株価が上昇中の好業績銘柄でも株価が高いところで買えば、なかなか含み益が増えません。また、値動きの見方がわからないと、上昇が終わっている銘柄を買ってしまうかもしれません。今回は売買タイミングを測る上で便利な株価チャートの基本的な見方から、売買タイミングの見方、売買タイミングが来ている銘柄の見つけ方を紹介します。
*前回までの「ネット証券を活用した株の初心者入門講座」記事一覧
【第1回】あの株を3年前に10万円分買っておけば600万円に!株式投資の最大の魅力はやっぱり「値上がり益」。「配当」「株主優待」などの魅力と注意点も紹介!
【第2回】株を買うなら証券会社に口座が必要だ!いますぐネット証券に口座を開設する手順と、ネット証券の情報を賢く利用する方法を紹介!
【第3回】株価はなぜ上下するのか?株価を動かす5つの要因と株の仕組みを知ろう!ネット証券で見られる各種投資情報も紹介!
【第4回】株の銘柄はどうやって選んだらいいのか?身近な情報、株主優待、会社四季報、企業業績からネット証券のツールを使って探す方法を紹介!
ローソク足を見れば相場の気持ちがわかる!?
日本で相場の値動きを表す時に一般的に使われるのが「ローソク足のチャート」です。ローソク足の基本的な見方を【図表1】に示しました。ローソク足には上昇を示す、「陽線」(通常は白か赤で表示)と下落を示す「陰線」(通常は黒か青で表示)があります。
この陽線・陰線、そしてヒゲを見るだけで、その間の始値、高値、安値、終値がわかるため、ある程度値動きを把握できます。たとえば、【図表1】の陽線の場合、ローソク足の実体部分の底から値が始まります。途中下ヒゲ部分の最安値、上ヒゲ部分の最高値をつけた後、ローソク足の実体部分の上辺が終値です。
次に、実際にローソク足のチャートを見てみましょう【図表2】。ローソク足の形がさまざまな相場の方向性を物語っています。赤のローソクが陽線で、青のローソクが陰線です。
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まず、注目して欲しいのは長いヒゲです。相場の底付近には長い下ヒゲが見られ、天井付近には長い上ヒゲが見られます。たとえば、【図表2】では長い上ヒゲが3つ現れています。上ヒゲはいったんは高値にトライしながらも高値を突破できず、ローソクの実体部分に値が戻ったことを意味しています。つまり、ローソク足が「上げ渋り」「上昇ストップ」「上値が重い」と語っているのです。実際、3つの上ヒゲの後、相場はいったん急落しました。
また、陰線と陽線以外にもローソクの部分がない「十字線」と呼ばれるローソク足もあります。【図表2】では上昇の途中で現れているのがわかります。これは値動きの上下動を示しており、相場が上昇か下落か迷っている状態と考えられます。
【図表2】では十字線を上抜けて、最後に上ヒゲの価格帯も上に突破しています。そこで「上昇ストップを意味する上ヒゲを突破できるほど上昇力が強い相場だ」と判断できるのです。
時間軸を変えると相場の見え方も変わる
ローソク足には、時間軸に応じた種類があります。主なものは下の4種類です。
・日足(ひあし):ローソク1本が1日を表す。
・週足(しゅうあし):ローソク1本1週間を表す。
・月足(つきあし):ローソク1本が1カ月を表す。
・日中足(にっちゅうあし):ローソク1本が1分、5分、60分などを示す。それぞれの時間に応じて「5分足」「時間(60分)足」などと呼ばれます。
実際に同じ銘柄の各種ローソク足を表示したのが【図表3】です。デイトレーダーのように超短期売買を行う人は、タイムスパンの短い日中足を使います。
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ところで、【図表3】を見ると同じ銘柄のチャートでも時間軸を変えれば見え方が異なることに気づきます。【図表3】の場合、日足・週足で見ると下げ真っ盛りで、とても買える段階には見えません。しかし、月足で見ると上昇の流れの中で安い場面が来ているように見えます。
時間軸の短い足の長所は、詳細な値動きがわかること。短所は大きな値動きが見られないことです。時間軸の長い足の長所・短所はその逆になります。相場を判断する場合は、ひとつの時間軸のチャートを見るだけでなく、60分足、日足、週足など、複数の足を見比べて、総合的な売買の判断を下すべきでしょう。
どんなチャート型の銘柄を選ぶべきか?
株価の値動きのパターンは、基本的にはトレンドが出ているか、出ていないか(=もみあい)です。もう少し詳しい値動きのパターンを示したのが【図表4】です。
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画面左上が「上昇トレンド」、画面右上「下降トレンド」は見た目にもトレンド(値動きの方向性)がわかりやすいと思います。上昇トレンドは右肩上がりの波動、下降トレンドは右肩下がりの波動です。
上昇トレンドの場合、前回の高値・安値を今回の高値・安値が切り上げていく特徴があります。現物株で投資を行う場合、一般的にはこのような右肩上がりの銘柄を買った方が儲けが出やすいことになります。
実際に投資する場合「少しでも安く買いたい」という心理が働き、下降トレンドの銘柄が買いたくなるものです。しかし「落ちてきたナイフはつかむな」という相場格言があり、素手で落ちてきたナイフの刃をつかめばケガをするように、下落途中の銘柄を、根拠のない単なる値ごろ感から買うのはとても危険です。買った後も下落し続け、すぐに含み損が出てしまうケースが多いからです。
左下の波動は「もみあい」です。高値・安値の流れを追ってみると、ほぼ同じ価格水準で、上にも下にもトレンドが見られません。同じ価格帯で値動きが推移する相場を「レンジ相場」とか「ボックス相場」とも言います。この後、レンジ相場を上下どちらに抜けるかはわかりません。
こういった相場では、「安値で買って、高値で売ればいい」と思えるかもしれませんが、実際には、高値がレンジを突破した後に、安値がレンジを下抜けるなど、値動きがめちゃくちゃになることもあります。
右下の波動は「三角保合(さんかくもちあい)」と呼ばれるパターンです。高値が切り下がり、安値が切り上がっており、高値同士、安値同士を線で結ぶと、三角形ができあがっています。
この後、株価が上下どちらに抜けるかは、わかりません。しかし、抜けた後は大きく値が動くケースがよく見られます(三角保合から上昇に転じた場合、「三角保合の上放れ(うわっぱなれ)」と言います)。三角保合の場合は、抜けるまで待って抜けた方向につく(上放れた時だけ買う)といった取引方法が考えられます。
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