不祥事で株価が低迷する「日産自動車(7201)」と「日本郵政(6178)」の2020年の株主総会の様子をレポート! 気になる質疑応答の内容も紹介!
発売中のダイヤモンド・ザイ9月号は、有名企業15社の「株主総会」の様子をレポートする特集「2020年【株主総会】事件簿」を掲載! 株主総会は企業にとって年1回の重要イベント。株主にとっても、企業の社長や役員に直接質問できる貴重な機会であり、例年足を運んでいる人も多いはずだ。しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で、株主総会も異例づくめ。“3密”の状況を防ぐべく規模を縮小した企業がほとんどで、代わりに株主総会の様子をライブ配信したり、ネットで議決権を行使した株主に後日お礼品を送付したりと、さまざまな工夫を凝らした企業も見られた。
この特集では、不祥事で株価が低迷する「お騒がせ株」、注目の「M&A株」、気になる「人気株」という3つのカテゴリー別に15の企業をピックアップ。ダイヤモンド・ザイの編集部員のほか、著名な投資ブロガーにも協力してもらい、実際に株主総会に参加したり、ライブ配信を視聴したりして、概要をわかりやすくまとめている。今回は、その中から「お騒がせ株」2銘柄の株主総会のレポートを抜粋しよう!
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あの“お騒がせ株”の株主総会レポート【1】日産自動車(7201)
業績不振が続くなかで元会長が海外逃亡、株価は大幅に下落!
日産自動車(7201)は2018年に前会長のカルロス・ゴーン氏が逮捕され、販売不振に陥った。前期は6712億円の赤字を計上。当然、株価は低迷を続けている。
6月29日開催の株主総会で語られた2021年3月期の見通しは、グローバル全体の需要が前年比で15~20%減少すること以外、具体的な数字はナシ。また、「電気自動車の積極的な展開などで事業の構造改革を進める方針」という話も出たが、株主からは「電気自動車は競合他社も取り組んでおり、それで業績が良くなるとは思えない」と、厳しい指摘も受けた。
以下に、株主総会での質疑応答の一部を抜粋してみよう。
【株主からの質問】
ゴーン氏についてはどう思っているのか。信頼回復はどうするのか。
【回答】
前会長らの件については、非常に遺憾。信頼の回復は我々の命題で、日産社内の信頼をまず取り戻さないと、対外的な信頼を取り戻せないと考える。これまでは短期的な収益に舵を切ってきたが、足元の状況を見直し、中長期の目線で何を日産の価値とするか論議を重ねている。
【株主からの質問】
日産の優秀な技術者を生かせていないのはなぜか。特許候補数が少ないのも問題だ。
【回答】
グローバルで2万人の技術者を抱え、業績が苦しいなかでも開発に関わる予算は減らしていない。現在、「電動化」「e‐POWER(電気自動車)」「プロパイロット」に代表される自動運転に繋がる技術をグローバルで採用しており、高い評価ももらっている。また、去年から特許取得にも力を入れ、結果も出てきているので、技術力のキープに努める。
上記の内容を含む、株主総会での日産自動車の経営陣の全回答を踏まえて、マーケットのプロはどのようにジャッジするのか。経済ジャーナリストの和島英樹さんは次のように話す。
「課題は、とにもかくにも『売れる車』がないこと。開発予算を減らしていないのは結構ですが、このままでは収益化は先になる。業績の底入れ感が出なければ、株価の反発は難しいでしょう」
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あの“お騒がせ株”の株主総会レポート【2】日本郵政(6178)
「不正販売」で失墜した信用をどう取り戻す?
傘下のかんぽ生命保険(7181)で起きた不適切な保険商品の販売により、信頼を損なった日本郵政(6178)。2019年の年初に1400円近くあった株価は、2020年6月に700円台まで下落している。6月17日に行われた株主総会は、コロナ禍の最中にありながら第2会場を開放するほど株主が殺到し、質疑応答では怒りや不安の声が上がった。
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以下に、株主総会での質疑応答の一部を抜粋してみよう。
【株主からの質問】
2021年3月期の中間配当をなくし、期末配当も未定としているが、配当政策について聞きたい。
【回答】
2021年3月期末までは、1株50円以上を目安に、安定的な1株配当を目指すことにしている。
【株主からの質問】
信頼回復のために何か検討していることはあるか。
【回答】
今回失墜した信頼を、原点に立ち戻って地道に回復に努めていかなければならないと思っている。残念ながら個人間の郵便物の差出数は減少し続けているが、粘り強く回復への方策を積み重ねていきたい。
【株主からの質問】
コロナ禍以前から株価が低迷しているが、株価対策は?
【回答】
株価はさまざまな要因で形成されるので、低迷の正確な原因を把握することは困難。ただし、その指摘を謙虚に受け止めて市場価値の向上に努めていきたい。
上記の内容を含む、株主総会での日本郵政の経営陣の全回答を踏まえて、経済ジャーナリストの和島英樹さんは次のようにジャッジする。
「不正販売に対する反省・対応の説明不足感が否めませんが、期末50円以上の配当を明言したことは評価できるでしょう。業績は厳しそうですが、800円前後の株価なら利回りは6%台。下値不安は限定的とも考えられます」
さて、ここまでダイヤモンド・ザイ9月号に掲載している特集「2020年【株主総会】事件簿」から、不祥事で株価が低迷している「お騒がせ株」2銘柄の株主総会のレポートを紹介した。誌面ではほかにも、ソフトバンクグループ(9984)やオリエンタルランド(4661)、トヨタ自動車(7203)など、注目度の高い銘柄の株主総会についてレポートしているので、誌面も併せてチェックしてほしい!
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コロナ禍で不透明な相場環境の中でも注目すべき株とは?
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今回は、発売中のダイヤモンド・ザイ9月号の特集「2020年【株主総会】事件簿」から、一部を抜粋してお届けした。
ダイヤモンド・ザイ9月号の大特集は「継続こそ企業の実力!【10年連続株】」! この特集では、10年以上にわたって「高配当を継続」「増配を継続」「増収を継続」「金融資産の保有割合が高い状態を継続」という条件を一つでも満たす銘柄を「10年連続株」と命名。これまで日本株市場はさまざまな国難に翻弄されてきたが、「10年連続株」には危機を乗り越える“底力”を持った銘柄が多い。そこで、特集では「10年連続株」の条件を満たす注目銘柄を、先の4条件の下に分類してピックアップ。ダイヤモンド・ザイ独自の基準でスコアを付け、ランキング形式で紹介しており、投資の参考になるはずだ。
ダイヤモンド・ザイ9月号では、ほかにも読みごたえのある特集を多数掲載! 10年間好成績をキープする投資信託をセレクトした「10年ずっと成績がいい投資信託ベスト15」や、投資のプロ・村上世彰さんの最新インタビューをまとめた特集「コロナ禍での投資の心構え」、「ウィズコロナ時代の【株主優待】新常識&カタログ47」など、盛りだくさんな内容となっているので、ぜひチェックを!
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