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急激な円高にならない限り、日経平均は順調に推移!11月から年末にかけて、東証マザーズなどの小型株が本格的に買われる「ラリー」の発生に期待しよう!

2016年10月18日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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 日経平均株価は、堅調に推移しています。

 日経平均株価の11日終値は、前週末比164.67円高の1万7024.76円と、9月7日の1万7012.44円以来、およそ1カ月ぶりに1万7000円台を回復しました。11日の上昇の背景は、原油先物相場の一段高や、米大統領選挙でトランプ氏劣勢が伝わったことが好感されたことに加え、9月の米雇用統計発表後も12月の米利上げ観測が根強く残ったため、東京外国為替市場で1ドル=104円台に円が下落したことも追い風になりました。

日経平均株価チャート(日足・半年)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより
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 その後、日経平均株価は調整し、14日に一時1万6727.78円まで下落する場面がありました。しかしながら、14日終値は、前日比82.13円高の1万6856.37円と切り返し、17日には一時1万6954.44円まで上昇して1万7000円大台に迫る場面がありました。17日は、10時台に人民元の基準値が1ドル=6.7379元と、2010年9月13日以来6年ぶりの元安・ドル高水準に設定されたことが嫌気され、日経平均株価は前週末比マイナスに転じる場面がありました。しかし、1ドル=104円台前半の円安が日経平均株価を力強く支えました。

 このように、1ドル=104円アラウンドのドル高・円安が、日経平均株価に対してポジティブに作用し続けています。よって、今後、1ドル=103円台を割り込み、急激な円高にならない限り、日経平均株価は問題なく堅調に推移するとみています。

 また、需給面で明るい兆しが出たことも、堅調に推移するとみている理由です。というのは、10月第1週(3~7日)の投資部門別株式売買動向で、外国人が6週ぶりに買い越しに転じました。これは、良好な米国経済指標を受けて、外国人が世界の景気敏感株である日本株の買戻しに動いた結果でしょう。

終値で52週移動平均線を超えれば
「踏み上げ相場」が期待できる!

 ただし、引き続き52週移動平均線(18日前引け現在1万7075.81円)を終値で超えることができていません。このため、手放しで強気にはなれません。その一方、日経平均は13週移動平均線(同1万6685.01円)、26週移動平均線(同1万6437.35円)を共に超えています。また、13週移動平均線と26週移動平均線とは既にゴールデン・クロスが発生しています。さらに、MACD(12週-26週)とシグナル(9週)もゴールデン・クロスしています。よって、弱気になる必要はないでしょう。

日経平均株価チャート(週足・半年)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより
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 当面の日経平均株価については、26週移動平均線(同16437.35円)~26週移動平均ベースのボリンジャーバンドプラス2σ(同1万7396.31円)が想定レンジです。終値で52週移動平均線を超えることができたら、売り方の損失覚悟の買戻しを起爆剤にした上昇、すなわち、「踏み上げ相場」が期待できます。

 その際には、おそらく、26週移動平均ベースのボリンジャーバンドは、現在の「フラット」から「エクスパンション」に変化するでしょう。そうです、それは中期上昇トレンドの発生のサインです! 早晩、このサインの点灯を期待したいものです。

アクティブ個人投資家の動きは依然として鈍いものの
信用買い方からの売り物は枯れつつある?

 一方、「ネット証券大手4社のうち、3社の16年4~9月期の最終損益が前年同期比で悪化したもよう」、「株取引関連の手数料収入は、4社全てで前年同期を下回った」との報道からも分かるように、足元のアクティブ個人投資家の活性は鈍いままのようです。それは10月に入っても、大きく変わってないでしょう。

 例えば、東証マザーズの1日の売買代金については、1000億円が活況の目安と言われています。最近では10月4日から7日まで、4営業日連続で1000億円を超えていました。しかし、11日以降17日までは、5営業日連続で割り込んだままです。

 思い返せば、マザーズ市場が盛り上がっていた頃の4月20日の売買代金は3321億円でした。さすがに、すぐに3000億円超へのボリューム増加は期待できないとしても、少なくとも、1000億円を安定的に超えてこないと、アクティブ個人の活性が回復することはないでしょう。

 確かに、2016年は、アクティブ個人投資家にとってろくな年ではありませんでした。しかしながら、東証マザーズ指数がピークアウトして以降、5月~6月にかけての「東証マザーズ人気銘柄のナイアガラ・ラッシュ」と「ブレグジット・ショック」、そして、7月下旬の「ポケノミクス相場の崩落」という、数々の苦難を経て、信用買い方からの売り物は枯れつつあると考えられます。つまり、売り圧力低下を背景に、年末にかけ東証マザーズ指数も底堅い動きが期待できます。

第2四半期決算発表が一巡する11月中旬以降が狙い目
ただし、決算リスクには要注意!

 まあ、小型株は、大型株と比較して決算のブレが大きいため「決算リスク大」です。このため、マザーズに代表される小型株が本格的に買われ始めるのは、3月決算企業の第2四半期決算発表が一巡する11月中旬以降とみています。そこから年末に向けてラリー(株価の上昇)が発生する展開を期待しています。

 なお、東証の「決算短信・四半期決算短信作成要領等」によれば、「事業年度又は連結会計年度に係る決算については、遅くとも決算期末後45日(45日目が休日である場合は、翌営業日)以内に内容のとりまとめを行い、その開示を行うことが適当であり、決算期末後30日以内(期末が月末である場合は、翌月内)の開示が、より望ましいものと考えられると」、されています。

 ちなみに私は、よほど業績の見通しに自信がある場合を除き、個人投資家は決算リスクを避けるべきだと考えています。つまり、決算発表予定日直前にいったん売却、発表後に買い戻すべきだと思っています。だから、小型株に関しては個別に決算発表を済ました銘柄を11月中旬にかけて、コツコツ拾う戦略を推奨します。

10月~12月の相場に期待。ただし、日経平均株価が
26週移動平均線を下回ったら、即座に撤退を!

 なお、現在の相場環境は、決して悪くないと感じています。投資家は9月までの手痛いヤラレを、10月~12月の相場でそれなりに取り返せると考えています。だから、ここからは、前向きに個別企業の決算内容を精査して、狙った銘柄をしっかり仕込むべきだと思います。

 ただし、このシナリオは、日経平均株価が26週移動平均線を下回ったら、いったん撤回します。下回るケースでは、オールキャッシュ化を推奨します。このように、撤収ルールを明確にした上で、積極的に決算通過銘柄を組み入れていくタイミングだと思っています。

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