米国では「大統領選挙の年は株価が上がりやすい」と言われているが、「選挙の翌年」の株価にも明確な傾向があった!
発売中のダイヤモンド・ザイ11月号の巻頭特集は、「米国の【大統領選挙】でどうなる日本株&米国株」! 11月3日に行われる米・大統領選挙の結果は、米国の株式市場だけでなく日本の株式市場にも大きな影響を及ぼすため、投資家なら注視しておく必要がある。そこで、この特集では、トランプ現大統領とバイデン候補がそれぞれ掲げる政策や、選挙後に想定される市場の反応などについて、米国株に詳しいストラテジストなどに取材している。
今回は特集の中から、過去の米・大統領選挙の後、株価がどのように動いたかを分析したコラムを抜粋するので、投資の参考にしてほしい!
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"選挙直後”の株価は「不透明感の解消」を理由に上昇しやすく、
"選挙翌年”の株価は「新大統領への期待感」から上昇しやすい!
米国では「大統領選挙の年は株価が上がりやすい」と言われている。それでは、大統領選挙の直前や直後、さらに新大統領の翌年の株価はどうなっているのだろうか。
以下は、過去11回分の「大統領選挙の翌年1年間の株価(NYダウ)」の騰落率を表したものだ。
ご覧のとおり、大統領選挙の翌年の株価は「上昇が8回、下落が3回」だった。あくまで過去の経験則とはいえ、大統領選挙の翌年は株価が上がりやすいと言えそうだ。そのときの経済や社会の状態にもよるが、やはり新大統領への期待の表れなのだろう。オバマ元大統領の1期目の翌年、それにトランプ現大統領の就任翌年の上昇率が高いのも印象的だ。両者とも“変化”への期待は非常に大きかった。
続いて、大統領選挙の「直前60日と、直後の60日の株価動向」を比較したのが下の図だ。
大統領選挙前の60日間は、株価が上がった年と下がった年が半々。これに対し、大統領選挙後の60日間は、リーマン・ショックが起きた2008年を除き、すべての年で株価が上がっている(2000年もわずかだがプラス)。選挙前は戦局などに応じて株価が不安定になりがちだが、選挙後は不透明感が解消して上昇、というパターンになりやすいことがわかる。
ちなみに、大和証券の壁谷洋和さんによる分析では、共和党候補が勝利のケースと民主党候補が勝利のケースで比較した場合、選挙後の半年は大きな差がない(つまり、どちらが勝っても株価は上がっている)。しかし、1年後、2年後になると、民主党候補のほうが上昇率は高いという。
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ただし、今回の大統領選挙では「選挙直後に株価が上昇」といういつものパターンには当てはまらないかもしれない。なぜなら、開票結果をめぐって、もめる可能性が高いからだ。
2000年のブッシュ元大統領とゴア候補の選挙戦は、史上まれに見る大接戦で、敗れたゴア候補が集計のやり直しを要求。最終的には裁判にもつれこみ、ブッシュ元大統領の当選の確定までに1カ月以上かかった。
「今回は、さらに問題が長引くかもしれません。そうなると、株価も低調なまま、2021年に突入する可能性があります」(ザ・モトリーフール・ジャパンの加賀章弘さん)
というのも、今回の大統領選挙は、新型コロナウイルスの影響で「郵便投票」が多くなると予想されている。しかし、トランプ現大統領は郵便投票に大反対しているのだ。よって、僅差でトランプ現大統領が負けるようなことがあれば、大もめになるのは必至で、その間は株価も低調になると予想される。
ただ、従来のセオリーどおりであれば、混乱が収まった後から株価は上昇へ向かう可能性が高くなるはず。投資の計画を立てる際には、こうした背景があることを念頭に置いておきたい。
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