株式市場では話題となっているテーマに関連した銘柄“テーマ株”が注目され、値上がる傾向にあります。2015年までは「爆買い」「民泊」「マイナンバー」「自動運転」「ロボット・人口知能」などのテーマ株が注目され、いまは「フィンテック」「電力自由化」などのテーマ株が物色されています。今回はそんな“テーマ株”の探し方をご紹介しましょう。
＊前回までの「ネット証券を活用した株の初心者入門講座」記事一覧
»【第1回】株式投資の最大の魅力はやっぱり「値上がり益」だ！
»【第2回】いますぐネット証券に口座を開設する手順と利用方法を紹介！
»【第3回】株価を動かす5つの要因と株の仕組みを知ろう！
»【第4回】株の銘柄はどうやって選んだらいいのか？
»【第5回】株価チャートの形だけで売買タイミングがわかる！
»【第6回】株の銘柄選びに困ったらどうしたらいいのか？
軟調な日経平均株価を尻目に爆謄した銘柄、
その理由は「テーマ株」だった！
最初に【図表1】の比較チャートからご覧ください。日経平均株価と、ある2銘柄の比較です。2015年12月以降、日経平均株価は軟調な展開を続いていますが、そんな相場とはまったく異なり大きく上昇した銘柄があります。
さくらインターネット（3778）とインフォテリア（3853）です。この2銘柄には共通のテーマがありました。それが「フィンテック」です。金融（Finance）」と「技術（Technology）」を組み合わせた造語ですが、ハイテク企業やネット企業が金融分野へ進出しており、最近の投資テーマとして人気です。今回はこうした時流に乗った「テーマ株」の探し方についてみていきましょう。
【図表1】日経平均株価とフィンテック関連銘柄のチャート比較。さくらインターネット（3778）とインフォテリア（3853）。マーケット全体が下落した局面でも大きく上昇した。ライブスター証券の「livestarQUICK情報」で表示
世の中の話題にはすべて関連銘柄が存在している
銘柄探しをする場合に、単純に「株価が上がる銘柄が知りたい」と思うかもしれません。では、そもそもなぜ株価が上がるのかを考えてみましょう。
中長期的には企業業績の成長に合わせて株価は上昇します。さらに、企業業績は色々な世の中の流れに左右されています。
ここ数年前から相場に大きな影響を与えたのが「アベノミクス」です。また、円安の流れ（為替の動向）、原油安、中国経済（中国株）といった世界的な市況が株式相場に影響を与えます。
世の中の話題、人気やブームも相場に影響します。たとえば、「インバウンド消費・爆買い」「マイナンバー制度の開始」「電気自動車・自動運転化の流れ」「電力自由化」……。さまざまな話題には、関連した銘柄が存在します。こういった人気の話題に沿った銘柄を「テーマ株」と呼びます。時流に乗ったテーマ株は、投資家の注目も集めるため中長期的な投資対象として有望です。
一口に投資のテーマといっても、アベノミクスや原油安といった市場の流れを左右する大きなテーマもあれば、「3Dプリンター」「民泊」「生体認証」など、人気の技術や話題といった個別のテーマもあります。
旬の投資テーマを知る＆探るために
各ネット証券の専門家のレポートをヒントにする
そこで、まず話題になっている投資テーマを探してみましょう。
その場合、専門家のレポートが参考になります。ネット証券では、アナリストが頻繁に分析レポートを書いており、多くは無料で読めるので参考にしましょう（口座開設者限定のレポートもあります）。テーマ株が読めるネット証券のレポートを【図表2】にまとめました。
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| レポート名 | レポート概要 | 証券会社 詳細情報 |
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| 【証券会社名】SMBC日興証券 | |||
| 1 | 日本株ストラテジー レポート |
一般に見られるテーマ株とはひと味違った同社アナリストの独自分析による投資戦略と銘柄を紹介。中級者向け。【購読】口座開設者 |
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日興ストラテジー・ セレクション |
毎月発行。「日本を再生・創造する」、「日本を売り込む」、「日本へ呼び込む」の3つの投資戦略に沿った中長期的な投資銘柄群を選定。【購読】口座開設者 |
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| 【証券会社名】SBI証券 | |||
