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2022年の「中国経済」の見通しを専門家が解説!“恒大ショック”を乗り越えて、2022年の「北京五輪」や「共産党大会」に向けて“底打ちして回復過程に入る”段階へ!

2021年12月24日公開(2022年3月29日更新)
ザイ編集部
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中国経済の2022年の見通しを専門家が解説! 中国経済は2021年・秋に底を打ち、「北京五輪」や「共産党大会」に向けて回復の兆し!

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中国の景気は底打ちしつつあり、今後は回復が見込める!
「恒大ショック」の原因となった「不動産融資規制」も解消へ

 2021年・秋の「恒大ショック」を発端として、中国経済の先行きに懸念が持たれている。今後、中国経済は回復するのか、それとも停滞するのか? 中国経済に詳しいフィデリティ投信の重見吉徳さんは、中国の現状について「景気は底打ちしつつあり、これから回復過程に入る状態」と分析する。

 実際、中国の「企業景況感指数」の動きを見ると、2021年11月に改善・悪化の分岐点となる「50」を上回ってきている(下図参照)。

 そもそも2021年の後半、中国の輸出は好調を維持していた。それなのに、どうして中国の景気は後退していたのだろうか。そこには、習近平政権の以下の4つの政策が影響しているという。

①不動産市場抑制のため融資の規制
②原材料価格の上昇を受けた価格転嫁の制限
③「共同富裕(格差是正)」に伴う塾の非営利化などの規制強化
④環境規制や北京五輪に向けて工場などの操業制限

 これらの政策によって企業の萎縮や、投資・生産の縮小を招き、中国の景気は後退してしまったのだが、今後は状況が変わっていく見通しとのこと。

 まず、「恒大ショック」の元凶となった①の不動産バブル潰しについてだが、重見さんは「中国政府は、徹底的なバブル退治は避けるでしょう」と分析する。「不動産価格の下落を容認すると、日本型のデフレ不況に陥ります。不動産価格を下げず、教育の強化で所得を引き上げようとするのが共同富裕の背景。実際、すでに当局は資金供給の増加や、不動産融資規制の緩和を行っています」

 ④についても、北京五輪が終われば工場の操業が回復し、生産の回復が見込まれる。さらに、2022年には、北京五輪に加えて中国共産党の党大会が開催されることも忘れてはならない。中国共産党の党大会は5年に一度開催されるもので、次回の開催は2022年秋に予定されている。通例だと、政府は党大会に向けて景気やムードを良くすることを試みる。よって、五輪の熱をそのままに、上げ潮ムードになることが期待されるのだ。

中国政府による自国企業への介入は今後も続く!
他国との対立は続く見通しだが、経済的な結びつきは揺るがない

 もっとも一部の政策を転換したからといって、高成長が確約されるわけではない。「コロナの問題があるうえに、物価高騰などの懸念材料がすべて払拭されたわけでもありません。それに、民間企業に対する政府の縛りも強まっているので、注意が必要です」(重見さん)

 たとえば、アリババのように情報を扱う企業に対しては、より政府の介入が増え、経営の自由度が狭まることが予想される。その一方、電気自動車や太陽光パネルのような、中国優位の有望な民生品メーカーは、政府のサポートを受けて一段と成長していくだろう。

 ただし、中国の有望企業の株を米国市場で買う機会は減りそうだ。最近、配車サービスの滴滴(ディディ)が、米国市場から香港市場へ「移籍」させられた事件があったように、中国政府は自国企業を中国や香港市場へ上場させ、監視下に置こうとすると見られている。

 五輪の外交的ボイコットにまで発展した米中対立については「収まることはないし、蜜月だった欧州諸国も注文をつけるようになった。ただし、経済面では互いの依存関係があまりに強く、その関係は当面は不変」(重見さん)

 2022年も、中国の不動産バブル崩壊や米中対立のニュースは定期的に出ると予想されるが、こうした背景があることをきちんと理解し、いちいち動揺しないようにしたい。
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