ザイスポ!
【第46回】 2012年8月8日 ザイ・オンライン編集部

60代以上が狙われる「未公開株詐欺」に気をつけろ!
被害金額が1億円を超えることも

 もうすぐお盆。20代から50代の方は実家に帰省したら、両親に次のような電話がかかってきたかを聞いてほしい。また、60代以上の方は最近このような電話がなかったかを思い出してほしい。

1.「上場確実な株があります。元本も保証。必ず儲かります」
2.「株式(社債)を買い取ります。買い取りにはあと○株必要なので買い増しをしてください」
3.「必ず被害を回復するので△△社の株式(社債)を買ってください」
4.「金融庁(その他の公的機関名)の者ですが……」

 この4つは「未公開株詐欺」勧誘の常套文句だ。

オレオレ詐欺とは比較にならない被害額の場合も(日本証券業協会のキャンペーンパンフレット)

 「未公開株」とは文字通り公開していない、取引所に上場していない株式のこと。保有者は創業者やその関係者などごく少数に限られている。その後、取引所に上場すると株価が上昇することが多い。

 そのため、ある人は会社を設立して上場で「創業者利益」を得ることを目指し、個人投資家は上場後の値上がりを期待してIPOに申し込むのだ。

 しかしながら会社を設立し上場させることは至難の業であり、IPO時の配分で大量の株式を入手することも難しい。つまり、カンタンに上場益を得ることはできないのである。

 そんな上場前の未公開株が「カンタンに手に入りますよ」と勧誘し、お金を振り込ませるのが「未公開株詐欺」である。

 上場前の有望な株を手に入れることができれば儲かるのは当たり前。この世の中、そんなに旨い話があるワケないのだが、なぜか多くの人が騙されているのが現状だ。

「損を取り返してあげます」って…そんなワケがない! 

 では実際、どのような手口なのだろうか? 「5つのパターンに分類できます」と教えてくれたのは日本証券業協会の風間圭輔さん。

◎事例1
「買い取りしますよ」型
ある業者からA社の未公開株の買い取りを勧誘される。数日後、別の業者の人間から「A社の株を持っていたら買い取りをしたい」と連絡があったためA社の株を購入。その後買い取りをしてもらおうと電話してもつながらないというパターン。複数の業者が登場するのが特徴。 

「必ず儲かる」なんてこの世の中にはありません(日本証券業協会パンフレット)

◎事例2
「公的機関の職員」型
ある業者からA社の未公開株の購入を勧誘される。断ったところ、後日、金融庁の職員を名乗る者から「最近未公開株の詐欺が多発しているので注意してください」と電話があり、先日勧誘があった旨を話すと「A社は上場予定だし大丈夫ですよ」と聞き、それを信じてA社の未公開株を買ってしまい騙されるというパターン。

◎事例3
「代わりに購入して」型
ある業者から「A社は大変有望だが、特定の人しか購入できない。こちらから1000万円振り込むので750万円分だけを購入してほしい。立て替えただけで250万円の利益になります」と言われ、750万円分の未公開株を購入したところ「立て替えなんて知らない」とシラを切られるパターン。

◎事例4
「被害を取り返してあげるから」型
かつて未公開株を購入した人に別の業者から「未公開株を持っていたら、被害を回復してあげますよ」と電話があり、「その株を買い取りますので、代わりに別の会社の株を買ってください」と言われ代金を振り込んだものの、最初の未公開株の買い取り代金は振り込まれないというパターン。

◎事例5
「解決金を振り込んで」型
かつて未公開株を購入した人に「株の代金を取り返しましょう」と電話があり、「ぜひお願いします!」と言ったところ、「解決金が必要になるので、とりあえず解決金を振り込んでくれれば、後日に株の代金を全額お持ちします」と言われ、解決金を振り込んだ後にそのまま連絡が取れなくなってしまうというパターン。

 「株だけではなく社債というパターンも多く、最近では事例4や5のように、かつて未公開株等を購入したことがある方をねらって、複数の業者が執拗に勧誘するケース、「買取・被害回復」をうたってだますケースが非常に増えています。一度被害に遭われてしまった方はさらなる注意が必要です」(風間さん)