いやいや本当に、強い相場が続きます。欧州連合(EU)がギリシャ金融支援を4カ月延長することを決めたことで、20日のNYダウが終値で約2カ月ぶりに過去最高値を更新し、ナスダック総合株価指数も、00年3月27日以来約15年ぶりの高値を付けました。
この流れを受け、23日の日経平均株価は4日続伸し、終値は1万8466.92円と、2000年4月24日の1万8480.15円以来ほぼ15年ぶりの高値となりました。
今の相場では「国策銘柄」を売買するのが正解
このような状況下、国内大手証券が、「何故、保有していない銘柄ばかり上昇するのか?」と題した興味深いレポートをリリースしました。
それによれば、「中期的には業績が株価の重要な決定要因であり、このアプローチを修正する必要はない」が、「東京市場では、今後もパッシブ運用拡大が物色動向に与える影響は看過できないだろう」ため、「多くの投資家が保有していない銘柄が上昇する局面が起こりやすいことに注意したい」と指摘しています。
正直、昨年10月31日の黒田バズーカ第2弾発射以降今日に至るまで、「指数上がれど、我が株上がらず」と、愚痴る投資家の多いこと、多いこと・・・。まあ、それでも、昨年12月から年明けまでは、「直近IPO銘柄の空中戦」で稼ぎ、その後は「出遅れ金融株」や「信用取り組み妙味のある銘柄の踏み上げ」に加え、「株価が低位の疑義注記・重要事象銘柄バブル」で活路を見出しているアクティブ個人は多いようです。
特に足元では株価が100円未満の通称「ボロ株」「仕手株」といわれる銘柄の、ある日突然の株価の急騰劇が開始が目立っています。まともに投資しても儲からず、ウップンのたまった投資家が、「ボロ株」・「仕手株」に対して、怒りの資金流入を加速させているようにもみえます。(笑)
なお、教科書的には個人は「ボロ株」「仕手株」に決して近づくなということになるのでしょう。ただ、どうですかね・・・。もし、あなたが株式投資で成り上がりたいのなら、「ボロ株」「仕手株」とも上手く付き合うのは、私は「あり」だと思いますよ。ただし、テクニカル重視の売買を行い、かつ「損切り」を粛々と実行できないのなら、触る資格はないですね。
ただまあ、「ボロ株」「仕手株」も結構ですが、今の相場なら、「TPP(環太平洋経済連携協定)」とか、「円安・外国人観光客増加・インバウンド消費の拡大」という切り口で、銘柄を探したいですね。
「TPP関連銘柄」「インバウンド関連銘柄」の注目6銘柄を紹介!
まず、「TPP」に関しては、甘利明経済財政・再生相は2月18日、都内で米共和党実力者のライアン下院歳入委員長と会談し、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の今春の妥結に向け日米が協力する方針で一致したということです。また、米通商代表部(USTR)は20日、TPPの首席交渉官会合を3月9~15日にハワイで開くと正式に発表しました。TPP交渉がさらに進展することが期待できる状況です。
一方、「円安・外国人観光客増加・インバウンド消費の拡大」に関しては、今年1月の訪日外客数は、前年同月比29.1%増の121.8万人となり、1月としての過去最高を記録しました。
豪州や東南アジアを中心に、スキーや雪遊び、冬のイベントなど、『スノーリゾートとしての日本』をPRしてきたことや、ビザの緩和、消費税免税制度の拡充、円安進行による訪日旅行の割安感の浸透が、訪日旅行者数の増加に寄与したということです。なお、観光立国の実現は日本再興戦略にも盛り込まれており、政府は20年に2000万人、30年に3000万人の目標を掲げています。
「TPP関連銘柄」及び、「インバウンド関連銘柄」は「国策銘柄」であり、短期的なテーマとしても注目できますが、当然のことながら息の長い相場のテーマとして存在し続けることが期待できるでしょう。そこで今回は、両テーマに合致する銘柄をいくつか挙げておきたいと思います。
【TPP関連銘柄】注目の3銘柄はコレだ!
