【日本株】高配当株選びで重要な「3つの新常識」を、配当投資家2人が伝授!
発売中のダイヤモンド・ザイ4月号の大特集は「10年に一度の”買い”チャンス! 最強の【高配当株】」! このところ配当による株主還元に力を入れる企業が増加し、日本株市場では利回り5%超の高配当株の数が、過去最高水準に! そこで、この大特集では、なかでも注目すべき高配当株を、アナリストや高配当株好きの個人投資家に聞いている。
今回はこの大特集から、配当投資家の配当鳥さんと、名古屋の長期投資家(なごちょう)さんに聞いた「高配当株の3つの新常識」を紹介!
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配当投資家が伝授する新常識①「高配当株は”稼げる投資対象”」
短期で利益を増やすことも、長期でコツコツ資産増も狙える!
日本株市場では、かつてないほど高配当株が”豊作”だ。配当利回り5%超の銘柄も珍しくなく、選択の幅が広がっている。とはいえ、当然のことながら、やみくもに銘柄を選ぶのは禁物。
そこで、ここからは高配当株投資をメインで手掛け、”億り人”になった個人投資家の配当鳥さんと、名古屋の長期投資家(なごちょう)さんに、高配当株投資で成功するために押さえておきたい”3つの新常識”を聞いた。
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一つ目の新常識は「高配当株は”稼げる投資対象”」だというもの。
高配当株というと、稼げるというよりは「安定した投資対象」というイメージが強いのではないだろうか。しかし、高配当株をメインで取引している配当鳥さんの資産は、なんと5億円にも達している。
配当鳥さんは、2015年までに不動産投資で1億円超の資産を築き、そこから高配当株投資にシフトして、さらに大きく資産を増やした。不動産のほうが儲かりそうだというイメージを持つ人も多いかもしれないが、配当鳥さんは「不動産投資より株のほうが儲かります」と明言する。
「不動産投資では安定的な家賃収入が得られますが、転売を頻繁に行うことはできません。一方、高配当株なら家賃と同じように配当という継続収入が得られるうえ、売買が容易です。そのため、より配当がもらえて、より増配しそうで、より株価が上がる銘柄へ、次々に乗り換えることができます」(配当鳥さん)
短期間で資産を大きく増やした配当鳥さんが「動」の投資スタイルだとすると、なごちょうさんは「静」の投資スタイルだ。
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なごちょうさんは229もの銘柄に分散投資をしており、なかには10年以上にわたって長期保有する銘柄も多数ある。配当鳥さんのように頻繁に売買していないにもかかわらず、金融資産は1億2000万円に到達。これは、守りを重視しつつも、27年かけてコツコツ投資を続けた賜物だ。
「配当株のいいところは、続けやすいことです。成長株に集中投資すれば、短期間で一気に稼げる可能性もありますが、一方で金銭的損失、メンタル面のダメージで株式投資をやめてしまう人も少なくありません」(なごちょうさん)
「動」の投資スタイルは比較的短期間で、「静」の投資スタイルは時間をかけて資産を増やすことを目指す。どちらのスタイルでも、銘柄選びさえ失敗しなければ、高配当株は”稼げる投資対象”であることを、二人が証明しているのは事実だ。
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配当投資家が伝授する新常識②「高利回り銘柄に飛びついてはダメ!」
業績や配当性向を見て、将来的に減配しそうな株は避ける!
続いて、二人が挙げる二つ目の新常識は「”高利回り”銘柄に飛びついてはダメ!」というもの。
「20年前は配当利回り2%でも高配当と言われていたので、今のように利回り4~5%以上の銘柄がゴロゴロある状況は驚きです」と、なごちょうさんは話す。それだけに、配当利回りに目が行きがちだが、なごちょうさんと配当鳥さんは、揃って「高い配当利回りだけを見て買うのはダメ」と指摘。高配当株のなかには、業績悪化見通しなどで株価が下がり、配当利回りが高くなっている銘柄もあるからだ。
また、なごちょうさんは「配当性向が高すぎる銘柄も避けたい」とコメント。配当性向とは、当期利益のうち配当に使われる割合のことで、高ければ株主還元に積極的ともとれるが、なごちょうさんは次のように指摘する。
「事業にお金を使って成長しつつ、配当も出すことが大事。配当性向30%前後が適正だと思います。40%以上なら、自己資本比率は50%以上あり、財務に余裕があることが条件です」(なごちょうさん)
配当鳥さんは「高配当でも、業績にバラつきのある企業は危険」と語る。そのような銘柄は、たとえ直近の業績がよくても、業績悪化で将来的に減配に陥る可能性が高い。
「淡々と売上や利益を伸ばしている企業が理想です。ただ、過去に減益でも減配しなかった企業なら、検討に入れます。一時的な不振で、来期に業績を戻せそうかどうかチェックします」(配当鳥さん)
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配当投資家が伝授する新常識③「買うなら”割安な銘柄”」
ほかの投資家に注目される人気銘柄だけがすべてではない!
配当鳥さん、なごちょうさんが挙げる三つ目の新常識は「買うなら”割安な銘柄”」というもの。
高配当株を探すとき、割安かどうかという視点を持たない人も多そうだが、配当鳥さんとなごちょうさんは、その銘柄の割安感を重視するという。
配当鳥さんは「みんなが飛びつくものには飛びつかない。常に逆バリ」と自らの投資スタイルを評する。「3年後に株価がどこまで上がるか、今後3年間でいくら配当がもらえるかを予測し、そこから逆算して割安な銘柄に投資します。といっても、実際に3年持ち続けるわけではなく、より割安な銘柄があれば、迷わず乗り換えていきます」(配当鳥さん)
業績や事業規模に対し、割安になりがちな業種といえば、銀行株が挙げられるだろう。昨年末、日銀の実質的な利上げによって、銀行株の株価が軒並み上昇したのは記憶に新しいが、コロナ・ショック以降は長らく株価が低迷し、割安な状態が続いていた。
「そういう『いつか株価が噴き上がるかもしれない』という割安株も、高配当なら配当を受け取りつつ、市場の評価が戻るまで持ち続けられます」(配当鳥さん)
なごちょうさんも「今後どれだけ配当を上げる余地があるかが重要」と語る。そういった銘柄を割り出すため、定期的なスクリーニングで割安銘柄を探し出すという。その条件は以下のとおりだ。
【なごちょうさんのスクリーニング条件】
・PER10倍以下
・PBR1倍以下
・売上高営業利益率10%以上
・自己資本比率60%以上
・配当利回り3%以上
これらの条件で抽出した保有銘柄には、一般的には知名度の低い「地味」な企業も多い。名古屋証券取引所など、地方市場に単独上場する銘柄も多数ある。「IR活動に消極的な企業も多いのですが、そのぶん株価が割安なことも多いです」(なごちょうさん)
情報が少ない企業でも、決算書を読み込み、株主総会や「名証IRエキスポ」などのIRイベントにも足を運ぶ。買う前はもちろん、買ってからの調査も怠らない。
「簿記3級レベルでいいので、会計の知識は必須です。株に投資する以上、暴落を避けるのは難しいですが、厳しい相場を乗り越えて配当を出し続けてくれる企業かどうか見極めることはできます」(なごちょうさん)
ひと口に高配当株といっても千差万別。2人の配当投資家が教えてくれた「3つの常識」を踏まえて、勝てる高配当株を見つけ出そう!
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