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日経平均は2万2000円台を回復も、GW「10連休」の影響により、新興銘柄や小型材料株は冴えない状態!GW前も儲けたいなら「短期・逆張り」で売買しよう!

2019年4月16日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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 2019年4月15日の日経平均株価の終値は22169.11円と、昨年12月4日の22036.05円以来およそ4カ月ぶりに22000円台を回復しました。大台回復の主因は中国の景気回復期待の強まりです。4月12日に発表された、中国の「社会融資総量」の残高は3月末時点で前年比10.7%増の208兆4100億元でした。3月は2兆8600億元の増加でした。増加額は前月の7030億元から大きく拡大しました。ちなみに、この「社会融資総量」には、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行など、通常の銀行融資以外の簿外の与信も含まれています。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 中国の与信の増減は世界の製造業の景況感に12カ月程度、先行する傾向があるとされるそうです。つまり、現在のように「社会融資総量」が大きく増加してきているということは、今後、中国のみならず世界の製造業の景況感が改善していくサインとみることができるのです。実際、3月31日発表の3月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、前月比1.3ポイント増の50.5と、昨年10月以来5カ月ぶりに50を上回りました。

 ただし、4月12日発表の2019年3月の貿易統計(ドル建てベース)では、輸入が前年同月比7.6%減と、2月の5.2%減より減少率が拡大し、足元の中国の内需には減速懸念が残ってはいます。しかしながら、景気悪化に対して危機感を強めた中国政府は3月の全国人民代表大会でさまざまな景気対策を打ち出し、4月からは企業向け増値税(付加価値税)の引き下げなどの措置も始まります。つまり、今後、景気対策の効果が徐々に発揮される可能性を考慮すると、足元で低迷している内需に関しても、先行きに関してはそれほど悲観する必要はないと考えます。

ゴールデンウィーク前の「換金売り」で
TOPIXや東証マザーズ指数は冴えない

 また、需給面では、「東証が発表する投資部門別の株式売買動向で過去10年間のデータを集計すると、海外投資家は2008年以降で4月はすべて買い越している」というデータ通り、海外勢の配当の再投資が行われているようです。実際、4月第1週(1~5日)の投資部門別売買動向では、海外投資家は現物株を6227億円も買い越しました。買い越しは1月第4週以来、10週ぶりのことです。一方、4月第1週(1~5日)の海外投資家の日経平均先物とTOPIX先物を合算した買い越し額は1107億円でした。つまり、この週は現物株と先物との合算では7335億円の買い越しでした。この大規模な買いが4月相場を需給面から押し上げているのでしょう。

 なお、日経平均株価は非常に強いけれど、TOPIXはそれほど強くはありません。日経平均株価TOPIXで割って算出する「NT倍率」は、4月15日時点で13.62倍と27年ぶりの高水準となっています。これは連日で年初来高値を更新し、22000円大台を回復した日経平均株価とは対照的に、TOPIXが弱い動きを続けているからです。

 このため、現在の東京株式市場は、投資家の鼻息が荒く、物色意欲満々で相場全体が盛り上がっているとは言えません。日経平均株価への寄与度の大きい一部の値嵩株が上昇しているだけなのです。よって、日経平均株価だけが上がって、自分の持ち株はまったく上がらない、むしろ値下がりして、フラストレーションが溜まっている個人投資家は多そうです。とりわけ、新興市場の銘柄を保有している個人にはそれが顕著でしょう。

■東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月
東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 4月18日の東証マザーズ指数の終値は934.80ポイントと、200日移動平均線(4月18日現在965.68ポイント)を依然として下回っています。昨年12月4日の終値は1016.81ポイントですから、82.01(8.07%)も下の水準で放置されています。マザーズ市場は東証1部に比べて、個人の関与率が非常に高い市場です。そこの株価指数がこの低迷です。「日経平均上がれど、我が持ち株上がらず」と嘆いている個人は相当数いるはずです。このため、新興銘柄や小型材料株を弄っている個人の損益状況はよくないと推察されます。

 なお、これは10連休が大きく影響していると考えます。需給的には、年末の節税売りが出ている状況に酷似しています。個別要因で特に売らなくてはならない材料があるわけではないのに、換金売りを浴びている銘柄が多いからです。私の周りの多くの友人達も、3月下旬から買いポジションを解消し、現在は「ほぼ現金」にしています。また、彼らは毎日トレードはしているものの、基本は「デイトレ」で「宵越しの株は持たない」ようにしているようです。こんな状況ですから、少なくとも新興銘柄や、東証1部の小型材料株には、腰の入った買いは期待できないでしょう。まあ、そのような腰の入った買いが入るとしたら、「GW明け」ですね。

難易度が高い相場なので「GW明け」の参加が無難!
それでも売買したいなら、デイトレでリバウンド狙いに徹しよう!

 こんな状況ですから、市場参加者の玄人比率は非常に高く、儲け難く、難易度の高い相場だという現状認識を持つべきです。「日経平均株価が強いのに、儲け難い」という、ある意味特殊な状況なのです。個人的には、こんな局面で市場にノコノコ出かけて、無理する必要はないと思っています。しかしながら、こんな環境でも敢えて収益を上げたいというならば、戦略的には「逆張り」に徹しましょう。素人比率の高い相場では「順張り」が効果的ですが、玄人ばかりの局面では、「多くの玄人が好む逆張り」を励行するべきです。

 具体的には、デイトレでリバウンド狙いに徹するのです。投資対象は、5日移動平均線を上回っている人気銘柄だけです。その銘柄群のうち、明確な悪材料が出ていないのに、前日比で5%以上値下りしているような銘柄の押し目買いを狙いましょう。利食いをどこでするかは、あなたの判断次第ですが、ザラ場中に5日移動平均線を割り込んだり、終値で「おそらく割れるな」と感じたら、躊躇なく損切りしましょう。また、リスク許容度の高い方なら、「オーバーナイト」もありですが、それは「評価益」の場合だけです。今のような難易度の高い相場では、「評価損のオーバーナイト」は御法度です。連休前は、このように短期・逆張りに徹し、リスクを限定した上で、コツコツと収益を積み上げるしかないと思います。

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