最下層からの成り上がり投資術!
2017年7月18日 藤井 英敏

トレイダーズホールディングスなど、「イナゴ」が
群がって高騰していたテーマ株が次々に急落!
当面は大型株や業績の裏づけのある堅実な株を狙え!

 7月12日の米下院金融サービス委員会でイエレンFRB議長が行った議会証言をきっかけに、米国で長期金利が低下。外国為替市場でドル安・円高が進み、「強い米株・弱い日本株」という関係が続いています。

 イエレン議長は、「経済が想定通りなら、比較的早く保有資産の縮小を開始する」と表明した一方で、「今後数カ月は物価動向を見極める」とも述べ、追加利上げは慎重に判断するスタンスをみせました。

 この「ハト派」発言を受け、週明け7月17日は5日ぶりに小反落したものの、14日までNYダウは3日連続で過去最高値を更新しました。

■NYダウ/日足・6カ月
NYダウ(ダウ工業株30種平均)/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 また、7月17日のナスダック総合株価指数は、7日続伸しました。米債券市場で金利が低下し、割高感が意識されていたIT関連銘柄に買い安心感が広がっているのです。

■ナスダック総合指数チャート/日足・6カ月
ナスダック総合指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 一方、7月12日のNY外国為替市場では、イエレン議長の議会証言の草稿が公表された直後に、円は1ドル=112円92銭と、6日以来の円高・ドル安水準まで買われました。その後も、ドル安・円高基調が続いています。

 このため、日経平均株価は底堅いものの、上値は重く、冴えない展開を余儀なくされています。

日経平均株価チャート/日足・6カ月
日経平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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安倍内閣の支持率急落も
日経平均株価の上昇を抑える要因のひとつに

 なお、日経平均株価の上値が重い要因は、円高だけはなく、足元の安倍内閣の支持率急落も影響していると考えます。

 ちなみに、一部通信社が7月7~10日に実施した7月の世論調査で、安倍内閣の支持率は前月比15.2ポイント減の29.9%と、2012年12月の第2次安倍政権発足以降、最大の下げ幅で、初めて3割を切りました。不支持率も同14.7ポイント増の48.6%で最高となりました。また、一部報道番組が7月15日と16日に実施した世論調査では、安倍内閣の支持率が同8.7ポイント下落し、29.2%になりました。支持しない人は54.5%で、12.9ポイントの急増です。

 一般的に、海外投資家は政治リスクに敏感といわれています。今後、政局流動化リスクが一段と高まるようなら、海外投資家の日本株売りを警戒する必要があるでしょう。なお、報道によれば、安倍晋三首相は8月3日に予定される内閣改造・党役員人事の調整を本格化させています。この人事刷新で、国民の信頼回復と支持率が回復するかどうかが注目されます。

資金が流れ込んでいたテーマ株があいついで急落
あとに残るのは「イナゴ」の屍のみ

 主力株の上値も重いですが、個人投資家好みのテーマ株の値動きも鈍くなっています。

 例えば、仮想通貨関連の材料株のリミックスポイント(3825)は6月19日の年初来高値1820円から、7月14日終値は1200円と、下落幅620円、下落率34.1%に達しています。また、インフォテリア(3853)も7月6日の年初来高値1745円から、14日終値は1340円と、下落幅405円、下落率23.2%となっています。そして、トレイダーズホールディングス(8704)は、7月10日の年初来高値365円から、14日終値260円と、下落幅105円、下落率28.8%となっています。

 これら3銘柄の下落の主因は、インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」のドル建て相場が、6月上旬に3000ドルの大台を突破して以降、下げ基調が続いているためです。そして、ビットコインの下落基調が続いている背景は、8月1日にビットコインが複数の陣営に分裂する可能性があるためのようです。

 また、低位材料株で火柱高を演じたエス・サイエンス(5721)は7月5日の年初来高値238円から、14日終値152円と、下落幅86円、下落率36.1%となっています。TBグループ(6775)は7月12日の年初来高値105円から、14日終値82円と、下落幅23円、下落率21.9%となっています。そして、パス(3840)は7月12日の年初来高値250円から、14日終値163円と、下落幅87円、下落率34.8%となっています。

 これらテーマ株や低位材料株の急落を受け、「イナゴ」と呼ばれる個人投資家達が作り出した「イナゴタワー(イナゴによる回転売買の結果描かれる、タワーのようなチャート)」が続々と建設され、その後、相次いでこれらイナゴタワーは崩落しました。このため、足元の株式市場では、相当数のイナゴの屍が積み上がったと考えられます。同時に、信用取引を活用し、短期スタンスで回転売買を好むアクティブ個人のマインドの悪化も懸念されます。

 一般的に、テーマ株や低位材料株が火柱高を演じた時に付けた高値は、バリュエーションでは説明がつかない、皆が呆れるような価格です。一部の銘柄を除いて、多くの銘柄は今後、上げ下げを繰り返しながら、ゆっくりと上昇相場の起点を目指し、株価は里帰りする見通しです。

日本株は底堅いと思われるので
当面は材料株ではなく堅実で強い銘柄を

 それはさておき、円高や内閣支持率低下でも、日本株は底堅いと考えます。なぜなら、主力企業の業績は概ね好調な上、日銀のETF買い、企業の自社株買いなどが下値では見込めるからです。このため、大型株を中心に資産運用を行っている多くの個人投資家にとっては、良好な投資環境が続く見通しです。

 一方、小型株に関しては、業績の裏付けのある銘柄や株価が年初来、または上場来高値付近にあって需給が良好な銘柄以外は、弄るべきではないと思います。逆に、業績の裏付けのない銘柄や高値から深押しした需給悪の銘柄に関しては、安易なリバウンド狙いの買いや押し目買いは控えるべきしょう。とにかく、投資で怪我をしたくなければ、強い銘柄だけを弄り続けるというスタンスを貫きましょう。

 それにしても、ひと相場終わった材料株の値動きをみると、「夏草や 兵どもが 夢の跡」という松尾芭蕉が平泉で詠んだ句を思い出さざるを得ません。

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