つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2020年]
2017年10月20日 深野 康彦

つみたてNISAが投資初心者に向いている理由とは?
従来の「NISA」や「iDeCo」と比較してわかった
「つみたてNISA」を上手に活用する方法を紹介!

つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

 2018年1月から、現行の「NISA(少額投資非課税制度)」に加えて、新たに「つみたてNISA(積立NISA)」がスタートします。スタート前ということもあってか、まだまだ「つみたてNISA」の知名度は低いようです。しかし、「つみたてNISA」には、従来の「NISA」にはないメリットや魅力があります。今のうちからしっかり理解を深めておいて、決して損はありません。

 そこで今回は、現行の「NISA」や「ジュニアNISA」、個人型確定拠出年金の「iDeCo」などとの違いに注目しながら、「つみたてNISA」のポイントを投資初心者の方にもわかりやすくお話したいと思います。

「つみたてNISA」は、運用利益がすべて非課税になる
積み立て投資専用の新しい「NISA」の仕組み

 まずは、「つみたてNISA」の概要を説明しましょう。

「つみたてNISA」は、つみたてNISA専用口座で購入した投資信託などの運用利益が全額非課税になるお得な制度です。「つみたてNISA」で1年間に投資できる上限の金額は40万円と少ないですが、運用期間は最長20年間と長く、非課税投資枠の総額は40万円×20年間で800万円になります。「つみたてNISA」という名前のとおり、投資手法は毎月や2ヵ月に一度といった「積み立て」のみが認められています。

 非課税対象となる投資商品は、毎月分配型以外で、さらに後述する一定の条件を満たしていて金融庁に届け出があった投資信託、ETFです。「一定の条件」とは、たとえば購入時手数料はノーロード(0円)で、保有期間中にかかってくる信託報酬はインデックス型投資信託の場合、国内株が投資対象なら0.5%以下、海外の株が投資対象ならは0.75%以下など。アクティブ型投資信託では信託報酬以外に純資産総額や信託期間などにも条件があります。また、対象となる投資信託は、ポートフォリオの中に株式を必ず組み入れている「株式投資信託」に限られています。

 10月13日には、金融庁から最新の「つみたてNISA対象商品届出一覧」が発表されましたが、現時点(2017年10月16日)ではインデックス型投資信託が100本、アクティブ型投資信託14本の計114本の届け出がなされています。アクティブ型投資信託では、信託期間が5年経過後などといった条件もあるため、今後も対象商品はどんどん増えていくと考えられます。

従来のNISAより始めるハードルが低く、
ジュニアNISA、iDeCoよりも「出口」の自由度が高い

 では「つみたてNISA」は、これまでの「NISA」や「ジュニアNISA」、また「iDeCo(個人型確定拠出年金)」とどのような違いがあるでしょうか。

 現行の「NISA」との違いは、まず年間の非課税投資枠と非課税期間です。現行の「NISA」は、非課税枠が年間120万円、投資期間は5年です(ロールオーバーにより最長10年まで延長が可能)。利用できる投資方法は、積み立てでも一括購入でもOK。また投資対象は、株式やETF、リート、投資信託と、つみたてNISAより幅広くなっています。

【※NISA(少額投資非課税制度)の解説はこちら!】
NISA(少額投資非課税生徒)は、いったい何がお得? 投資初心者向けにNISAを使うメリットとデメリット、実際に運用する際の3つの注意すべきポイントも解説!

 一方の「つみたてNISA」では、前述のとおり、非課税投資枠は年間40万円、非課税期間は最長20年です。また、投資信託とETFの中で一定の条件を満たしたものだけが投資対象として認められていて、現段階では114本に限られます。そのため現行の「NISA」より商品を選びやすく、投資初心者にとって始めるときのハードルがかなり低くなっていると言えます。

 なお、現行の「NISA」と「つみたてNISA」を併用することはできません。ただし、1年に一度に限り、「NISA」と「つみたてNISA」の口座を切り替えることは可能です。

 NISAには、ほかにも未成年者を対象にした「ジュニアNISA」制度がありますが、「ジュニアNISA」の場合は18歳までは非課税で払い出しができません。年間の非課税枠や非課税対象商品にも違いはありますが、「払い出し」という面ではいつでも引き出しが可能な「つみたてNISA」のほうが「ジュニアNISA」よりも自由度は高くなっています。

 また、長期にわたってお金を積み立てるという点では、「つみたてNISA」は「iDeCo(個人型確定拠出年金)」と比べられることがよくあります。「iDeCo」には掛金の全額が課税所得から減額されるという税制優遇の仕組みがあるため、節税メリットに関しては、「つみたてNISA」は「iDeCo」にかないません。ただし、「iDeCo」は掛金の拠出が60歳までしかできないため、「拠出」の面では、「つみたてNISA」に軍配が上がります

 ちなみに、現行の「NISA」と「つみたてNISA」は併用できないとご説明しましたが、「つみたてNISA」と「iDeCo」は併用することができます。上記のそれぞれのメリットとデメリットを踏まえたうえで、「つみたてNISA」と「iDeCo」をセットで運用するのも老後の資産を作る1つの方法でしょう。

【※関連記事はこちら!】
iDeCoに入るべき人、入らないほうがいい人は? 積極的にiDeCoを利用すると得をする3つのタイプと、iDeCoに入らないほうがいい4つのケースを紹介!

