最下層からの成り上がり投資術!
2018年11月6日公開(2018年11月6日更新)
バックナンバー 著者・コラム紹介
藤井 英敏

日経平均は「25日移動平均線」が強力な抵抗線に!
通期の企業業績が「3年ぶりの減益」に転じた場合、
株式相場はしばらくの間、下落基調を辿る!

 ようやく、波乱の10月相場が終わりました。それにしても、この10月は、プロのヘッジファンドも大ヤラレしたようです。

 ヘッジファンドは、「FANG株(ファング:フェイスブックアマゾン・ドット・コムネットフリックス、グーグル親会社のアルファベットの4社)」に集中投資していたことが裏目に出て、10月の運用成績はマイナス5.8%と、2008年のリーマンショックのあった2008年9月のマイナス8.6%、翌10月のマイナス10%以来の悪化幅でした。

 一方、公募投資信託の資産残高は10月末時点で前月末比約6兆円(5%強)減少したそうです。投資信託を保有する個人も散々な目にあったことでしょう。

日経平均株価は「くじら」のおかげで
ひとまず落ち着きを取り戻す

 ただし、足元の日米株式市場は落ち着きを取り戻しています。日経平均株価は10月30日に前日比307.49円高、31日に463.17円高と、2日間で終値ベース770.66円(3.6%)上昇し、目先の底入れを鮮明にしました。11月1日は同232.81円安と反落したものの、2日は同556.01円高を演じ、2万2000円大台を回復しました。

■日経平均株価チャート/日足・6カ月
日経平均株価チャート/日足・6カ月日経平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 10月30日の上昇の背景は、相場の歴史的な下落に、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、いわゆる「くじら」が動いたと観測がされたことです。資産に占める株式の比率が基準となる25%を割ったことで、「くじら」が買い増しに動いたとみられました。これが売り方の買い戻しを促し、日経平均株価は大幅に反発しました。

 そして、11月2日は、前日の米国株式市場が上昇し、VIX指数が8日ぶりに節目の20を下回ったことが買い材料になった上、「トランプ米大統領が米中貿易合意に向けた草案作りを始めるよう関係閣僚に指示した」との報道が好感され、売り方の買い戻しが更に加速し、日経平均株価の上昇幅が拡大しました。

今後、日経平均株価は25日移動平均線まで上昇するも
強力な抵抗線に阻まれる

 さて、今後の日経平均株価ですが、25日移動平均ベースのボリンジャーバンドのマイナス1σ(11月6日前引け現在2万1621.70円)を中心に、マイナス2σ(同2万0724.42円)と25日移動平均線(同2万2518.99円)との間を行き来する「ワイドなバンドウォーク」を想定しています。なぜなら、現時点でのボリンジャーバンドは、縮小傾向を示しているとはいえ、依然としてエクスパンション(バンドが拡大)している状況だからです。

 ただし、11月6日前引け時点で、マイナス1σを明確に超えているため、足元では、本格的なリバウンド期待が盛り上がっています。結論として、マイナス1σを割り込まない限り、25日移動平均線付近までは売り方の買い戻しで上昇ピッチが加速するでしょう。

 なお、200日移動平均線(同2万2396.90円)、75日移動平均線(同2万2693.32円)、52週移動平均線(同2万2494.48円)、26週移動平均線(同2万2624.19円)、13週移動平均線(同2万2745.34円)と、概ね2万2400円~2万2700円のゾーンに中期的な抵抗線が数多くあります。これらを上抜けるには、相当な好材料と、ヤレヤレ売りを吸収するだけのボリュームが必要になるでしょう。

 また、力強く日経平均株価が戻るためには、好調な企業業績見通しが不可欠です。しかしながら、日本経済新聞社が11月2日までに決算発表を終えた3月期企業641社(全体の40%に相当)を集計した結果、純利益の前年同期に比べた増加率は、2018年4~6月期まで7四半期連続で2ケタ増だったのが、直近の7~9月期は2日時点で0.5%と、急減速しています。これは非常にネガティブな材料です。

 今後、通期で3年連続の最高益更新となるとの見方が市場で維持されれば問題ありません。しかし、万が一、市場が3年ぶりの減益に転じることを織り込みにいくようなら、相場は暫く下落基調を辿るでしょう。

これまで米国市場を牽引してきた
「GAFA」などのIT系グロース株に向かい風が!

 一方、米国では、「GAFA(ガーファ:アルファベットアップルフェイスブックアマゾン・ドット・コム)」を取り巻く環境がここにきて急激に厳しさを増しています。

 トランプ米大統領は米ネットメディアのアクシオスが11月4日に公開したインタビューで、アマゾンやアルファベット、フェイスブックに対して「独占禁止法の適用を真剣に検討している」と語ったそうです。また、GAFAの節税策などを問題視する動きが世界で広がる中、英政府は10月29日、新たなデジタル課税を2020年4月から導入すると発表しました。

 さらに、規制等で先行するEUをならい、日本政府も、検索やSNS、ネットショッピングなどのサービスを展開するIT企業である「プラットフォーマ」への規制を強化すると報じられています。

 政府による「独占の禁止」は、経済全体にとっては必要なことです。なぜなら、市場の寡占が進むと、公正な競争環境が歪められるからです。しかし、これは、規制対象となる企業にとっては、様々な負担が増え、競争力がそがれるため、当然のことながら非常にネガティブなことです。

 そうこう考えると、「GAFA」に代表されるIT系グロース株の先行きは相当不透明な状況と認識しておいた方がよさそうです。結論として、「GAFA」に関しては、今後の決算発表等で、市場予想を大幅に上回る成長を再びみせてこない限り、アンタッチャブルと考えます。

日経平均株価が25日移動平均線まで戻ったら
いったん現金化してポートフォリオを見直そう!

 このような状況を踏まえ、現時点においても、日経平均株価については、25日移動平均線は相当な期間(3~6カ月程度)強力なレジスタンスラインになる可能性が高いと危惧しています。このため、今後、日経平均株価が25日移動平均線付近まで戻る場面があったら、10月相場で多額の評価損を抱えた方は、欲張らずにいったん現金化しましょう。そして、冷静にその時点の金融・経済情勢を見極めてから、新たにポートフォリオを構築することをお勧めします。

 なぜなら、10月の日米同時株安で、それまでの物色の流れが大きく変わった可能性が否定できないからです。それまでのスター株の人気が凋落していくと同時に、今回の急落で次のスター株が誕生した。そして、その次のスター株の人気が徐々に高まり、株価が成長していく展開を想定しています。

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