「つみたてNISA」(積立NISA)は、本来、投資で得られた利益(運用益)にかかる約20%の税金がゼロになるお得な制度です。この連載では、「つみたてNISA」の特徴を紹介しています。
みなさんは「つみたてNISA」で、毎月いくら積み立てしようと思っていますか? また、すでに「つみたてNISA」を始めている人は、毎月いくら積み立てていますか? 今回は、「つみたてNISA」で積み立てる金額について、「つみたてNISA」の基本の解説と、自分に合った投資金額の考え方をお伝えしたいと思います。
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⇒つみたてNISAが投資の初心者におすすめな理由とは? 積み立て投資だから簡単で損しにくく、対象商品は低コスト&売買手数料無料、そのうえ節税もできる!
「つみたてNISA」の運用益が非課税になる
投資金額の上限は毎年40万円!
投資の運用益が非課税になる「つみたてNISA」ですが、非課税にできる投資金額(投資枠)の上限は、年40万円までと決められています。
「つみたてNISA」で毎月積み立てる場合、40万円÷12カ月≒3万3333円なので、毎月3万3333円まで、積み立てられることになります。
しかし、実際には、金融機関によって多少違いがあります。
例えば、SBI証券や楽天証券といったネット証券の場合、「100円以上1円単位」で積み立てができるので、毎月3万3333円まで投資できます。一方、多くの銀行では「1000円以上1000円単位」で積み立てをするルール。この場合は、毎月3万3000円までとなります。
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「投資枠は年40万円あるのに、これでは投資枠を使い切れない」そう気づいたあなたは鋭いですね。3万3333円ずつ12カ月投資すると、投資金額の合計は39万9996円。3万3000円ずつの場合は39万6000円となります。
そこで、年40万円ピッタリ投資したいなら、「ボーナス月の増額設定」を活用するといいでしょう。「ボーナス月の増額設定」を活用すれば、年に2回まで、一時的に投資金額を増やすことができます。例えば、ふだんは毎月3万円、それに加えてボーナス月(6月と12月)は、5万円ずつ投資金額を増額する設定にすれば、「つみたてNISA」の投資枠の上限である40万円、ピッタリ投資できる、というわけです。
また、「つみたてNISA」を年の途中で始めた場合も、この「ボーナス月の増額設定」を利用すれば、その年の「つみたてNISA」の投資枠を使い切ることができます。
なお、「つみたてNISA」の投資期間は今のところ2018年から2037年までの20年間、非課税投資枠の20年間の合計は800万円までとなっています。各年の非課税投資枠は翌年以降に引き継げませんから、2019年に「つみたてNISA」を始めた人の2037年までの投資枠は760万円、2020年に「つみたてNISA」を始める人の2037年までの投資枠は720万円……と、2037年までの投資枠は年々、減っていくことになります。
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「つみたてNISA」は100円から投資できるが
投資資金は多い方が非課税メリットも多くなる
さて、ここまで「つみたてNISA」の投資枠の上限についてお話ししてきました。というのも、お金を増やすということを考えた場合、できるだけ多くの資金で投資をしたほうがいいからです。
例えば、毎月1000円、毎月5000円、毎月1万円ずつ、20年間投資を続け、年利4%の利益が得られたとします。このとき、資産の合計額は、下のグラフのようになります。毎月1000円の場合に比べて、投資金額が5倍(5000円)・10倍(1万円)になれば、当然ながら、利益の額も5倍・10倍になります。
さらに、「つみたてNISA」の場合、本来は運用益に対して課税される約20%(厳密には、20.315%)の税金が非課税になります。そこで、同じ期間、同じ商品を積み立てて運用益が出た場合、「つみたてNISA」への投資額が多いほど非課税になる額も増えることになります。
・毎月1000円・20年間・年利4%で投資した場合
⇒非課税になる税金額2万5754円
・毎月5000円・20年間・年利4%で投資した場合
⇒非課税になる税金額12万8771円
・毎月1万円・20年間・年利4%で投資した場合
⇒非課税になる税金額25万7542円
仮に、毎月3万3333円を20年間積み立て投資し、年利4%の利益が得られたとすると、資産の合計は1222万5699円です。そのうち利益は422万5699円、非課税になった税金の額は85万8450円にもなります。
「つみたてNISA」は無理のない積立金額でスタートして
慣れてきたら少しずつ積立金額を増やしていこう!