NISAは中長期の資産形成には使われていなかった!?
「つみたてNISA」誕生の背景をチェック!

 「つみたてNISA」の概要をおさえたところで、すでに「NISA」という制度があるのに、なぜ新たに「つみたてNISA」を導入するに至ったのか、疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、「つみたてNISA」導入までの歴史を少し振り返ることで、「つみたてNISA」に求められている役割を把握しておきたいと思います。

 まず前提として押さえておきたいのは、2013年12月までは株式や株式投資信託などの運用利益にかかる税金は、10%の軽減税率が適用されていたということです。しかし、2014年以降は税率が20%(+復興特別所得税)の本則に戻ることになり、その「激変緩和措置」として少額投資非課税制度の導入が検討されたと言われています。

 実際の制度づくりにあたっては、英国のISA制度を参考に中長期での資産形成を促していくという目的も持たせました。そして2014年1月から「NISA」がスタートしたわけですが、フタを開けてみると積み立てで時間分散して資産を作っていこうとする人より、ある程度まとまったお金で株や株式投資信託などを売買する60代以上の利用者が大半を占めました。

 実際に「積み立て」という投資手法を利用しているのは、現行の「NISA」では全体のわずか5.5%。また、「NISA」がスタートして来年やっと5年目を迎えますが、NISA口座全体における金融商品の累計購入額約6兆円に対し、累計売却額が約2兆円ということから、将来の中長期的な資産形成というよりも、短期の資産形成が「NISA」を活用する目的になってしまっていることが見て取れます(「NISA口座開設・利用状況調査結果(平成28年12月31日時点)」日本証券業協会調べ)。

 これらの調査結果から現行の「NISA」が、金融庁が当初想定していたのとは異なる年齢層、利用方法になっているということがわかり、「もっと将来の資産形成のために使いやすい制度を」と検討されて、新たに「つみたてNISA」が導入されるに至ったというわけなのです。

少額から積み立てられて、最長20年間も利益が非課税に!
初心者にも始めやすいことも大きなメリット!

 ここまで見てきたように、「つみたてNISA」は年間40万円を上限に、最長20年間の運用が可能で、その間の運用益がすべて非課税になるお得な制度です。ポイントを簡単にまとめると、以下のようになります。

【つみたてNISAのポイント】
(1)運用益が全額非課税になる
(2)1年間の非課税枠は40万円(1カ月あたり約3万3333円が上限)
(3)非課税になる最長期間は20年(NISAは最長5年)
(4)投資対象は一定の条件にあった株式投資信託とETF
(5)投資方法は定期的な「積み立て」のみ
(6)資金は自由にいつでも引き出せる

 「つみたてNISA」の活用法としては、節税メリットを得ながら老後資金を作る「iDeCo」を補完するような形ではじめる方法が考えられます。たとえば「iDeCo」では定年後の資金を運用して作りつつ、「つみたてNISA」では、いつでも制限なく自由に資金を引き出せることから、若い頃にある程度運用したところで、子どもの教育資金などに充当するといった使い方も可能です。

 「NISA」も同様ですが、投資信託の積み立ては、金融機関によっては毎月100円、500円、1000円といった少額からはじめられます。加えて、すでに説明したように、「つみたてNISA」は対象商品が信託報酬のコスト面などで長期運用に向いた投資信託があらかじめ選ばれているので、投資初心者が始めやすい制度になっていることが大きなポイントと言えるでしょう。

【※関連記事はこちら!】
つみたてNISA(積立NISA)を始めるなら、おすすめの証券会社はココだ!手数料や投資信託の取扱数などで比較した「つみたてNISA」のおすすめ証券会社とは?

 今回は、「つみたてNISA」制度の重要なポイントを簡単にご紹介しました。次回からは、「つみたてNISA」のメリット・デメリットをはじめ、活用方法や向く人・向かない人、また金融機関や具体的な商品の選び方、現行NISA口座とどちらを選ぶべきかなど、「つみたてNISA」をはじめたい方に役立つ情報を、順を追って詳しく説明していきます。

【※つみたてNISAのメリット・デメリットを解説!】
「つみたてNISA」のメリット、デメリットを解説!対象商品が厳選されて投資初心者も始めやすい一方、年間の投資限度額が少ないなどデメリットに要注意!

(構成:肥後紀子)

深野康彦(ふかの・やすひこ)[ファイナンシャルプランナー]
ファイナンシャルリサーチ代表。AFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。クレジット会社勤務を3年間経て1989年4月に独立系FP会社に入社。1996年1月に独立し、現職。あらゆるマネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。主な著書に『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない』『ジュニアNISA入門』(ダイヤモンド社)など多数。