つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2021年]
2019年7月30日 頼藤 太希

「つみたてNISA」と「一般NISA」と「iDeCo」を
比較して、どれを選ぶべきかを解説! 運用額や目的、
住宅ローン控除の有無などで一番得する制度が判明!

つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

「つみたてNISA」(積立NISA)は、投資で得られた利益(運用益)にかかる約20%の税金がゼロになるお得な制度。この連載では、「つみたてNISA」の特徴を紹介しています。

 実は、「つみたてNISA」のほかにも、「つみたてNISA」と同様に、運用益にかかる税金をゼロにできる制度があります。「一般NISA」と「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」です。

 今回は、「つみたてNISA」と「一般NISA」と「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」のメリット・デメリットを紹介した上で、どんな人にどの制度が合っているのかを解説します。

「つみたてNISA」「一般NISA」「iDeCo」
運用益がゼロになる3つの制度を徹底比較!

 はじめに、「つみたてNISA」「一般NISA」「iDeCo」の概要を一覧表にまとめましたので、ご覧ください。

「つみたてNISA」「一般NISA」「iDeCo」の制度の違い
  つみたてNISA 一般NISA iDeCo
利用できる人 日本に住む20歳以上の人
(年齢上限なし)
日本に住む20歳以上の人
(年齢上限なし)
日本に住む20歳~
60歳未満の方
新規に投資できる期間 最長20年間
(2018年~2037年)
5年間
(2014年~2023年)
60歳になるまで
非課税期間 投資した年から最長20年間 投資した年から最長5年間 70歳になるまで
年間投資上限額 40万円 120万円 14.4万円~81.6万円
(加入者による)
累計非課税投資上限額 800万円
(2019年からなら760万円)
600万円 加入者による
非課税メリット 運用益が非課税 運用益が非課税 運用益が非課税
掛金が所得控除
受け取り時に控除あり
投資対象商品 金融庁の基準を満たす
投資信託・ETF
国内外の上場株式・株式投資信託 定期預金・保険・投資信託
投資方法 定期的継続的な方法のみ
(積み立て)
制限なし 毎月積み立て・年単位拠出
資産の引き出し いつでも引き出せる いつでも引き出せる 60~70歳の間
(積立期間 が10年未満の場合
段階的に受け取れる年齢が
繰り下がる)
口座開設手数料
管理手数料
不要 不要 必要


 まずは「つみたてNISA」から解説します。

「つみたてNISA」のメリット・デメリット


「つみたてNISA」では、年間40万円まで投資ができて、その運用益にかかる税金が非課税になります。新規に投資できるのは2037年まで。例えば、2019年に「つみたてNISA」をスタートすると、最大で760万円の投資ができる計算です。

 「つみたてNISA」で買うことができる金融商品は、金融庁が定めた基準を満たす「投資信託」や「ETF(上場投資信託)」です。2019年7月22日現在で164本あります。「つみたて」の名のとおり、これを積み立てで購入していきます。

 「つみたてNISA」は、わかりやすい反面、投資できる商品が少ないのがデメリット。例えば、国内・海外の個別株やREIT(不動産投資信託)などに投資したいと思ってもできません。

 また、「つみたてNISA」で買った商品を売却しても、非課税で投資できる金額は復活しません。
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「一般NISA」のメリット・デメリット


 続いて、「一般NISA」です。本当は「NISA」なのですが、NISAには「つみたてNISA」と「ジュニアNISA」も含めると3種類の制度があり、「NISA」だけだとどの制度を指すかわかりにくいので、区別するために「一般NISA」と呼んでいます。

 「一般NISA」では、年間120万円まで投資ができ、その運用益にかかる税金が非課税になります。非課税になる期間は5年間です。

 「一般NISA」で買うことができるのは、国内・海外の株や投資信託、ETF、REITです。また、積み立てではなくタイミングを計って買うこともできます。「つみたてNISA」より自由度の高い投資ができます。

 ただし現状、「一般NISA」で新規に投資できる期間は、2023年までの5年しかありません。2018年までは、ロールオーバーという制度を使って最大10年間運用できたのですが、2019年購入分からはロールオーバーができなくなっています。
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「iDeCo」のメリット・デメリット