| 1 | 福の神レポート | 旬のテーマ株や、投資戦略と銘柄を紹介。1カ月に2本掲載。【購読】ログイン前 |
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| 2 | 深掘り！ 注目セクター |
今注目するべきセクター（業種）に注目して銘柄も紹介。【購読】ログイン前 |
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| 【証券会社名】岡三オンライン証券 | |||
| 1 | 岡三証券スポット 情報 |
決算情報から相場見通し、相場の世界で今が旬の話題と関連銘柄。株式投資情報局に掲載【購読】口座開設者 |
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| 【証券会社名】カブドットコム証券 | |||
| 1 | 旬なテーマを深堀り♪ | 相場状況や今が旬のテーマに合わせた関連銘柄を投資情報室の藤井明代氏が紹介。【購読】ログイン前 |
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| 2 | 株式ストラテジー | 国内・海外の金融相場概況、経済動向からテクニカル分析まで多彩な投資情報。テーマ株のレポートも見つかる。中級者向け。【購読】口座開設者 |
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| 【証券会社名】大和証券 | |||
| 1 | ダイワ投資情報 マンスリー |
今月の投資テーマが毎月掲載されている。その他、今が旬のトピックス、企業家インタビュー、投資戦略など毎月読めば投資力アップに。【購読】口座開設者 |
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| 【証券会社名】マネックス証券 | |||
| 1 |
週刊相場観測誌Market 展望（フィスコ） |
毎週「テーマ別分析」として旬のテーマと銘柄を紹介。その他、話題のレポート紹介やスクリーニングによる銘柄分析、株・為替・債券市況まで。【購読】口座開設者 |
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| 【証券会社名】楽天証券 | |||
| 1 |
楽天証券投資Weekly :セクター・投資テーマ編 |
日経平均など相場概況から始まり、今が旬の銘柄コメントやセクターコメントが読める。【購読】ログイン前 |
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注目のテーマを俯瞰的に見られるレポートとしておすすめしたいのが、大和証券の「ダイワ投資情報マンスリー」です【図表3】。毎月テーマ株のコーナーがあり、複数のテーマと関連銘柄が掲載されています。
たとえば、2016年の1月号では「2016年の注目テーマを探る」として、「女性活躍推進法施行」関連銘柄では東レ（3402）や住友金属鉱山（5713）、「サービス・ロボット」関連銘柄として菊池製作所（3444）、クボタ（6326）など、21のテーマと関連銘柄が紹介されています。
【図表3】大和証券が毎月掲載する「ダイワ投資情報マンスリー」。投資テーマと関連銘柄が数多く紹介されている。拡大画像表示
独自の分析から中長期的な時流に沿った
ストラテジー（投資戦略）と関連銘柄を知る
【図表2】にあるように、多くのレポートでは、頻繁に個別の投資テーマと関連株を紹介しています。その中で独自の視点を持つ個性派レポートとしてご紹介したいのが、SMBC日興証券の「日本株ストラテジーレポート」です【図表4】。ちなみに、「ストラテジー」とは投資の「戦略」を意味しています。時流に乗った銘柄を探し、中長期的な相場のトレンドに乗るための投資戦略です。
【図表4】SMBC日興証券の「日本株ストラテジーレポート」。独自の分析による時流に沿った投資戦略と関連銘柄が紹介されている拡大画像表示
たとえば、2015年12月17日のレポートでは「ピュアミクロ銘柄」を紹介していました。「ピュアミクロ銘柄」とは、最近の情勢が円高ドル安方向にあることから、外部環境の影響をあまり受けない内需銘柄のことを呼んでいます。アダストリア（2685）、JSP（7942）、エイチ・アイ・エス（9603）ほか、多数の銘柄が紹介されています。
上昇率の高い銘柄のテーマがわかる、
投資のブームと銘柄をいち早く見つける“逆引き”ツール
