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新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の鈍化懸念が高まる中、2月28日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が緊急の声明を発表し、「景気を下支えするために適切に行動する」と追加の利下げの可能性を示唆。そして3月3日に0.5%の緊急利下げを実施しました。
日本でも3月2日、パウエル議長に歩調を合わせる形で日銀の黒田総裁は、「適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保につとめていく」との談話を発表しました。
さらに、これまでの日銀によるETF買い入れは「前引けでのTOPIX下落」が前提となっていましたが、3月2日には、異例となる「TOPIXが上昇している局面でのETF買い入れ」を実施。1回あたりの買い入れ金額も、これまでの700億円程度から1002億円に増額しました。この日銀の異例の対応により、3月2日の日経平均株価は2万1000円を割り込んで始まりましたが、一時2万1500円を回復しました。
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3月3日の株式市場は、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行が新型肺炎を巡る対応策に関して電話会談を開催することが報じられ、一時2万1700円を回復。しかし、G7関係筋による「現時点で、声明文には協調利下げや財政出動といった具体的な政策対応は盛り込まれない」と伝えられると、再び下げに転じるといった不安定な相場展開となりました。
ただし、今回の日銀による異例の買い入れを見る限りでは、先週のような乱高下はある程度収まり、次第に落ち着きが見られそうです。
とはいえ、新型コロナウイルスの封じ込めが見えてくるまで、投資家も明確なリスクオンには向かいづらいところです。また、不要不急の外出が避けられる中、さまざまなイベントが中止に追い込まれたうえ、小中学校・高校の休校も実施されるような状況は、景気に大きく影を落とすことになるでしょう。
こうした状況の中で、株式市場では「テレワーク」関連銘柄や「巣ごもり」関連銘柄などへの物色が継続しています。これらの銘柄は「働き方改革」関連という面もあり、しばらく物色が続くと思われます。
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⇒「テレワーク」の関連銘柄を紹介! 東京オリンピック期間の混雑緩和策、新型コロナウイルスの感染予防策として注目される「テレワーク」関連のおすすめ5銘柄
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新型コロナウイルス対策の関連銘柄が注目される一方、
感染のピークアウト後を見据えた物色の流れも!
一方で、中国国内での感染拡大はピークを超え、震源地である湖北省以外では感染の封じ込めが成功しつつあるとの見方も出てきました。中国の情報開示姿勢から信ぴょう性に問題があると考える人も多いと思いますが、もし本当に中国でピークアウトが見えてきたのであれば、中国政府による大規模な経済対策が見込まれることもあり、経済的に中国への依存度が高い日本にとってプラスの影響は大きいでしょう。
また、米国のバイオ企業のモデルナ(MRNA)は、新型コロナウイルスに対するワクチンの初期開発を終了したと報じられました。開発中のワクチンは、臨床試験を実施するために国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)に送られ、来月中にも被験者へのテストが始まると伝えられています。
こうした報道もあり、早くも新型コロナウイルスが収束して市場が正常化した後を見据えた物色が意識されてくると思われます。
ピークアウト後に企業のマーケティング活動が活発化し、
「インフルエンサー・マーケティング」に注目が!
現在は、旅行や買い物、イベントなどを中心に、消費が大きく落ち込んでいます。また、中国から製品が届かないことで商品の販売さえできない企業も多いと考えられます。新型コロナウイルスの収束後は、そうした売上げの減少を取り戻すべく、一気に企業のマーケティング活動が活発化してくると考えられます。
そこで今回は、新型コロナウイルスのピークアウト後に注目される可能性の高い投資テーマとして、「インフルエンサー・マーケティング」に注目しました。
「インフルエンサー・マーケティング」は、芸能人やスポーツ選手をはじめとした、SNSで数万、数十万のフォロワーを持って周りに対して高い影響力を持つ“インフルエンサー”に、商品・サービスを取り上げてもらうマーケティング手法です。ユーザーにとって共感性の高いインフルエンサーを介することで、単純な商品の・サービスのアピールにとどまらず、計画的なブランディングやターゲットを絞ったアプローチができるなどがメリットです。「インフルエンサーマーケティング」の市場規模は年々拡大しており、新型コロナウイルスのピークアウト後の需要増加が期待できます。
主な「インフルエンサー・マーケティング」関連銘柄の中から、
事業内容などをもとに注目銘柄をピックアップ!