しかし、「お金を増やしたいなら、積立金額は大きいほうがいい」と言われても、さっと投資資金を出せるならいいのですが、収入状況、家族の状況、性格などいろいろな要因で簡単ではない人も多いと思います。では、自分なりの積立金額は、どうやって決めればいいのでしょうか。
まず、大前提として、現状まったく貯金がないという人は、投資より前に家計を見直して、毎月お金を貯められるようにすることが先決です。「つみたてNISA」は、一般的な投資と比べると堅実な投資だとは言えますが、それでも投資ですから、元本が減る局面もあります。そんなところに、なけなしのお金を使ってしまっては、もし減ってしまったときに困りますし、投資していても落ち着かないでしょう。何か不測の事態があっても困らないよう、「つみたてNISA」は、給料の3カ月〜6カ月分くらいのお金を貯めた上でスタートするのがいいでしょう。
(それでも筆者としては、使える時間は有限ですから、まったくお金が貯まっていないという人でも、100円、1000円と少額でもいいので「つみたてNISA」を始めて欲しいと思っています)
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そこがクリアできたら、ようやくスタートラインです。毎月の収入から支出を引いた残りの金額から、どの程度を「つみたてNISA」に配分していくかを検討します。
配分の考え方は、人によっていろいろです。基本はお伝えしたとおり、できるだけ投資に振り向けていただきたいのですが、生活費を極限まで切り詰めるほど無理はしても長続きはしないので、最初はできる範囲でいいでしょう。
そして、「つみたてNISA」での投資がどんなものかがわかったら、今度は少し戦略的に、毎月の積立金額を目標金額から逆算してみましょう。
金融庁の「資産運用シミュレーション」や、各金融機関のウェブサイトなどでは、「積立期間」「想定する利回り(利率)」「目標金額」を入力することで、毎月の必要な積立金額を計算することができるツールがありますので、それを使って計算するのが簡単です。
金融庁の「つみたてNISA」の資料によると、20年間の積み立て投資で得られる利益は、年利2〜8%の中に収まるとされています。
そこで、例えば、積立期間を「20年」、想定する利回り(利率)を「3%」、目標金額を「500万円」として、金融庁の「資産運用シミュレーション」で計算すると、毎月1万5230円ずつ積み立てる必要があることがわかりました。
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お金は貯金だけでは増えない
お金を増やしたいなら積極的に“投資”しよう!
ところで、日本人は貯蓄が大好きだとよく言われます。
日本銀行の『資金循環の日米欧比較』では、日本・米国・ユーロエリアの家計に占める金融資産の構成割合が示されています。
これによると、日本の金融資産は50%以上が「現金・預金」。「株式等」「投資信託」「債務証券(債券)」といった金融商品の割合は15%ほどとなっています。それと正反対なのが米国で、金融商品の割合が50%、「現金・預金」は12.9%となっています。
過去20年間、日本の金融資産は約1.5倍に増えたそうです。これだけ聞くとすごいのですが、同じ期間で、米国の金融資産は約3.3倍になっているといいます。それはなにより、投資に振り向けるお金の額が多かったからにほかなりません。
もちろん、単純に米国の真似をしなさい、とまで言う気はありません。しかし、これからお金を増やしていくことを考えるのであれば、もう少し投資にお金を振り向けたほうがいい、ということは言えると思います。
人によって老後資金、教育資金、余暇資金など、貯める目的・目標金額は違いますが、早いうちから準備するか、ギリギリになってから準備するかで、毎月の必要積立額、必要利回りはまったく異なります。人間には寿命がありますから、積み立て投資を「長くやる」ためには「早くやる」しかありません。時間を味方につけて、お金が勝手に増えていく生活を楽しみましょう。
「つみたてNISA」は、投資の初心者が投資デビューするのにピッタリな制度です。ぜひ取り組んでみてください。
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(株)Money&You代表取締役、ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本証券アナリスト協会検定会員。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。著書は『投資信託 勝ちたいならこの7本!』『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』 『入門仮想通貨のしくみ』『つみたてNISAでお金は勝手に増えていく』など多数。
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【2024年11月4日時点】 2024年にスタートした新制度を解説! 「新NISA」の取扱商品や売買手数料を徹底比較! ※表内のデータは、情報更新時に公表されている「新NISA」の情報をまとめたものです。 |
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つみたて投資枠 | 成長投資枠 | クレカ積立 還元率 ※1 |
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投資信託 | 株式売買手数料(税込) | 投資信託 | ||
国内株 | 米国株 | |||
250本 | 無料 | 無料 | 1277本 | 0〜 0.5% |
