、積立投資に加えてスポット購入もでき、自由度が高い。口座の開設や管理手数料も、新NISAは無料で投資家に優しい設計だ。
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Q:新NISAとiDeCoはどっちを優先すべき?
A:会社員・主婦(夫)は新NISAを優先! 自営業は第3の選択肢の検討も
限られた資金を振り分ける際に、新NISAとiDeCoのどちらを優先すべきかは悩ましいところ。深野さんに”職業別”の考え方を聞いた。
まずは会社員の場合。深野さんによると、現在から老後までの必要資金が用意できていない場合、換金性が高い新NISAがおすすめだという。
「iDeCoの最大のリスクは、60歳になるまで引き出せないこと。手元資金が枯渇したら本末転倒です」(深野さん)
次は自営業。会社員より年金額が少ないため、深野さんは”一生涯もらえる終身年金を厚くすること”を勧める。iDeCoは受給期間が決まった”有期”年金(※年金受取の場合は、5年以上20年以下で受け取る)が主流なので、第3の選択肢として終身年金が基本の「国民年金基金」を推す。
「年金額が事前に分かり、老後のキャッシュフローを見える化できます。iDeCoと同じ税制優遇も受けられ、老後資金の土台作りに便利です」(深野さん)
新NISAを検討するのは「国民年金基金」のあとでいいだろう。最後は専業主婦・主夫(※会社員の夫または妻に扶養されている配偶者)だが、iDeCoに拠出しても所得控除が受けられない。よって、新NISAを優先しよう。
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Q:iDeCoの節税効果はどれくらい?
A:年収が多いほど節税効果大! 会社員は掛金の15~30%が戻る計算
先ほど、会社員はiDeCoよりも新NISAを優先して利用すべきと解説した。しかし、iDeCoは拠出時、運用時、受取時に税制優遇が受けられ、節税効果は大きい。新NISAの非課税枠を使い切っても、なお資金に余裕がある人は活用しよう。
上の表に、iDeCoに拠出した際の所得税と住民税の節税額の目安を示した。具体的な節税額は年収や扶養家族の人数などで変わるが、一般的な年収の会社員(独身)なら、年間の掛金の15~30%が戻ってくる。なお、高所得者ほど同じ掛金でも節税効果が大きくなる仕組みだ。
一方で、iDeCoの利用にあたっては注意点も。50歳以降に加入すると、積立期間が長く取れないうえに、受給開始の時期が60歳より最大5年後ろにずれ込んでしまう。深野さんは「最低でも10年は拠出期間が欲しい」と語る。
また、収入がない主婦・主夫はiDeCoの掛金に対する控除もないので、節税効果が小さい。加えて、口座開設時や毎月のコストがかかる点にも注意。節税効果と自身の状況を照らし合わせて、加入すべきかを見極めよう。
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