つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2019年]
2018年3月16日 深野 康彦

つみたてNISAでおすすめの「バランス型投信」を
紹介! 分散投資が目的のバランス型投信を選ぶなら
国内外の株式と債券に投資する「4指数」で十分!

つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

 今回は、前回に続いて「つみたてNISA」でどんな商品を選べばよいのか、選び方のポイントと具体的な商品を紹介します。

 前回は「インデックス型投資信託」を取り上げましたが、今回は指数に連動する複数の商品を組み合わせた「バランス型投資信託」と、独自の運用方針に基づいてファンドマネジャーが運用する「アクティブ型投資信託」について見ていきましょう。

【※「インデックス型投資信託」の選び方はこちら!】
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「バランス型投資信託」は、株式の比率や
分散効果の高い組み合わせに注目して選ぶのが基本

「バランス型投資信託」を選ぶポイントとは?「つみたてNISA」で「バランス型投資信託」を選ぶ際のポイントとは?

 バランス型投資信託とは、一つの資産だけではなく、「株式」と「債券」、「株式」と「債券」と「リート」、国内と海外の「株式」と「債券」などのように、複数の資産や地域に分散して運用する投資信託のことです。

 「つみたてNISA」でバランス型投資信託を選ぶメリットは、1本でさまざまな資産に分散投資できるところにあります。別の言い方をすると、バランス型を除くと「つみたてNISA」では株式に100%投資する商品しか選べません。

 では、「つみたてNISA」のバランス型投資信託では、どのような商品を選ぶのがよいでしょうか。

 検討する際にまず押さえておきたいのは、「株式の組み入れ比率によって基準価額のブレが変わってくる」ということです。資産全体の中での株式の割合が高ければ高いほど、高いリターンが狙える反面、リスクも高くなります。そのため、積極的な運用をするなら株式の比率が高いもの、保守的な運用を重視するなら株式の比率が低いものを選ぶことが基本です。

 また、もう一つのポイントは、「分散効果の高い組み合わせになっているか」ということです。資産の分散効果は、「相関係数」という指標で見ることができます。相関係数とは、「1」から「-1」の範囲に値をとり、「1」に近いほど相関が高く、「0」なら無関係、「-1」に近いほど逆相関にあることを示すものです。一般的に「株式」と「債券」はマイナスの相関、つまり株価が下落するときには債券は上昇するので、資産の分散効果が期待できます。

 一方、「株式」と「リート」は近年、連動性が高くなることが多く、相関係数で言うと1に近くなる傾向があります。そのため、「株式」と「リート」の2資産に分散投資しても、お互いに価格変動を抑える効果は期待できません。分散効果を高めるという意味では、「株式」+「リート」といった組み合わせのバランス型投資信託を持つ理由はあまりないと言えるでしょう。

国内と先進国の「株式」と「債券」の4資産に
分散投資するバランス型を選べば十分!

 「つみたてNISA」では、2月2日時点で56本のバランス型投資信託が対象になっています。金融庁の分類によると、内訳は次の通りです。

●国内型
 ・2指数…1本
 ・3指数…2本

●海外型
 ・2指数…1本
 ・3指数…1本
 ・4指数…16本
 ・5指数…2本
 ・6指数…8本
 ・7指数…2本
 ・8指数…23本

 一口に「バランス型」と言っても、さまざまな商品があることがわかります。たとえば、1本だけある「国内型・2指数」は、国内の「株式」と「リート」に投資する商品です。また、「海外型・3指数」は国内・先進国・新興国と地域は分散していますが、すべて「株式」に投資する商品です。

 23本とバランス型投資信託の中でいちばん多い「海外型・8指数」の場合は、国内と先進国の「株式」と「債券」と「リート」、そして新興国の「株式」と「債券」に投資する商品ですが、商品によってそれぞれの資産の割合などに違いがあります。

 ではこの中で、いくつの資産に分散投資しているバランス型投資信託を選ぶのがよいのでしょうか。私は国内と海外の「株式」「債券」の4資産に投資する商品で十分だと考えています。具体的には、「DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型)」や「eMAXISバランス(4資産均等型)」などが挙げられます。

 もしくは、「SMT 世界経済インデックス・オープン」のように、海外を先進国と新興国に分けた6資産に投資する商品を選んでもよいでしょう。前述のとおり、「株式」と「リート」は値動きが近いため、わざわざ「リート」まで組み入れた商品を選ぶ必要はないと考えます。

