「低位株(=ボロ株)」への投資で儲けるコツを、「日本低位株ファンド」を運用するスゴ腕ファンドマネジャーが伝授!

ダイヤモンド・ザイでは、特集「5年で2倍上昇の成績を叩き出す! 最強投信に学ぶ 日本株入門」を掲載。この特集では、好成績で人気の投資信託を運用するファンドマネジャーに、「高配当株」「割安株」「成長株」「新興市場&IPO株」「低位株」という5ジャンルの日本株で、きっちり勝つためのコツを聞いている。

今回は、その中から「低位株」での儲け方を抜粋して紹介。教えてくれたのは、「日本低位株ファンド」のファンドマネジャーである、野村アセットマネジメントの佐藤浩和さん。普段は注目度の低いワケあり株で、利益を積み上げるポイントを押さえておこう!

倒産の危険や出来高が少ない銘柄を避けて、
分散投資をすることが低位株で失敗しないコツ!

 「低位株」とは、株価水準が低い株のことだ。

 「低位株には3つの特徴があります。1つは、値動きが大きいこと。ちょっとした材料で株価が2倍になる一方で、短期で株価が半値になることも。2つめの特徴は、低位株には、業績悪化などのワケがあって、売り叩かれたものが多くあるということ。倒産リスクを内包している場合があるので注意が必要です。3つめは、流動性に問題があること。出来高が少なく、売りたいときに値が付かないリスクがあります」

 こう語るのは、低位株型投資信託の運用に10年以上携わり、好成績を出し続けている野村アセットマネジメントの佐藤浩和さんだ。

 低位株は、“ボロ株”とも呼ばれており、安易に手を出すのは危険だ。また、株には、大幅な株価の変動によって投資家に損害を与えないように、「値幅制限」というものがあるが、100円未満だと制限される上下の値幅は30円である。値幅制限にひっかかると、すぐにストップ高・ストップ安となり、株価の変動が止まる。低位株は値動きが激しいので、売りたいときに売れないケースがあり、要注意だ。

相場が楽観視される「年の前半」に買われる傾向アリ!

 一方で、メリットもある。株価が5000円の株が20%アップの6000円になるには、それなりの好材料が必要だが、株価が100円の場合は、たった20円上がるだけで20%アップを達成。ほんの少しの材料でも株価へのインパクトが大きく、短期で値上がりが狙えるのだ。

 たとえば、「東京テアトル(9633)」は、映画の配給・興行を手がけた、長編アニメ映画『この世界の片隅に』の人気がジワジワと出て全国拡大上映の大ヒットとなったことで、それまで120円で横ばいだった株価が、昨年末のたった2週間で2倍になった。

 「加えて、低位株は相場好調時に買われる傾向があり、上げ相場では、大型株の上昇を上回る成績を上げられるという点もメリットです。年前半は比較的相場を楽観視する傾向があるので、私が運用するファンドの成績は、年前半が特にいいです」(佐藤さん)

 ただし、銘柄選びを間違えると大やけどしかねないのも低位株の特徴。出来高が極端に少ない銘柄や、赤字の拡大が続いているなど、倒産リスクが高い会社を避けることがポイントとなる。また、1銘柄に集中させず複数銘柄に分散させることも重要だ。

 「私が運用する日本低位株ファンドでは、売買高が小さい銘柄を除いた中で、株価が低位の30%を抽出(約500社)。その中から倒産リスクがある銘柄を排除した200銘柄に、同じ金額で分散投資しています。値動きが大きいので分散することでリスクを抑えるのです。株価が100円以下の低位株にはリスクが高い銘柄が多いので、初心者は避けたほうがいいでしょう」(佐藤さん)

上昇後は元の株価に戻るので、値上がりしたら利益確定を

 そもそも、業績がイケイケで注目度が高い銘柄であれば、株価は低位に留まっていない。低位株の上昇は長くは続かないということを念頭に売買をするべきだ。

 「ファンドでは3カ月に一度、上昇している銘柄を利益確定し、下落している銘柄を買い足すリバランスをしています。出来高や業績の変化もあるので、新たな銘柄の選定を年に2回は行なうことで、リスクを回避しています」(佐藤さん)

 低位株は短期の材料で突発的に上がることが多いので、人気が収まると、株価も元の位置に戻ってしまう。以下のチャート(「ツカモトコーポレーション(8025)」)も、その典型例だ。複数銘柄に分散したら上昇を待ち、上昇時には売却。噴き上がったら頂点で売れたら理想だが、それは難しいので上値は追わず、短期で利益確定をしていくことが、低位株で儲けるためのポイントとなる。

「黒字転換」したら大チャンス! ただし、見つけるのは至難のワザ

 また、低位株の注意点は、上昇相場で好調であるのとは裏腹に、下落相場では相場全体より下落すること。特に、金融危機などの大幅下落局面では、倒産リスクを連想させることから、低位株が真っ先に売られてしまうので要注意だ。

 一方で、高い確率で株価上昇が狙えるのは「黒字転換」銘柄だ。

 「業績の赤字の拡大が続いている銘柄は避けますが、1期だけ赤字だったり、赤字幅が縮小している銘柄の場合、倒産リスクが低ければ組み入れます。景気の回復で好業績に転じるかもしれないですし、黒字転換という材料は株価上昇への大きなインパクトになるからです」(佐藤さん)

 しかし、黒字転換以外はともかく、商品のヒットや特需は予想できない。特に好業績なわけでもないので、どの材料が出たら株価が上がるかを予測するのが難しいのが低位株だ。

 ただ、株価が低位なので少額で買える銘柄が多い点は個人投資家にとって魅力的。10銘柄くらいに広く分散して短期の値上がりを狙おう。

最強投信の上位組入銘柄から、注目の2銘柄を紹介!

 新興市場の日本株を投資対象とする主要な投資信託の上位組入銘柄は、以下のとおり(※投資信託の組み入れ銘柄上位は2月末~3月末時点のもので、運用レポートから抜粋)。

 このうち、特に注目したい2つの銘柄を、マーケットコメンテーターの岡村友哉さんに教えてもらった(※銘柄のデータは4月5日現在)。

 先ほどの佐藤さんが運用する「日本低位株ファンド」に組み入れられている「フィード・ワン(2060)」は、飼料を作る会社。低位株だが、業績や財務に問題はない。平常時の売買は少なく、出来高が急増しているタイミングは常に決算材料だ。会社計画を保守的に出す性格があり、コスト改善効果による上方修正での価格急騰を待ちたい。

 続いては、やはり「日本低位株ファンド」の組入銘柄である「ピーエス三菱(1871)」。最高益が射程に入るほどインフラ更新工事が好調。工事採算の改善が想定以上に進んでおり、前期の大幅増額、増配で投資家に好印象を残した。建設株における高配当株でもあり、株価400円割れなどの押し目は逆張り買いの好機と判断できる。

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