「年収は高いほうだけど、なかなかお金が貯められない……」。そんな悩みを抱えた49歳の会社員に、ファイナンシャル・プランナー(FP)の深野康彦さんがアドバイス!
発売中のダイヤモンド・ザイ11月号は、特集「人気FPが読者7人の家計をズバ斬り!【ざんねんな家計】からの脱出!」を掲載! この特集では「貯蓄ができない」「住宅ローンや教育費の負担が重い」「家計が毎月赤字になる」といった、ザイ読者の切実な"家計の悩み”をセキララに公開! そのうえで、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんに、改善に向けたアドバイスをしてもらっている。
今回はこの特集から、「ざんねんな家計」に悩む読者の一人・多田さん(仮名)の例を抜粋! 夫婦共働きで、大学生の子どもが2人いる多田家。学費だけで年間220万円もかかっているうえに、何に使ったかわからない「使途不明金」も多く、毎月の貯蓄額はゼロだという多田さんに対するファイナンシャル・プランナーの深野さんのアドバイスとは?
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⇒「貯蓄ゼロ」や「毎月赤字」の“ざんねんな家計”から脱出する方法をFPが伝授!「収入-支出=貯蓄額」になっていない場合は無駄な“使途不明金”を洗い出せ!
年収1000万円のうち、使途不明金が年間200万円も!
住宅ローンの早期返済を目指して、支出を見直すべし!
【多田さん(仮名)の相談内容】
「収入は多いのに、なかなかお金が貯まりません。現状、毎月貯蓄に回す分は、ほぼゼロ。ほとんど飲み会でおごった分などだと思いますが、『使途不明金』が年間200万円くらいに膨れ上がっており、支出の見直し方を知りたいです。共働きで夫婦別会計のため、妻がどれくらい貯蓄しているかは不明です。また、昨年から投資用マンションを5件所有。頭金ゼロのフルローンで買っていて、『家賃収入ー手数料』と『ローン返済額』は、ほぼ同額です。団信(※団体信用生命保険。契約者が死亡した場合、保険金からローン残額が完済され、残された家族はローン返済義務がなくなる)に加入しているため、万一自分が死亡したときには、生命保険の代わりになると考えています。ちなみに、マイホームの住宅ローンも返済中で、73歳完済予定です」(相談者:多田さん(仮名)/本人49歳・会社員、妻47歳・会社員、長男・大学3年生、長女・大学1年生)
【ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんのアドバイス】
年間の支出が1000万円強で、使途不明金が200万円ということは、全体の2割もの支出を把握できていないことになるため、典型的な「ズボラ家計」と言えます。まずは家計簿アプリなどを使って、支出の把握に努めましょう。
お小遣いが月10万円ということですが、それ以外にも飲み代などを使っているようなので、全般的に使いすぎ。もうすぐ50歳という年齢ですから、そろそろ「年金生活」を視野に入れ、支出を抑えて生活をコンパクト化していく時期です。
老後に向けた資産づくりは、多くの収入が見込める60歳までの残り10年間が勝負。いまの収入なら、年間200万~240万円は貯金したいですね。そのためにも、まずはこれからの10年間で削れる支出と、想定される大きな支出を整理しておきましょう。今後、子どもが大学を卒業すれば、少なくともそのぶんは貯蓄に回せるはずです。一方で、戸建て住宅が築11年ということですから、定年までに一度は住宅設備の更新やリフォームなどの大型出費が必要になるでしょう。
夫婦別会計で、妻の貯蓄がどれだけあるか知らないということですが、世帯の資産の情報は夫婦で共有することをおすすめします。「配偶者のほうに貯蓄があるだろう」と皮算用をしてしまい、老後になってからアテが外れたというケースはよくあります。
また、住宅ローンの完済予定の年齢が「73歳」だそうですね。通常、60歳以降は雇用形態が変わり、収入がガクンと減ります。そのため、住宅ローンの完済は「60歳まで」が理想、妥協をしても「65歳まで」には終わらせたいところ。年齢や住宅ローン残高に対して、現時点の貯蓄が350万円と少ないのが気懸かりです。60歳での住宅ローン完済を目指すためにも、収入の多い現役時に頑張って貯蓄額を増やしておく必要があるでしょう。
最後に投資用不動産についてですが、現時点でローン総額1億8000万円(住宅ローンと併せると、負債総額は約2.1億円)というのは、あまりにも多すぎます。
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現状は家賃収入でローン返済をまかなえていますが、空室になって家賃収入が入らなくなったり、家賃を下げざるを得ない状況に陥ったりすると、ローン返済を家賃収入でまかなえず、キャッシュフローが赤字になるリスクがあります。
ところが、手元の貯蓄は350万円だけで、何かあったときの備えがないに等しい状態。早急に金融資産での準備が必要です。「10年後に物件の資産価値がローン残高を上回る計算」ということですが、このタイミングで物件を売却できるなら、手放してローン総額を圧縮したほうがいいでしょう。
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⇒「老後貧乏」になりやすい人の“5つの特徴”はコレ! 60歳で定年退職、孫や子に過度な援助、退職金で投資デビュー……などが思い当たる人は老後貧乏に要注意
ダイヤモンド・ザイ11月号の特集「人気FPが読者7人の家計をズバ斬り!【ざんねんな家計】からの脱出!」では、今回紹介した多田さんのほかにも、家計に問題を抱えて悩む読者へのアドバイスを、あと6例公開しているので、誌面も併せてチェックしてほしい!
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⇒住宅ローンを組む際に「返済計画が適切かどうか」を見極めるポイントは?「妻が失業&収入が半減」してもマイホームを買いたい夫婦へのFPのアドバイスとは?
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今回は、発売中のダイヤモンド・ザイ11月号の特集「人気FPが読者7人の家計をズバ斬り!【ざんねんな家計】からの脱出!」から、一部を抜粋して紹介した。
ダイヤモンド・ザイ11月号の大特集は、3カ月に一度の恒例特集「人気の株500+Jリート14激辛診断【2020年・秋】」! 日本株で注目度の高い人気500銘柄とJリート14銘柄を、アナリストなどの投資のプロが「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価している。さらに、特集内では「10万円株」「高配当株」「株主優待株」「Jリート」「大型株」「新興株」のカテゴリー別で、注目すべきおすすめ銘柄を取り上げているので必見だ!
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