相変わらず、日米株式市場共に冴えない相場が続いています。
4月2日のNYダウは、3連休前の3月29日の終値比458.92ドル安の2万3644.19ドル、ナスダック総合株価指数は同193.326ポイント安の6870.119ポイントでした。
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トランプ米大統領がツイッター上で、配達料金や税金を巡ってアマゾンを強く批判していることでアマゾン株が下落しています。また、個人情報の不正流用が問題となったフェイスブックのザッカーバーグCOEが、今月中旬に個人情報の管理などを巡り議会証言を行う予定です。このため、政府による規制強化・介入により、アマゾン、フェイスブックなどのIT関連企業の成長鈍化懸念が強まっているのです。
さらに、中国が4月1日、米国産の豚肉やワインなど計128品目に最大25%の関税を上乗せすると発表し、2日から実施しました。これは、米国が通商拡大法232条に基づき、中国産を含む鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限したことへの対抗措置です。
米国は、4月上旬に301条に基づく制裁対象となる約1300品目を公表する見通しで、これに対しても、中国は第2、第3の対抗措置を準備しているとされています。このため、市場では米中貿易摩擦の激化懸念が燻り続けています。
昨日の日経平均株価は、
新年度入りした相場としては「お寒い状況」
このような状況を受け、4月3日の大阪ナイトセッションの日経平均先物6月物は、前日比390円安の2万1040円でした。一時2万0920円まで下落する場面がありました。
ちなみに、4月2日の日経平均株価は、前週末比65.72円安の21388.58円と、3日ぶりに反落しました。小幅安でしたが、引け味は非常に悪かったです。なぜなら、一時2万1597.47円まで買われたのに、大引けにかけ失速し安値引けだったからです。
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さらに、東証1部の売買代金は1兆6740億円と今年最低という「おまけ付き」でした。3月30日の米国が聖金曜日の祝日だったことで海外勢の動きが鈍かったことが主因とはいえ、名実共に新年度入りした相場としては「お寒い状況」でした。
また、テクニカル的には25日移動平均線(4月2日現在2万1492.23円)が強力な抵抗として強く意識されていました。
確かに、日経平均株価は、3月26日の2万0347.49円を目先底にして、4月2日に2万1597.47円まで戻る場面がありました。
しかしながら、その高値を付けた2日に、対面営業の証券マンや投資顧問の知り合いなど市場関係者にヒアリングしてみたところ、「個人信用客や投資顧問の客のうち積極的に売買する人はほぼ全員、満身創痍で余力無く、手の内もマインドもボロボロ」だということでした。日経平均株価だけ強くても、体感温度は非常に低いというのが実感でした。配当の再投資で指数だけが押し上げられただけだったのでしょう。
企業側の想定レート以上に進む円高が
業績の下ブレ要因に
ところで、4月2日発表の日銀短観3月調査では、大企業・製造業による2018年度の収益計画の前提とする想定為替レートが1ドル=109円66銭と、昨年12月調査時点での2017年度下半期と同じ水準でした。
しかしながら、足元のドル/円相場は、3月23日には一時1ドル=104円台と1年4カ月ぶりの高値を付け、その後も105円台〜106円台の円高水準で推移しています。これは業績下振れ要因です。
この下振れリスクは、ある程度は相場に織り込み済みと考えています。しかしながら、企業側の想定レートと、実際の為替相場の乖離状態が長期化するようだと、「主力の輸出企業の更なる業績下振れ⇒日経平均株価のバリュエーション低下」につながるため、要注意です。
日経平均株価では、
13週移動平均線と26週移動平均線がデッドクロスを形成!
日経平均株価については、前回当コラムで述べましたが、テクニカル的には、戻り限界は25日移動平均線を想定しています。その理由は、3月23日の急落で日経平均株価が、「上値切り下げ型の三角保ち合い(ディセンディング・トライアングル)」を下放れしたからです。
これにより、押しは相当深く、また、調整期間も相当なものになる可能性が高いと考えています。
さらに、4月2日時点の13週移動平均線(2日現在2万2067.08円)と26週移動平均線(同2万2277.97円)とがデッドクロスしました。もちろん、週足ですので、確定するのは6日ですが、リアルタイムベースではデッドクロスです。13週移動平均線と26週移動平均線とのデッドクロスが確定すれば、2016年9月16日以来のことです。
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将来の売り予約である「信用買い残」が
一段と積み上がった状態に
こんな状況なのに、信用買い残が一段と積み上がっています。3月23日時点の信用買い残高は、前週比735億円増の3兆6759億円と、2週連続で増加しました。これは2007年9月以来、10年半ぶりの高水準です。
一方、3月23日時点の信用評価損益率は、マイナス11.66%と、前週から3.10ポイント低下し、2017年4月のマイナス11.69%以来、約11カ月ぶりの低い水準となっています。
将来の売り予約である信用買い残が積み上がり、足元で評価損益率が悪化しています。つまり、借金して、身の丈以上の投資をしている、多くの個人投資家が苦しんでいる状況です。
冷静に考えれば、今後最も起こり得るシナリオは、彼らの多くが追証を迫られ、買建玉及び代用有価証券を「ぶん投げ」させられ、「セリングクライマックス」が発生し、相場が底を入れるというものです。まあ、そこまでドラスティックな急落がなくても、売り予約がここまで溜まってしまった以上、買い残の整理がある程度つくまでは、需給がスッキリすることはなさそうです。
調整が長引く日本市場。
特に夏枯れの8月には注意!
これまでは、4月の主力企業のガイダンスが出揃えば、当面の悪材料が出尽くして日経平均株価は反発に転じるとみていました。しかしながら、信用買い残の多さを改めて考慮すると、信用期日が到来する7月〜9月くらいまで調整が長引くリスクが高まってしまったように感じます。特に、夏枯れの8月が怖いと思っています。
個別では、1月〜3月に高値を付け、信用買い残を積み上げた銘柄は触ってはなりません。この手の銘柄の安易な押し目買いは、「落ちてくるナイフを掴む」ようなものですから。弄るなら、「高値を更新中の強い銘柄」、「信用需給の良好な銘柄」だけにしましょう。
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