◎ホウスイ(1352)←銘柄名をクリックすると株価チャートを表示
鮮魚・エビ・カニなどの輸入・卸販売を手掛ける。築地市場の老朽化に伴う豊洲新市場への移転が16年11月初旬に決定した。これに合わせて、冷蔵倉庫事業の一層の拡大を図るために、冷蔵倉庫と本社機能を備えた事務所を建設する。豊洲新市場の顧客の要望に応え、首都圏最大規模の中央卸売市場で大型冷蔵庫の運営を行うことは、同社グループの大いなる発展につながる見通し。
◎林兼産業(2286)←銘柄名をクリックすると株価チャートを表示
黒豚の飼育・食肉販売と加工、水産物練製品、飼料などの販売を手掛ける。昨年4月16日にスターゼン(8043)と業務提携基本合意書を締結し、原料取引、加工食品・ハム・ソーセージの製造受託、人事交流などの協力関係を強化・推進している。具体的には、スターゼンがハムなどを林兼産業からOEM調達する。林兼産業は豚肉などでスターゼンの販売網を活用する。互いにコスト削減や売り上げ拡大につなげている。そして、今年2月12日、両社の更なる事業発展のため加工食品事業を主とする合弁会社設立の検討を開始すると発表。
◎ニチレイ(2871)←銘柄名をクリックすると株価チャートを表示
冷凍食品・低温物流事業において国内最大。TPP参加なら、貿易がより活発化し、農産物の輸出・輸入ともに増加する見通し。このような環境下、同社は、輸入咲洲物流センター稼働(14年10月)に伴い、大阪圏で保管能力と輸配送機能の拡充を進めている。前年度に稼働した東扇島2期棟・北九州TCや既存顧客の取扱いが拡大したTC(通過型センター)事業がけん引するとともに、3PL事業での物流効率化提案による新規受託も寄与している。
【インバウンド関連銘柄】注目の3銘柄はこれだ!
◆サダマツ(2736)←銘柄名をクリックすると株価チャートを表示
複数ブランドを、首都圏を中心に、全国で幅広くショップ展開するジュエリーの小売を手掛ける。中国のインターネットサービス大手、テンセントのサービスを日本で提供するウィ・ジャパンと提携して中国人観光客向けの取り組みを開始。テンセントのSNSを通じてサダマツの商品情報やクーポンを配信するほか、アプリを使った決済サービスも導入する。テンセントが中国で提供する決済サービス「テンペイ」も日本で初めて導入する。
◆ラオックス(8202)←銘柄名をクリックすると株価チャートを表示
09年に中国家電量販最大手の蘇寧雲商集団(江蘇省)の傘下に入り、免税事業に力を入れている。13年11月に銀座に大型店「銀座本店」を開くなど出店を増やしており、15年は10店以上の出店を目指している。また、アパレル事業に参入する。自社でデザインし国内の工場に委託生産した「メード・イン・ジャパン」の衣類などを6月にも売り出すという。粗利益率は家電が30%台なのに対し、自社ブランドの衣料品や雑貨などは約60%まで高まる見通しで、アパレルの強化は収益力の向上にもつながると報じられている。
◆沖電気(6703)←銘柄名をクリックすると株価チャートを表示
2014年に日本を訪れた外国人は過去最高を更新し、観光地を中心に需要が高まっているため、銀行が海外のキャッシュカードやクレジットカードを使えるATMの導入を急いでいるという。ちなみに同社は、日本のATM市場をリードしつつ海外市場へも展開を始め、世界のスタンダードを目指して技術革新を続けている。1977年に日本で初めてATMの実用化に成功し、1982年には入金された紙幣をそのまま出金に回すことができる世界初の「紙幣還流型ATM」を発売。2010年には、世界戦略商品となる「ATM-Recycler G7」を発売し、翌2011年にはさらに機能を強化し、同時取り扱い紙幣を128種類まで拡張した。
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