 最後は「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」です。「iDeCo」は、毎月一定の掛金を支払って自分で運用し、その成果を受け取る制度です。基本的に20歳から60歳までの方ならば、ほぼ誰でも「iDeCo」に加入できます。掛金の上限は、働き方や会社の制度によって変わります。

 「iDeCo」のメリットは、「つみたてNISA」や「一般NISA」にはない圧倒的な節税効果にあります。運用益が非課税なのに加えて、掛金を出しながら所得税や住民税を節約できる「所得控除」が利用できるのです。
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⇒iDeCo(個人型確定拠出年金)の"4つのメリット"を解説! 大きな節税効果に加えて運用の自由度の高さが魅力で、すぐ使う予定のない資金がある人に最適!

 さらに、年金を受け取るときにも、「退職所得控除」または「公的年金等控除」を利用することで税金が抑えられます。

 しかし、「iDeCo」は年金ですので、原則60歳まで引き出せないのが弱点です。老後を迎えるまでに、結婚・出産・住宅購入・子育てなど、さまざまなライフイベントがありますが、「iDeCo」の資産はそれらには使えません。

 また、「つみたてNISA」と「一般NISA」では口座を持っているだけでは手数料がかかりませんが、「iDeCo」では毎月の口座管理手数料167円など、所定の手数料がかかる点にも注意したいところです。
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3つの非課税制度のうち自分に合うのはどれ?
投資金額や投資の目的などから選ぼう!

 「つみたてNISA」「一般NISA」「iDeCo」のうち、どれを使うかは、毎月の投資金額や投資の目的、住宅ローンの有無などで変わります。

 3つの非課税制度でもっとも強力なのは、節税効果の大きい「iDeCo」ですから、「iDeCo」への加入を優先したいところです。
 
 しかし、「iDeCo」は60歳以降にしか資金を引き出せないので、老後資金目的でしか貯められないこと、また、口座管理手数料がかかるので、コスト面が比較的高くなってしまうのが気になるところです。

 そこで、投資金額がおおむね1万円未満などと少ない方には、まずは「つみたてNISA」をおすすめします。「つみたてNISA」なら、途中で換金して、老後資金以外の用途に使うこともできます。

 毎月3万円以上出せる方、まとまった金額で投資したい方、株式投資もしたいという方は「一般NISA」を利用しましょう。

 資金に余裕があるなら、「一般NISA」と「iDeCo」を併用してもいいと思います。そうすれば、より短期間で多くの非課税枠を使えます。

 また、住宅ローンを利用している方は、住宅ローン控除を使っているかもしれません。住宅ローン控除は、税額控除といって、算出された税金の額から、年末時点の住宅ローン残高に応じた金額が、直接、差し引かれる(税金が減る)しくみです。

 住宅ローン控除により、そもそも支払っている所得税・住民税がない、または少ないという場合は、「iDeCo」の魅力である所得控除の効果が低くなってしまう点があることは、知っておくといいでしょう。

 以上を踏まえて、それぞれの制度の選び方をまとめました。

「つみたてNISA」が向いている人

 ●毎月の投資金額が少ない人(1万円未満)
 ●主婦(主夫)など、所得のない人
 ●老後資金以外の資金を貯めたい人
 ●月1万円未満でも老後資金を貯めたい人
 ●住宅ローン控除を使っている人
 ●「iDeCo」を使えない人(60歳以上など)

「一般NISA」が向いている人

 ●毎月3万円以上投資できる人
 ●一度にまとまった金額を投資したい(できる)人
 ●今後、株式投資もしたい人
 ●老後資金以外の資金を貯めたい人
 ●住宅ローン控除を使っている人

「iDeCo」が向いている人

 ●毎月1万円以上投資できる人
 ●老後資金を貯めたい人
 ●住宅ローン控除を使っていない人

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「つみたてNISA」と「一般NISA」は併用できない!
変更は面倒なので事前にしっかり選ぼう!

