厚切りジェイソンさんが語る「お金持ちになる方法」とは? 30代前半でFIREできるほどの資産形成に成功した厚切りジェイソンさんに、自身の投資方法や、おすすめの金融商品を聞いた!(聞き手はダイヤモンド・ザイ編集部)
発売中のダイヤモンド・ザイ2022年3月号の巻頭特集は「お金持ちになるにはどうしたらいいの?」。この特集では、実業家のひろゆきさん、IT企業取締役兼お笑い芸人の厚切りジェイソンさん、レオス・キャピタルワークス会長兼社長の藤野英人さんに「お金持ちになるにための方法」というテーマで話を聞いている。三者三様のアドバイスは、これから投資計画を立てる際などに役立つはずだ。今回はその中から、厚切りジェイソンさんのインタビューを公開!
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「『2022年は何が上がるか?』なんて考えなくていいよ!
毎月インデックスファンドに積み立てるだけで十分!」
──現在35歳。2年前に、FIRE(=経済的自立と早期リタイア)できるほどの資産ができたと伺いましたが。
厚切りジェイソンさん 僕は最初に就職した米国のGE(ゼネラル・エレクトリック社)で、給与から天引きされる形で投資を始めた。以来ずっとそれを続けて、約13年で家族5人全員が一生安心して生活できるお金を、投資の利益だけで得られるようになったんだ。でも、僕はそもそもFIREを目指したわけではない。芸人の仕事も企業の取締役も続けているよ。
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──なぜそんな若い頃から投資を?
厚切りジェイソンさん 米国は、国からの公的補助が日本より乏しい。だから自分で老後の資金を作る意識が元々強いんですね。そういう背景で、入社の手続きのなかで自然と投資を始めただけなんだ。
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──投資をしない人をどう思いますか?
厚切りジェイソンさん 投資しないのは一番のムダ。今、日本のメガバンクの普通預金の金利はたった0.001%程度。例えば100万円を預けて、それが倍の200万円になるには7万2000年もかかる。お金を銀行に入れていることで失う価値は大きいよ。
──ジェイソンさんの投資法は「面白い」手法ではないですよね?
厚切りジェイソンさん まったく面白くないし派手でもない。僕はとても保守的なやり方で、堅実にお金を増やしてきた。だから、投資に対して「怖い」「マネーゲーム」といった意識が強い日本人には向いている方法だと思うよ。巷には「これだけやれば大儲け」みたいな派手な投資術は多いけれど、大切なお金の話だからこそ「地味」に考えてほしいんだよね。
──何に投資しているんですか?
厚切りジェイソンさん 僕が投資しているのはアメリカの証券会社・バンガード社提供の「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(通称:VTI)」というETF(上場投資信託)。これは「CRSP(シカゴ大学証券価格調査センター)USトータル・マーケット・インデックス」という株価指数に連動している。この指数は、全米株式市場の約4000銘柄を時価総額で加重平均(規模が大きい銘柄ほど比重を高く)したものだよ。
──数あるインデックス型商品の中で、なぜVTIを選んだのですか?
厚切りジェイソンさん 理由の一つはリスクの分散になるから。たしかに、米国株の指数だけでもNYダウやS&P500などがある。ただ、組入銘柄数が前者は30、後者は500。対して、VTIが連動するCRSP指数は約4000。全米株式市場の99%以上をカバーしているから、VTIを買えば米国市場のほぼ全体に分散投資しているのと同じなんだ。
もう一つの理由は、成長性があるから。CRSPには中小企業も含まれている。中小企業がいいのは、将来、飛躍的に成長するチャンスがあること。その中から「未来のアップル」が生まれて、大きなリターンを生み出してくれるかもしれない。もちろん、組入比率の高いマイクロソフトやアップルといった有力企業の今後の成長も享受できるしね。
──初心者には、米国上場のETFへの投資はハードルが高いかも……。
厚切りジェイソンさん たしかにVTIはドル建てだし、配当の二重課税の手間もある。そこで紹介したいのが、みんなが取り組みやすく、かつVTIとほぼ同じ値動きの投資信託「楽天・全米株式インデックス・ファンド(通称:楽天VTI)」。楽天VTIに集まった資金は、本家VTIを通じて米国市場に投資される。コストは本家VTIのほうが安いけど、楽天VTIは約100円から取引できるし、実質複利運用で長期投資に有利なんだ。
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僕のオススメは、毎月一定額でコツコツと、この楽天VTIを購入すること。証券会社の自動積立サービスを使えば何も考えずに長期間、投資を続けられるよ。
──この投資で、お金はどのくらい増えるでしょうか?
厚切りジェイソンさん VTIへの投資は、どのタイミングでスタートしても、20年の長期スパンで見れば年利6.4%を下回ったことがない。この利回りなら、例えば元金が100万円だと、12年ほどで倍の200万円になるんだ。ただ、もちろん投資に「絶対」はないよ。市場は常に動いているし、株価が暴落することもあるはずだ。でも、長期で見れば下がり続ける市場はない。これは過去のデータからいえる事実なんだ。
──日本やその他の国の株はオススメしませんか?
厚切りジェイソンさん 一番利益を出してくれると考えているのが米国市場なんだ。それは過去の市場データを見ても明らかだよ。同時多発テロ、リーマン・ショック、コロナ・ショックなどと幾度もの暴落を短い期間で乗り越えて、現在でも右肩上がりの成長を続けている。でも、投資の目的の一つには、その企業やその国の市場への応援という側面もある。だからもちろん他国の株への投資をしてもいいけれど、利益ベースで比べたらオススメは米国株なんだ。
──ジェイソンさん自身はコロナ禍で資産は減りましたか?
厚切りジェイソンさん 実はコロナ・ショックのときは、今まで投資で積み上げた利益分がすべてなくなっていた。でも、想定以上に早く株価が回復して、今は当時以上にお金が増えたんだよ。冷や冷やしたけど、売らなくてよかった。このとき売らずに済んだのは、父のリーマン・ショックのときの狼狽売りの苦い経験があったから。
資産を一番増やす方法は「とにかく売らないこと」。これに尽きる。なぜなら、いくら上がり続けるインデックスファンドを買っても、たびたび取り崩していたら、その都度手数料や税金がかかって、十分なリターンを得られないからだよ。
──個別株は買いたくならないですか?
厚切りジェイソンさん 過去には個別株投資をしたこともある。でも今はもう買わないし、オススメしないよ。なぜなら、企業の業績や市場を自分で予測できないから。投資のプロでも難しいんだから、素人が簡単にできると思っちゃダメ。それに個別銘柄の動向を日々調べたり、値動きに一喜一憂したりするのも精神的に疲れるしね。
──今年はどの業界が盛り上がると思いますか?
厚切りジェイソンさん そういうことに興味を持たなくていいのが僕の投資法なんだ。今年何が盛り上がるとか、どの分野が来るとか、それらは一切気にせず、地道に楽天VTIを買い続けよう。それが一番伝えたいことだよ。
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