 また、金融庁の「つみたてNISA」対象商品の分類ではインデックス型投資信託のバランス型には含まれていませんが(「指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)」となっています)、セゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」も、バランス型投資信託として悪くはない商品だと考えます。世界の「株式」と「債券」に50%ずつ投資する商品ですが、「株式」で採用している指数を見ると、他の商品と比べてかなり幅広い銘柄に分散投資されている点が評価できるからです。

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年齢に合わせてリスクを低減する「ターゲットイヤー型」は
相場状況をまったく考慮しない点に注意が必要

 ところで、「つみたてNISA」の対象になっているバランス型投資信託の中には、数は少ないですが、「ターゲットイヤー型」の商品もあります。ターゲットイヤー型は、「年齢に合わせてリスクを低減していく」という特徴のある商品です。

 たとえば、4資産に分散投資する三井住友アセットマネジメントの「三井住友・DCターゲットイヤーファンド2045(4資産タイプ)」であれば、ターゲットイヤーである2045年に向けて、徐々に組み入れるリスク資産を減らしていき、2045年以降はリスク資産をゼロにして短期金融資産などだけでの安定運用期間に入ります。

 年齢が上がるにつれてリスクを減らしていくという考え方は、ある意味、教科書どおりで悪くはありません。ただし、注意しなくてはならないのは、ターゲットイヤー型では「年齢」は考慮しても「相場状況」は考慮されないということです。アベノミクスのような大きな上昇相場のときに、ターゲットイヤー型しか保有していないと相場の上昇を取り損ねてしまいます。

 そのため、ターゲットイヤー型で運用したいという場合には、そうした特性をよく理解して、チャンスが来たときには別の商品で利益を取っていくことを考える必要があるでしょう。

運用成績では「ひふみ」が注目できるものの、
「つみたてNISA」であえてアクティブ型を買う必要はナシ

 「つみたてNISA」の対象商品は、圧倒的にインデックス型投資信託の数が多く、それ以外の「アクティブ型投資信託等」と分類されている商品は15本に過ぎません。内訳は次の通りです。

●国内型
・株式を運用…6本
・株式及び公社債を運用…1本
●海外型
・株式を運用…2本
・株式及び公社債を運用…4本
・株式及びリートを運用…1本
・株式、公社債、リートを運用…1本

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 アクティブ型投資信託の中で非常に人気が高いのが、レオス・キャピタルワークスの「ひふみ投信」と「ひふみプラス」です。どちらもファミリーファンド方式で、同じマザーファンドを通じて運用されています。足元のパフォーマンスがよいことから、「つみたてNISA」でアクティブ型投資信託を買うなら「ひふみ投信」か「ひふみプラス」を検討している人も少なくないはずです。

 私も、運用成績から考えると多くの人が「ひふみ」を選ぶのは当然だろうとは思います。ただ、一方で「ひふみ」には注意すべき点もあると考えています。それは、人気化したことで、ここ1~2年で急激に純資産残高が増えているということです。今後さらに規模が大きくなっていっても、今まで通りのパフォーマンスを継続できるのかという懸念があります。

 「ひふみ」が買っている銘柄には中小型の銘柄も多く、相場が大きく崩れたときなどにどんなことが起こるのか、ある程度、株価が上昇した後でうまく売っていけるのか、いろいろ考えると注目はするものの、現状では「おすすめする」とまでは言えません

 かといって、それ以外のアクティブ型投資信託で特におすすめする商品も見当たりません。インデックス型投資信託に比べて相対的に信託報酬も高いため、長期の資産形成を考えたときに「つみたてNISA」であえてアクティブ型投資信託を選ぶことはない、というのが私の現状の結論です。

 さて、前回から2回にわたって「つみたてNISA」での商品選びのポイントを解説してきました。とりあえず人気の高い投資信託に投資していこうと考える方が多いのは当然だと思いますが、「つみたてNISA」は20年という長期での資産形成を前提とした制度です。前回と今回で紹介した点を踏まえた上で、コストや商品特性に着目して、ぜひ自分にあった商品で「つみたてNISA」での運用を始めてください。

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(構成:肥後紀子)

深野康彦(ふかの・やすひこ)[ファイナンシャルプランナー]
ファイナンシャルリサーチ代表。AFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。クレジット会社勤務を3年間経て1989年4月に独立系FP会社に入社。1996年1月に独立し、現職。あらゆるマネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。主な著書に『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない』『ジュニアNISA入門』(ダイヤモンド社)など多数。