世界投資へのパスポート

“スレイマニ司令官殺害”の影響による米国株の下落は
一時的! むしろ、過熱感がおさまって“買い場探し”
になる中で「インテル」など狙い目の3銘柄を紹介!

2020年1月6日公開(2020年1月6日更新)
広瀬 隆雄
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イラン特殊部隊の司令官が米軍により殺害されたことで、
新年早々、世界の市場はリスクオフに

 1月3日(金)、米軍のヘリコプターから発射されたロケット弾で、イラン特殊部隊のカシム・スレイマニ司令官がイラクのバグダッド近郊で死亡しました。彼が率いていたのは、イランのイスラム革命防衛隊の中でも海外での活動に特化した特殊部隊・クッズフォースです。

 このニュースで、世界の市場はリスクオフになりました

米軍に殺害されたスレイマニ氏は、
多くの実績を持ち、イラン国内で非常に尊敬されている人物

 死亡したスレイマニ氏は、言わば「スパイ組織のボス」であり、イラン国内で大変尊敬されている人物でした。映画俳優のショーン・コネリーに似たイケメンで、常に沈着冷静であり威厳あるオーラをたたえた人だと言われています。

 彼は、シリアのアサド大統領を兵糧攻めから救い出したことやレバント地方全域にシーア派の影響圏を広げたこと、イスラム国の影響力の伸長を抑え込んだことなど、数多くの実績を持っていました。

 イスラム革命防衛隊は、1979年にイラン革命が起きてアメリカの傀儡(かいらい)だったパーレビ政権が倒れた直後に設置されました。陸軍10万人、海軍2万人、「バシジ」と呼ばれる民兵60万人の動員力を持っています。

 その海外部隊であるクッズフォースの目的は、テロやゲリラ戦のような、いわゆる非対称的な作戦によりイランの影響圏を拡大することにあります。

アメリカが今回の作戦に踏み切ったのは、
在バクダッド米国大使館への攻撃を阻止するため

 今回、アメリカがスレイマニ氏の殺害に至った経緯を簡単に説明します。

 まず、イラク北部の油田地帯で米国の請負業者ならびに米軍が攻撃を受け、米国の民間人が死亡しました。

 次に、それに対する報復として米軍がシーア派の拠点を爆撃しました。

 この爆撃に抗議するシーア派の市民が在バクダッド米国大使館に押し寄せて検問所を壊し、窓を破って大使館の敷地の中に入ろうとしました。結局それは果たせず暴徒は解散しましたが、1979年のイラン革命の際、在テヘラン米国大使館の塀を乗り越え暴徒が乱入、大使館員を人質に取り長期に渡る睨み合いになった忌まわしい事件が、危ういところで、今度はイラクのバクダッドで再現されそうになったのです。アメリカ国務省は、さぞ肝をつぶしたと思います。

 スレイマニ氏は、在バクダッド米国大使館への次の攻撃の計画を立案中だったと言われています。アメリカ側がスレイマニ氏の命を狙ったのはそのためです。

イランはアメリカに対して報復を宣言するも、
両国ともに対立をエスカレートさせるつもりはない

 イランは、今回のスレイマニ氏の殺害に対して「報復する」と発表しています。実際に近々、何らかの報復があると思います。

 ただ、イランは米国との正面戦争は避けると思われます。その理由は、戦力的に勝ち目がないからです。また、これまでイラン国外での作戦を指揮してきた老獪(ろうかい)なスレイマニ氏が居なくなったことで、イランの作戦は効果的でなくなる可能性もあります。

 一方、米国側も「対立をエスカレートする気はない」ということを明言しています

株式市場は一時的に下落するも、すぐに回復!
過熱感がおさまり、むしろ買いやすい環境に

 1月3日(金)にこのニュースがもたらされたとき、マーケットはリスクオフになりました。つまり、安全資産への退避行動が出たということです。

 しかしその後、市場はやや持ち直し、結局その日の下げは限定的でした。1月2日と3日の立ち合いを合わせると、S&P500指数は+0.1%でした。

■S&P500指数チャート/日足・3カ月
S&P500指数チャート/日足・3カ月S&P500指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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 米国株には、「1月の最初の5立会日が通算してプラスならばその年のマーケットは高くなる」というジンクスがあります。最初の5立会日にこだわる理由はそこにあります。したがって、今週の1月8日(水)までの相場には引き続き細心の注意を払いたいと思います。

 1月3日(金)に市場のセンチメントが大きくリスクオフに振れた関係で、このところニューヨーク市場に蔓延していた強気の相場観と市場参加者の慢心は、やや後退したように思います。言い換えれば。過熱感がある程度おさまったということです。

 その意味において、むしろ買いやすい環境が整ったと考えることもできると思います

現在注目している銘柄は、「インテル」
「アプライド・マテリアルズ」「ウォルト・ディズニー」の3社

 現在、私が注目しているのは次のような銘柄です。

 まず、以前の連載でも取り上げたインテル(INTC)ですが、「5G」に備えて製品のポートフォリオを拡充中です。具体的には「5G」「エッジ・コンピューティング」「IoT」「人工知能、」「自動運転車」などの商機を積極的に取りに行く計画です。

 一時停滞していた半導体の線幅の縮小に関しても、今年は積極的に取り組んでゆく考えです。
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「インテル」が事業戦略の見直しにより、再び成長路線へ! 急成長をしている“データ中心”市場への進出を試みている今こそ、絶好の投資チャンスだ!

 半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)も妙味があると思います。

 半導体製造装置の市場は2019年6月頃に底入れし、いまは改善途上にあります。回復の先陣を切るのはファウンドリーやロジックの顧客です。それに続き、NANDメモリーを製造している顧客各社もこれから発注を増やすと見込まれます。DRAMは回復が遅れていますが、在庫調整はだいぶ捗ってきている印象です。

 アプライド・マテリアルズは極めて幅広い商品ポートフォリオを持っているのですが、最近はハードウェアだけでなくアプライド・グローバル・サービス(AGS)というサービス事業にも力を入れえています。これはサブスクリプション課金モデルを採用しており、年率+15%で成長しています。
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米国株で今狙い目な「半導体製造装置株」の最大手「アプライド・マテリアルズ」を解説! 半導体製造の国産化に力を入れる中国からの需要拡大にも期待!

 最後はウォルト・ディズニー(DIS)です。ウォルト・ディズニーは11月12日から「ディズニー・プラス」というストリーミング・サービスを開始しており、人気は上々です。ディズニー、ピクサー、マーヴェル、スターウォーズなどの作品を、毎月6.99ドルで配信します。

 ウォルト・ディズニーは、これまでヒット映画に依存するビジネス・モデルでした。しかし、今後は安定したサブスクリプション収入が見込めるとあって、ウォルト・ディズニーの株価収益率(PER)はマルチプル・エクスパンション、すなわちバリュエーションの拡大を見ると予想されます。
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【今週のまとめ】
アメリカのイランに対する攻撃により、
相場的には「買い場探し」の展開になる!

 イスラム革命防衛隊の特殊部隊・クッズフォースのカシム・スレイマニ司令官が、米軍の攻撃で死亡しました。マーケットはこれを受けてリスクオフになっています。しかし、今回の事件が全面戦争に発展する可能性は低く、一過性の材料だと考えるべきだと思います

 したがって、相場的には「買い場探し」の展開になると思います。インテルアプライド・マテリアルズウォルト・ディズニーなどの銘柄がタイムリーです。

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