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日経平均株価は2万4448円までの上昇が期待できる状況に! 今は小型株に集中投資をするのを止め、大型株にも資金を回す「ハイブリッド投資」が正解!

2019年10月23日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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 日経平均株価は、非常に強い動きとなっています。

 10月16日には一時2万2615.47円まで上昇し、それまでの上値抵抗だった9月19日の2万2255.56円のみならず、それまでの年初来高値である4月24日の2万2362.92円をもあっさりと上にブレイクしてきました。そして、18日には2万2649.85円まで上げる場面がありました。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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日経平均株価が好調な理由は、「米中貿易協議の部分合意」
「新型iPhone効果」「半導体関連株の上昇」の3つ

 この上方ブレイクの主因は、米中貿易協議の部分合意が市場の緊張を和らげたことによる中国関連株の上昇、アップルの新型「iPhone」効果による電子部品株の上昇、そして、半導体市況に対する底入れ期待の高まりを背景にした半導体関連株の上昇です。これら3つのテーマ性のある銘柄群の上昇が、日経平均株価を力強く押し上げました。

 10月11日まで行われていた閣僚級の米中貿易協議では、中国の農産物輸入拡大と引き換えに、米国が15日に実施予定だった対中関税第1~3弾の関税率引き上げを見送るという部分合意でいったん決着しました。

 これについて、トランプ米大統領は「中国と非常に大きな合意の第1段階に至った」と述べています。この発言を受け、市場では米中対立による実体経済の悪化懸念がいったん後退しました。それにより、ファナック(6954)安川電機(6506)コマツ(6301)日立建機(6305)などの中国関連が買われました。

 アップルに関しては、日本や台湾の部品供給企業の複数の関係者が、アップルからの増産要請を受けたと明らかにしたことで、9月に発売した新型3機種のスマートフォン「iPhone」の生産台数を上方修正したと伝わっています。これを受けて、アップルへの部品納入実績のある「iPhone」関連の銘柄が人気化しました。

 具体的には、セラミックコンデンサーや近距離無線距離モジュール(Bluetoothモジュール)を取り扱う村田製作所(6981)、スマートフォンカメラ部品のアルプスアルパイン(6770)、高周波部品や2次電池(ポリマー電池)、ディスプレイ用保護フィルムやスピーカーなども扱うTDK(6762)、セラミックコンデンサーを手掛ける太陽誘電(6976)、透明導電性フィルムなどの提供も行う日東電工(6988)などの電子部品株です。

そして、10月17日、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が、2019年7~9月期決算を発表しました。営業利益は前年同期比13%増で、同期として過去最高となりました。米アップルの新型3機種のスマートフォン「iPhone」や「5G」向けの受注が好調だったことが寄与したようです。

 さらにTSMCは、今期の設備投資も大幅に上方修正しました。この決算と設備投資の上方修正をきっかけに、市場ではここ1年半ほど低迷していた半導体業界が底打ち転換したとの見方が強まりました。

 このため、東京株式市場では、東京エレクトロン(8035)ローム(6963)アドバンテスト(6857)ディスコ(6146)東京精密(7729)SCREENホールディングス(7735)など半導体関連株が買われています。

昨年末の急落に対する「3分の2戻し」を達成!
次は「全値戻し」となる2万4448.07円に期待したい

 日経平均株価については、昨年10月2日の2万4448.07円から同年12月26日の1万8948.58円までの下落幅は5499.49円です。この61.8%戻しが2万2347.26円、3分の2戻しが2万2614.91円です。

 10月18日に2万2649.85円を付け、これらは既に超えています。よって、今後はテクニカル的に、全値戻しが期待できる状況となったといえるでしょう

■日経平均株価チャート/週足・2年
日経平均株価チャート/週足・2年日経平均株価チャート/週足・2年(出典:SBI証券公式サイト)
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9月に儲かったゲーム株はすでにピークアウト!
現在は「中国関連」「アップル関連」「半導体関連」に資金が流入

 ところで9月ですが、友人達へのヒアリングベースでは、ゲーム株に乗った投資家と乗らなかった投資家では「見えた景色」がまったく違っていました。人気ゲーム株に乗った投資家は、まさにバブルに乗ったため、濡れ手に粟状態だったようです。

 しかしながら、KLab(3656)は9月27日の1497円で、コロプラ(3668)は10月1日の1930円で、それぞれピークアウトしています。10月に入ってからは、ゲーム株に代わり、中国関連、アップル関連、そして半導体関連の銘柄がホットマネーの受け皿になっています

好調な日経平均株価に対して、
東証マザーズ指数は引き続き冴えない値動きを継続

 それにしても、東証マザーズ指数は引き続き冴えない動きを続けています。

 10月21日の東証マザーズ指数は845.21ポイントと、心理的節目の1000ポイントを相変わらず大幅に下回っています。少なくとも200日移動平均線(21日現在893.66ポイント)を上回ってこないと、短期売買・小型株を好む個人の活性度が上がることはないでしょう。

■東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月
東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 こんな状況ですので、やはり売買対象としては、国内外の機関投資家の買いが見込める中・大型株を中心に攻めるべきだと思います

 日経平均株価がここまで堅調ですので、知り合いの市場関係者へのヒアリングベースでは、確かに儲かっている人も沢山いますが、やられている人はその倍いる感じです。やられている人の中では、ゲーム株のJC(ジャンピングキャッチ=高値掴み)組が目立っています。

 一方、儲かっている投資家は、ハイブリッド投資しているようです。彼らの多くは、従来は小型株一辺倒でしたが、現在は、大型株も、小型株もバランスよく売買しています。また、財務内容の悪い超小型株は避けて、機関投資家や投信の買いが見込める、それなりの規模の時価総額の中小型株を狙っています。

「唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」
という言葉を念頭に、小型株に執着するのは止めよう!

 実は、私の周りでも「さすがにマザーズを中心に小型株は大型株に対して出遅れ顕著だから、そろそろ順番が来ると信じている。だから、今のポジション・投資戦略で待つ!」と言っている人は少なくありません。

 しかしどうでしょうか? 下手をすると、現状のような大型株優位の物色傾向が長期化する可能性は決して低くはない、と私は思います。

 従来の手法が上手くいかない期間がそれなりに続いたら、やはり、現状に対応するべく思い切った手法の転換が必要です。だからまずは、大型と小型のハイブリッド投資に切り替えるべきです

 進化論のダーウィンの名言とされる、「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」というありがたお言葉を念頭に、今、小型株に執着しパフォーマンスが上がっていない投資家は、“なる早”で変化するべきでしょう。

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