次に2015年12月に登場した最新のテーマ株探しツールを紹介しましょう。松井証券がリリースした「テーマ投資ガイド」です【図表5】。このツールでは、各投資テーマのアクセスランキングが表示されます。
【図表5】松井証券の「テーマ投資ガイド」。人気テーマのランキングが見られる。銘柄の物色動向を知る際にも役立つ拡大画像表示
また、通常ならばテーマから銘柄を探しますが、「テーマ別騰落率ランキング」では、上昇率の高い銘柄に関連するテーマのランキングが掲載されています。「どういったテーマの銘柄が買われているのか」「まだ物色されていない関連銘柄は何か」といった比較的短期の物色動向を知る際に役立つと思います。
プロのニュースの読み方を参考に投資脳を鍛える
日々配信されるニュースは、一過性のブームで終わる事柄から、将来大きなトレンドを築くネタまで玉石混淆です。そこで、プロのアナリストや記者の眼鏡を通して、ニュースを選別した記事もあります。
たとえば、SBI証券のサイト上で読める「ニュースを半歩先読みマル秘術」では、「相場の福の神」こと藤本誠之氏が、気になるニュースから相場の見通しを毎日解説しています。
1月14日の記事の例を紹介しましょう。「電力 東電に対抗値下げ 結局儲かるのは比較サイト？」という記事がアップされました【図表6】。「電力小売り自由化」という話題があれば、多くの人は「どの電力小売り関連株が上がるだろう」と考えるでしょう。
【図表6】SBI証券のサイト上で読めるニュース深読みサイト「相場の福の神が語る！ニュースを半歩先読みマル秘術」。毎営業日更新拡大画像表示
ところが、この記事では、電力小売り企業を探すための「比較サイト」に注目しているのです。つまり「連想」によって物色動向を予想しています。レポートに書かれた銘柄を読むだけでなく、こういったアナリストの思考法も参考になると思います。
最新のニュースから投資テーマを探すのに役立つツールやレポート記事を【図表7】にまとめました。表中にある「日経テレコン21」は、大和証券、丸三証券、楽天証券に口座があれば利用できます。日経新聞はじめ、日経各社の記事が無料で読めるのでお得です。記事検索も可能ですから、毎朝の新聞チェックから投資テーマ探しまで役立ってくれます。
| 【図表7】ニュース検索ができるツール、ニュースからトレンドを探るレポート | |||
| レポート名／レポート概要 | 利用できる 証券会社 |
証券会社 詳細情報 |
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◆相場の福の神が語る！ニュースを半歩先読みマル秘術 【レポート概要】 藤本誠之氏が気になるニュース（日経新聞など）から相場の見通しを毎日解説。 |
SBI証券 |
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◆QUICKリサーチネット「とれんど選隊」 【レポート概要】 (株)QBRの隊員が、人気サービスや新商品からトレンドを追跡する。QUICKリサーチネットは通常は有料サービスだが、松井証券に口座があれば無料で利用できる |
松井証券ほか |
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| 3 |
◆ニュースファインダー 【レポート概要】 キーワードを選んで記事を検索したり、注目度の高いキーワードやランキングを表示。関連銘柄もわかる。時事通信社の配信記事が主な情報源。 |
松井証券 |
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| 4 |
◆日経テレコン21 【レポート概要】 今朝の朝刊を含む日経各紙が読めるほか、記事検索も可能。口座開設すれば無料で利用できる |
大和証券 |
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| 丸三証券 |
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| 楽天証券 |
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◆ニュース検索 【レポート概要】 1カ月以内のニュース検索が可能。配信元はロイター、四季報速報、株式新聞、フィスコなど。 |
楽天証券 |
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※記事中の株価やスクリーニング結果は、2015年1月20日に行ったものです。数値やスクリーニング結果は、その時々によって変化します。