 なお、「つみたてNISA」と「一般NISA」は併用できないので、どちらかを選ぶ必要があります。

 すでにどちらかの口座を持っている場合は、手続きすれば、「つみたてNISA」から「一般NISA」へ、または「一般NISA」から「つみたてNISA」へ、口座を変更することができます。

 口座の変更は、「勘定変更依頼書」を提出して行います。「勘定変更依頼書」は各金融機関のウェブサイトや、コールセンターなどで請求すれば郵送してくれます。

 「勘定変更依頼書」が届いたら、必要事項を記入の上、返送します。このとき、金融機関によっては本人確認書類の添付を求められる場合もあるようです。また、マイナンバーの登録が済んでいない場合、マイナンバーカード(個人番号カード)または通知カードの提出も必要です。

 返送後、税務署の審査などが行われ、問題がなければ口座が切り替えられます。切り替えにはおおむね3週間程度かかります。
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「つみたてNISA」と「一般NISA」の口座を
切り替える前に知っておきたい5つの注意点

 「つみたてNISA」と「一般NISA」の口座の切り替えには、細かな注意点があります。以下をよく確認してください。

◆口座切り替えの注意点1: 口座切り替えは年に1回のみ

 「つみたてNISA」と「一般NISA」の口座の切り替えは、年に1回しかできません。例えば、今年すでに「一般NISA口座」から「つみたてNISA口座」に変更した人が、再び「一般NISA口座」に変更するには来年にならないとできません。

◆口座切り替えの注意点2:今年中に切り替えたいなら9月中に手続きを

 「つみたてNISA」と「一般NISA」の口座を今年中に切り替えたい場合は、9月中に「勘定変更依頼書」を提出する必要があります。

 書類の提出期限は金融機関によって多少異なるようなので、お使いの金融機関にご確認ください。なお、10月〜12月に提出すると、来年の扱いになります。

◆口座切り替えの注意点3:1回でも取引しているとその年の切り替えは不可

 「つみたてNISA」でも「一般NISA」でも、今年1回でも取引をしていると、今年中の口座の切り替えはできなくなります。口座の切り替えができるのは、その年にまだ1回も取引していないことが条件です。

 自分で株式や投資信託を売買したならわかりやすいと思いますが、株式の配当金や投資信託の分配金などを、「つみたてNISA口座」や「一般NISA口座」で受け取った場合も1回の取引とカウントされるので、注意してください。

◆口座切り替えの注意点4:金融機関も変更する場合には「勘定廃止通知書」が必要

 「つみたてNISA」から「一般NISA」へといった口座の種類の変更だけでなく、「金融機関をA社からB社に変更したい」という場合は、まずA社に連絡して「金融機関の変更届出書」を取り寄せます。これに必要事項を記入して提出すると、「勘定廃止通知書」が送られてきます。
 
 その上で、B社で「つみたてNISA」口座の開設手続きを行う際に、A社から届いた「勘定廃止通知書」を添えて提出します。税務署での審査ののち、問題なければ取引できるようになります。

◆口座切り替えの注意点5:運用していた資産は非課税のまま残る

 「つみたてNISA」や「一般NISA」に口座を変更しても、その後は新規購入ができなくなるだけで、もとの口座は非課税口座として残ります。

 口座変更までに「つみたてNISA口座」で購入した金融商品は、20年間の非課税期間中であれば、売却益・分配金が非課税です。
 
 同様に、過去に「一般NISA口座」で購入した金融商品は、5年間の非課税期間中であれば、売却益・配当金・分配金が非課税です。
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 以上の「つみたてNISA」と「一般NISA」の口座切り替えの注意点は一般的な例で、詳細は金融機関によって多少違いがあるようです。手続きをする中で、不明点がでてきたら、お使いの金融機関に問い合わせてみましょう。

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頼藤太希(よりふじ・たいき)[マネーコンサルタント]
(株)Money&You代表取締役、ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本証券アナリスト協会検定会員。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。著書は『投資信託 勝ちたいならこの7本!』『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』 『入門仮想通貨のしくみ』『つみたてNISAでお金は勝手に増えていく』など多数。