【SBI証券の新NISA口座のおすすめポイント】 ネット証券大手の一つで、新NISA口座では日本株の売買手数料無料に加えて、米国株式&海外ETFの売買手数料も無料!「つみたて投資枠」対象商品のほとんどの投資信託を取り扱っており、すべてノーロード(購入時手数料が無料)。投資信託の積み立ては「100円」から可能で、少額から始めたい人に対応。「毎月積立」だけでなく、「毎週積立」「毎日積立」も選べる。三井住友カードなどによるクレジットカード決済「クレカ積立」を利用すると、カードの種類やその他の条件によってポイントが貯まる。「投信マイレージ」では保有額に応じたポイントも獲得できる。「成長投資枠」では米国株、中国株、韓国株、ロシア株(現在、注文停止中)、ベトナム株、インドネシア株、シンガポール株、タイ株、マレーシア株など海外株も豊富。単元未満株(1株から日本株が買える)「S株」は東証の全銘柄が対象で、成長投資枠で投資可能。売買手数料はゼロ円だ。「S株」では積立サービス「日株積立」を開始。株数指定(1 株単位)、金額指定(1000円以上、500円単位)で積立ができるようになった。カスタマーサービスセンターは「NISA・投信土日専用デスク」があり、週末も問い合わせに対応しているのも便利。「J.D.パワー2024年NISA顧客満足度調査 」<証券部門>にて、総合満足度ランキング1位を受賞した。 |
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つみたて投資枠 | 成長投資枠 | クレカ積立 還元率 ※1 |
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投資信託 | 株式売買手数料(税込) | 投資信託 | ||
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234本 | 無料 | 実質無料 | 1176本 | 0.73〜 1.1% |
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244本 | 無料 | 無料 | 1144本 | − |
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つみたて投資枠 | 成長投資枠 | クレカ積立 還元率 ※1 |
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投資信託 | 株式売買手数料(税込) | 投資信託 | ||
国内株 | 米国株 | |||
240本 | 無料 | 無料 | 1269本 | 0.5〜 1.0% |
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投資信託 | 株式売買手数料(税込) | 投資信託 | ||
国内株 | 米国株 | |||
238本 | 無料 | 無料 | 1130本 | 1.0% |
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■SMBC日興証券 ⇒詳細情報ページへ | ||||
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | クレカ積立 還元率 ※1 |
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投資信託 | 株式売買手数料(税込) | 投資信託 | ||
国内株 | 米国株 | |||
150本 | 137〜2200円 (約定代金による) |
− | 540本 | − |
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つみたて投資枠 | 成長投資枠 | クレカ積立 還元率 ※1 |
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投資信託 | 株式売買手数料(税込) | 投資信託 | ||
国内株 | 米国株 | |||
91本 | 実質無料 | − | 332本 | − |
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つみたて投資枠 | 成長投資枠 | クレカ積立 還元率 ※1 |
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投資信託 | 株式売買手数料(税込) | 投資信託 | ||
国内株 | 米国株 | |||
38本 | 無料 | − | 112本 | − |
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ETF | ETF | |||
サービス手数料: 資産残高の0.693〜0.733%(年率・税込)※ |
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【関連記事】 ◆【2024年最新版】「ロボアドバイザー」の機能や利用料、特徴を比較!証券会社のサービスから独立系業者まで紹介 |
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。売買手数料は、1回の注文が複数の約定に分かれた場合、同一日であれば約定代金を合算し、1回の注文として計算します。投資信託の取扱数は、各証券会社の投資信託の検索機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合が場合があります。※1 年会費無料のクレジットカードの場合。※2 1約定ごとプランで約定金額240万円までの売買手数料。 |