＊前回までの「ネット証券を活用した株の初心者入門講座」記事一覧
»【第1回】あの株を3年前に10万円分買っておけば600万円に！株式投資の最大の魅力はやっぱり「値上がり益」。「配当」「株主優待」などの魅力と注意点も紹介！
»【第2回】株を買うなら証券会社に口座が必要だ！いますぐネット証券に口座を開設する手順と、ネット証券の情報を賢く利用する方法を紹介！
»【第3回】株価はなぜ上下するのか？株価を動かす5つの要因と株の仕組みを知ろう！ネット証券で見られる各種投資情報も紹介！
»【第4回】株の銘柄はどうやって選んだらいいのか？身近な情報、株主優待、会社四季報、企業業績からネット証券のツールを使って探す方法を紹介！
»【第5回】株価チャートの形だけで売買タイミングがわかる！ネット証券の便利なツールや分析レポートを使って、タイミングよく株の銘柄を探す方法とは？
»【第6回】株の銘柄選びに困ったらどうしたらいいのか？誰もが知っている銘柄や日経平均株価など指数に連動するETFやETNから買ってみよう！
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| 【関連記事】 ◆【楽天証券の特徴とおすすめポイントを解説！】売買手数料が安く、初心者にもおすすめの証券会社！ 取引や投資信託の保有で「楽天ポイント」を貯めよう ◆「日経テレコン」「会社四季報」が閲覧できる証券会社を解説！ 利用料0円ながら、紙媒体では読めない独自記事や先行情報を掲載し、記事の検索機能も充実 |
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| 【関連記事】 ◆【松井証券のおすすめポイントは？】1日50万円以下の株取引は手数料0円（無料）！ その他の無料サービスと個性派投資情報も紹介 ◆「株初心者」におすすめの証券会社を株主優待名人・桐谷広人さんに聞いてみた！ 桐谷さんがおすすめする証券会社は「松井証券」と「SBI証券」！ |
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外国株 | |||
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| 【関連記事】 ◆マネックス証券は｢マネックスカード｣での積立投資で1.1％分のポイントが貯まってお得！ クレジットカードを利用して、投資信託を積立投資する方法を解説！ ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】｢単元未満株｣の売買手数料の安さ＆取扱銘柄の多さに加え、｢米国株・中国株｣の充実度も業界最強レベル！ ◆マネックス証券のNISA口座は手数料が一番お得！ 国内株は無料、外国株も買付は実質無料。外国株やIPOの銘柄数も多いので、投資初心者にはおすすめ！ |
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| 【関連記事】 ◆GMOクリック証券が“業界最安値水準”の売買手数料を維持できる2つの理由とは？ 機能充実の新アプリのリリースで、スマホでもPCに負けない投資環境を実現！ ◆「株主優待のタダ取り(クロス取引)」で得するなら、GMOクリック証券がおすすめ！ 一般信用の「売建」を使って、ノーリスクで優待をゲットする方法を解説！ ◆GMOクリック証券を「無料」で利用する裏ワザとは？ グループ会社の株主優待を効率よく利用することで、1年間に「最大375回分」の売買手数料が0円に！ ◆億トレーダーが初心者におすすめの証券会社を紹介！ NISA口座の売買手数料無料のSBI証券と、株主優待で売買手数料が無料になるGMOクリック証券がおすすめ |
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外国株 | |||
| 10万円 | 20万円 | 50万円 | 50万円 | |||
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| 【関連記事】 ◆【ネット証券おすすめ比較】株の売買手数料を比較したらあのネット証券会社が安かった！ ◆株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券は？ 手数料、使い勝手で口座を使い分けるのが桐谷流！ |
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