主な「インフルエンサー・マーケティング」の関連銘柄を挙げると、以下のようになります。
サニーサイドアップグループ(2180)
オプトホールディング(2389)
共同ピーアール(2436)
アドウェイズ(2489)
ソフトクリエイトホールディングス(3371)
バロックジャパンリミテッド(3548)
アイフリークモバイル(3845)
ソーシャルワイヤー(3929)
UUUM(3990)
デジタルガレージ(4819)
トレンダーズ(6069)
アライドアーキテクツ(6081)
フリークアウト・ホールディングス(6094)
サイバー・バズ(7069)
トランスコスモス(9715)
現在、上記の銘柄の株価は総じて弱含みではありますが、新型コロナウイルスのピークアウト後には巻き返しが期待されます。これらの銘柄の中から、事業内容やニュースなどをもとに、独自判断で期待ができそうな企業を5社紹介します。
【サイバー・バズ(7069)】
上場以降、順調に2ケタ増収増益で成長
サイバー・バズ(7069)は、インフルエンサーを主力としたプロモーション支援やSNSアカウント運用代行のほか、インフルエンサーコマースメディア「to buy」の運営を行っています。インフルエンサー事業の好調で上場以降、2ケタ増収増益を続けています。事業拡大にともない3月2日から本社オフィスを移転する予定もあり、今後の成長期待は大きいです。
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【オプトホールディング(2389)】
グループ会社がEC分野におけるSNSマーケティングを強化
オプトホールディング(2389)は、ネット広告大手で、デジタルマーケティングやデジタルシフトサービスを展開しています。2019年12月には、グループ会社のオプトが、ソフトクリエイトホールディングス(3371)の子会社ecbeingと業務提携し、EC分野におけるSNSマーケティングの強化を図っています。さらに今年度から積極的に事業改革を推進しており、業績変化率への期待が高まります。
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【サニーサイドアップグループ(2180)】
Gunosyとの合弁会社Grillを設立
サニーサイドアップグループ(2180)は、企業のPR、広報代理業を主力事業としています。2019年10月に、「デジタルとリアル領域を横断する包括的なコミュニケーションサービスの提供」を目的として、Gunosy(6047)との合弁会社Grill(グリル)を設立。マーケティングリサーチ事業、ライブ動画&ニュース動画制作配信事業、インフルエンサー・マーケティング事業など行っています。また、別のグループ会社AnyUpでは、2019年8月に中田英寿が「クリエイティブ・ディレクター」に就任しており、話題性の面からも期待できます。
⇒サニーサイドアップグループ(2180)の最新の株価はこちら!
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【フリークアウト・ホールディングス(6094)】
日本最大級のインフルエンサー・マーケティング会社・VAZに出資
フリークアウト・ホールディングス(6094)は、インターネット広告のリアルタイム取引を日本で初めて事業化した会社です。2019年1月には、動画やインフルエンサーを用いたコンテンツマーケティングソリューションを提供するシンガポールのSpice Lab社を買収。さらに、日本最大級のインフルエンサー・マーケティング会社であるVAZにも出資しており、注目度は高そうです。
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【ソーシャルワイヤー(3929)】
インフルエンサー・マーケティングサービス
「Find Model」を展開
ソーシャルワイヤー(3929)は、主力事業としてプレスリリース配信代行サービスを手掛ける一方で、インフルエンサー・マーケティングサービス「Find Model(ファインドモデル)」も展開。足元で案件数が大幅に増加しており、今後の成長に期待が持てます。
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新型コロナウイルスの感染拡大を背景に不安定な相場展開が続いており、依然として関連銘柄への物色が活発化していますが、その一方で、感染のピークアウト後の流れも意識しておきたいという人は参考にしてください。
【※今週のピックアップ記事はこちら!】
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