最下層からの成り上がり投資術!

今の株式市場は不透明要因が盛りだくさん。
好業績の内需株やキャッシュリッチ株を
買ってもよいが、いまは無理する必要はない

【第199回】 2016年2月9日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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 日銀祭りは一瞬で終わりました。日経平均株価はゼロ金利導入を好感し、1日に1万7905.37円の戻り高値を付けました。そして、失速。9日前引けは1万6168.21円です。

日経平均株価チャート(日足・6カ月)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

 このような状況下、9日の債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは初めてマイナス圏まで低下しました。一時、マイナス0.005%まで低下しました。ちなみに、ゼロ金利導入前日の1月28日の日経平均株価の終値が1万7041.45円です。この水準も大幅に下回っています。テクニカル上の下値メドは1月21日の1万6017.26円です。また、日経平均株価先物3月物が同日のナイトセッションで付けた1万5780円も下値メドとして意識されるでしょう。

 市場関係者へのヒアリングベースでは、5日段階で徐々に追証が発生し始めており、予備軍は相当数存在するということです。8日は、なんの好材料が見当たらない中で上げた日経平均株価でしたが、翌9日前場の日経平均株価は欧米株安と急激な円高を受け撃沈です。おそらく今後、相場が下げる過程で追証絡みの投げ売りが出てくる見通しです。そして、追証発生件数がピークアウトして初めて、底入れが果たされるのでしょう。

市場を取り巻く外部要因の悪材料は3つ
「原油安」「米国の利上げピッチ」「欧州金融システム」

 現在、市場を取り巻く悪材料は複数存在します。主要なものは、大きく3つとみています。原油安、米国の利上げピッチ、そして、欧州金融システムです。市場が望む形は、原油安の歯止めが掛かり、米連邦準備理事会(FRB)が当面の間は追加利上げに動かないとアナウンスすること、そして、ドイツ銀行を中心に欧州の大手金融機関の株価が下げ止まることです。これらが実現すれば、世界的な株安に歯止めが掛かり、安全通貨の「円」を買う動きも止まるでしょう。

 原油安に関しては、主要産油国が生産調整で合意しない限り、現状のトレンドが続きそうです。需要サイドの盛り上がりは期待しにくいため、供給サイドが減産しないと価格の上昇は望み薄です。

 米国の利上げピッチに関しては、10、11日のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言に要注目です。3月の利上げを完全に否定するか否かです。ここで、否定してくれないと、投資家はリスクオンになれそうもありません。仮に、追加利上げに対して慎重な「ハト派」的な証言内容だったとしても、3月利上げのリスクを完全に排除できないと、厳しいでしょう。

 欧州金融システムに関しては、ドイツ銀行を中心に、原油安を受けエネルギー関連企業の不良債権が膨らむとの懸念が広がったことに加え、欧州中央銀行(ECB)が実施したマイナス金利の銀行の収益圧迫懸念が強まっています。そして、8日には、ドイツ銀が中核的自己資本(ティア1)を補強するために過去に発行した債券の利払いに懸念が広がった結果、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場でドイツの大手銀行の保証料率(プレミアム)が上昇しました。ドイツ銀行に関しては、1月20日、2015年通年決算の純損益が67億ユーロの赤字になると発表しています。過去最大の年間赤字幅だそうです。このような状況下、欧州の政策当局が市場の金融システム不安を沈静化させるべく、なんらかの対応策が打ち出されない限り、市場は不安を抱き続ける見通しです。

今買える銘柄もあるが、無理して買う必要はない

 ここまでは外部要因の話です。日本政府及び日銀がどうこうできる話ではありません。

 一方、国内では、金融当局の日銀がマイナス金利導入で動いたのですから、次は、財政当局の政府が動く順番です。15日に発表される15年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値については、民間調査機関の予測平均は、前期比年率1.2%減です。生産も消費も弱く、2期ぶりにマイナス成長になる見通しです。

 同予測では、1~3月期の実質成長率は1.3%に持ち直す見通しですが、年明けの株安や急激な円高を受け、企業経営者や消費者のマインドが大きく冷えている可能性が高いため、政府による財政出動や、大胆な規制緩和の実施が待たれます。

 このような対策が政府から打ち出されれば、日本株の底打ち機運も強まると考えます。逆に、そのような対策が打ち出されないようだと、日本株は外部環境次第で不安定な動きを続ける見通しです。

 ここまで外部環境に不透明要因が目白押しなのに、安倍政権から危機感を強めたアナウンスが今のところ、伝わってきません。このような状況では、日本株は全般的に買えませんが、円高や海外動向の影響を受け難い内需株は消去法で買えますね。

 ただし、内需株の中でも買えるのは、第3四半期決算で好業績が確認できた企業群(通期計画に対する第3四半期時点の進捗率の高い企業群)や、キャッシュリッチの高配当企業群だけです。

 一方、マイナス金利が業績面でネガティブに作用する銀行株は当分アンタッチャブルです。また、足元の円高が是正しない限り、輸出関連も手掛けにくいですね。さらに、中国を中心に新興国相手にビジネスを展開している企業群も触りにくいですね。もちろんこんな相場ですから、業績の悪い企業も、財務が脆弱な企業群もダメですね。

 最後に、日経平均株価5日移動平均線を下回っている状況では、投資家は無理をする必要は一切ありません。無理して株を買う必要はないのです。とにかく、一番やってはいけないのは、無理をして種銭を溶かしてしまうことです。リスク管理を徹底して、なんとか今の難局を乗り越えてください。

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