9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■トランプ次期政権による関税リスク警戒も押し目待ち狙いのスタンス
■ABCマート、3Q営業利益 15.6%増 480億円
■前場の注目材料:商船三井、アンモニア船を最大4隻建造、1000億円投資
■トランプ次期政権による関税リスク警戒も押し目待ち狙いのスタンス
9日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだが、底堅さが意識されそうだ。8日の米国市場は、NYダウが106ドル高、ナスダックは10ポイント安だった。9日がカーター元大統領の服喪の日で休場となるほか、今週末に控えている米雇用統計の発表待ちのなか、持ち高調整の動きが優勢となった。また、トランプ次期米大統領は、新たな関税プログラムを導入するため、国家非常事態宣言を検討していると米CNNが報じ、米長期金利が上昇したことが重荷となった。シカゴ日経225先物は大阪比25円安の39935円。円相場は1ドル158円20銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まろう。米国では9日が休場のため海外勢の資金流入は限られるとみられ、方向性の掴みづらい展開になりそうだ。昨日はエヌビディアの下げが目立つなか、影響が警戒されていた東エレク<8035>やアドバンテスト<6857>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への影響は限られており、アドバンテストにおいては昨年来高値を更新した。いったんは達成感から利食いが入りやすいと考えられるが、半導体株の底堅さがみられるようだと、押し目待ち狙いの買いが入りやすいだろう。
また、トランプ次期政権による関税リスクへの警戒から米長期金利が上昇しており、日米金利差を狙ったトレードや金融セクターにおいては利ザヤ改善から資金が向かいやすいとみられ、全体としての底堅さは意識されそうである。日経平均株価は4万円近辺では戻り待ち狙いの売りが入りやすいだろうが、ボリンジャーバンドの+1σが位置する39780円辺りに接近する局面では、その後のリバウンドを想定した買いで対応したいところである。
物色としてはハイテク株の底堅さを見極めつつ、金融セクターなど内需系のほか、NISA資金流入を見込んだ配当志向に向かいやすいところである。また、市場参加者が限られるなか、AI関連などテーマ性のある銘柄などには、個人主体による短期的な値幅取り狙いの資金が集中しやすいだろう。
■ABCマート、3Q営業利益 15.6%増 480億円
ABCマート<2670>が発表した2025年2月期第3四半期業績は、売上高が前年同期比9.8%増の2770億7800万円、営業利益は同15.6%増の480億100万円だった。インバウンド(訪日外国人)への販売が好調だったほか、手を使わずに履けるハンズフリー靴やジャケットなど高価格帯の商品が堅調だった。25年2月期通期の業績予想は据え置いた。
■前場の注目材料
・NYダウは上昇(42635.20、+106.84)
・1ドル=158.30-40円
・VIX指数は低下(17.70、-0.12)
・活発な自社株買い
・東証による企業価値向上の要請
・商船三井<9104>アンモニア船を最大4隻建造、1000億円投資
・住友電工<5802>大阪に電力線被覆材の新工場、欧で受注増
・パナHD<6752>パナ、米で住宅向け全館空調参入、省エネ、温度ムラ少なく
・住友ゴム<5110>「ダンロップ」世界展開、欧米向け商標権830億円で取得
・長瀬産業<8012>イーグリスと提携、原材料開発を効率化
・日野自<7205>物流トラックの入退場管理を2工場で自動化
・酒井重<6358>電動ハンドローラーレンタル展開、静音、都市・夜間工事向け
・三菱重<7011>高速道で無人機夜間巡視を実証
・ミネベアミツミ<6479>ミツミ電機、廉価電源IC量産、複数制御、小型化に貢献
・三菱電機<6503>パワー半導体モジュールの絶縁耐電圧1.5倍、鉄道など産業機器向け
・大成建設<1801>新築・解体の工法統合、部材を規格化、超高層ビルの工期短縮
・AGC<5201>カナダ新興とCO2からエチレン製造
・東亞合成<4045>インドに現法を設立
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:30 日・11月現金給与総額(予想:前年比+2.7%、10月:+2.2%)
<海外>
・09:30 豪・11月小売売上高(予想:前月比+1.0%、10月:+0.6%)
・09:30 豪・11月貿易収支(予想:+55.5億豪ドル、10月:+59.53億豪ドル)
・10:30 中・12月消費者物価指数(予想:前年比+0.1%、11月:+0.2%)
・10:30 中・12月生産者物価指数(予想:前年比-2.4%、11月:-2.5%)
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