先週のFMOCで、パウエルFRB議長は「利上げ継続」を表明!
自分の意向を無視されたトランプ大統領は“激オコ”に
トランプ大統領は、今年の2月にジェローム・パウエルをアメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)の議長に指名しました。そのときトランプ大統領がパウエルを選んだ理由は、「パウエルならハト派だし、自分の言うことを聞くだろう」と思ったからです。
しかしFRBは先週、今年4回目になる利上げを行い、アメリカの政策金利であるフェデラルファンズ・レート(FFレート)を2.5%としました。さらに声明文で「もうあと少し、ゆっくりとした利上げを継続する」と述べ、市場参加者が期待していた利上げの「打ち止め」は実現しませんでした。
今回の連邦公開市場委員会(FOMC)の前に、トランプ大統領は再三再四「金利を低くしろ!」とパウエル議長に対してプレッシャーをかけていたにもかかわらず、サラリと無視されてしまった格好です。
メディアの報道によると、先週利上げが発表された後、トランプ大統領は激オコになり、「パウエルをクビにしたい!」と側近に語ったそうです。
しかし側近たちは、「いまパウエル議長をクビにするとマーケットが動揺し、暴落するリスクがあります」と嘆願し、なんとかそれを思いとどまらせたのだそうです。
トランプ大統領にパウエルFRB議長を
クビにできる権限があるのかは微妙な問題
さて、ウォール街は、「そもそも大統領にFRB議長をクビにする権限はあるの?」ということでもちきりになっています。結論から言えば、大統領にFRB議長をクビにする権限があるかどうかは微妙です。
もし、FRBの理事が犯罪をおかした場合、大統領は理事をクビにできます。FRB議長も理事のひとりであるという解釈からすれば、大統領はFRB議長もクビに出来るということになります。
しかし何も犯罪をしていないのに単に「おまえの采配が気に入らない」という理由ではクビには出来ません。それというのもFRBは議会に対して責任を負っているのであって、大統領の管轄下ではないためです。
なるほど、FRB議長を指名するのは大統領の役割です。そして、大統領が指名したFRB議長候補は、上院の投票(60%の賛成が必要です)により承認される必要があります。
しかし、ひとたびFRB議長に就任すると、議長は下院に対して経済運営の責任を持ちます。したがって、経済の現況に関して報告をする際も議長は下院に対しておこないます。もっと端的に言えば、FRBの上司は下院なのです。
もし、どうしてもトランプ大統領がパウエル議長を罷免したいのであれば、大統領が下院に働きかけ、下院が罷免理由を考え、それを投票に付す必要があります。現在、下院は民主党が過半数を占めているので、トランプ大統領の希望に下院民主党が賛同するとは考えにくいです。
いずれにせよ、そのような手続きを経てFRB議長を罷免しようとすると、マーケットは「中央銀行の独立性が脅かされた」として急落するでしょう。実際、大統領が中央銀行の采配に文句をつけたトルコでは為替や株が急落した例もあります。
株安が実体経済に影を落とす「逆資産効果」が心配な水準に
トランプ大統領は丸く収めたほうが得策!?
既に10月以降、ナスダック総合指数は高値から-20%以上下げており、そろそろ「逆資産効果」が出ることを心配しなければいけない水準です。「逆資産効果」とは株安で消費者のマインドが委縮し、それが消費など実体経済に悪影響を及ぼすことを指します。
つまり、ここはことを荒げるよりも丸く収めることで株式市場の崩落を防いだほうが、トランプ大統領にとっても2020年の再選に向けて得策だということです。
短期的には「デッド・キャット・バウンス」もありうるが、
長期的には景気後退リスクを意識しよう!
米国株式市場は、過去10年に渡る長期上昇トレンドを割り込み、底値模索の展開となっています。
ごく短期的、つまり今年いっぱいくらいの時間軸で考えると、余りに一本調子で下げてきたので、ここは「デッド・キャット・バウンス(=死んだ猫でも地面に叩きつけるとまるで生きているように跳ね返ること)」を予期すべき局面かもしれません。つまり、自律反発です。
しかし、もう少し長い目で見れば、今回の株安は何か深刻な事が米国経済に起こりつつあることを絶叫しているように思えてなりません。その深刻な事とは、たとえば景気後退の始まりです。
従って、リバウンドを取りに行く場合でも「ここは長期の仕込み場だ!」と思い込むべきではなく、「強気の罠(Bull trap)の可能性もあるぞ……」という冷静な態度を堅持しつつ、慎重にトレードを進めるべきだと思います。
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