「お宝銘柄」発掘術!
2021年4月1日 村瀬 智一

バイオマスプラスチック関連銘柄は、CO2排出量削減
に絡む“国策テーマ株”! レジ袋に続いてプラスチック
製のスプーンの有料化も進むことで注目度がアップ!

 政府は3月9日、プラスチックごみの削減やリサイクル促進を目指す「プラスチック資源循環促進法案」を閣議決定しました。小泉進次郎環境相が会見で、コンビニなどの使い捨てプラスチック製スプーンの有料化に触れ、良くも悪くも大きな話題となったことで覚えている方も多いかと思います。

 このようにプラスチックごみの環境負荷に対する意識が高まっている中、その解決策の1つとして期待されているのが「バイオマスプラスチック」です

「バイオマスプラスチック」とは、「バイオマス」、つまり植物など再生可能な生物資源を原料としたプラスチックのこと。将来的な枯渇が心配される石油資源を原料としないことや、地球温暖化の原因とされるCO2(二酸化炭素)を実質的に排出しないことから、環境負荷が非常に小さい素材と考えられています。

 ちなみに、当コラムでは以前に「バイオプラスチック」関連銘柄を取り上げましたが、こちらは、今回のテーマである「バイオマスプラスチック」と微生物などの働きで分解されて自然に還る「生分解性プラスチック」の総称となります。
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ユーグレナとセイコーエプソン、NEC(6701)の3社が手を組み、
ミドリムシを原料としたバイオマスプラスチックの実用化を推進

 「バイオマスプラスチック」関連のニュースとしては、3月29日、ユーグレナ(2931)セイコーエプソン(6724)NEC(6701)の3社が、東京大学の岩田忠久教授と共同で、「バイオマスプラスチック」の一種である「パラレジン」の技術開発や普及推進を目的とする「パラレジンジャパンコンソーシアム」の設立を発表し、市場でも話題となりました。

 パラレジンは、微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)に含まれる「パラミロン」という植物繊維を原料とする「バイオマスプラスチック」です。パラレジンジャパンコンソーシアムは、このパラレジンの製品化までの各段階の技術を持つ3社が幹事企業として参加し、その実用化や普及促進ための研究開発を目的としています。具体的な目標としては、2030年に年間20万トン規模のパラレジンの供給を目指しているそうです

 このパラレジンジャパンコンソーシアムの計画も含め、今後、このまま「バイオマスプラスチック」の実用化が進めば、従来の石油資源を原料としたプラスチック樹脂の代替品として普及が進み、CO2排出量の削減にも寄与することは間違いないと思われます

 こうした状況を踏まえ、今回は「バイオマスプラスチック」関連銘柄に注目したいと思います。具体的な銘柄としては、「バイオマスプラスチック素材や製品を開発している企業」をピックアップしました。

 なお、過去に「バイオプラスチック」関連を取り上げた際には、「バイオマスプラスチック」関連銘柄も数多く紹介しました。復習がてら、過去の記事も併せて確認しておけば、関連銘柄を幅広く把握することができるでしょう。
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【ユーグレナ(2931)】
長年に渡ってミドリムシの活用研究を推進

 ユーグレナ(2931)は、長年に渡ってミドリムシの活用研究を進めており、前述したパラレジンジャパンコンソーシアムの幹事会社にも名を連ねています。ミドリムシを活用した事業としては、今回の「バイオマスプラスチック」の他にも食料や燃料としての活用も進めており、当コラムでも以前に「バイオジェット燃料」関連銘柄として取り上げました。幅広い意味での「脱炭素」関連銘柄として、押さえておきたい企業と言えるでしょう。
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ユーグレナ(2931)チャート/日足・6カ月ユーグレナ(2931)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【セイコーエプソン(6724)】
繊維材料から新たな素材を生産する技術を活用

 セイコーエプソン(6724)は、インクジェットプリンターや複合機などの大手メーカーですが、以前から「地球を友に」という経営理念を掲げ、地球規模の環境問題への取り組みを続けてており、前述したパラレジンジャパンコンソーシアムにも参画しています。パラレジンジャパンコンソーシアムでは、紙などの繊維材料から新たな素材を生産する「ドライファイバーテクノロジー」という技術を応用することで、「バイオマスプラスチック」の製品化に必要となる「糖化プロセスの確立」に貢献する予定です。

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セイコーエプソン(6724)チャート/日足・6カ月セイコーエプソン(6724)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【NEC(6701)】
多糖類を用いたバイオマスプラスチックに関する技術を保有

 NEC(6701)は、石油資源由来のプラスチックが抱える環境負荷などの問題にいち早く着目し、多糖類を用いた「バイオマスプラスチック」の製造やリサイクルに関する要素技術の開発を進めています。前述したパラレジンジャパンコンソーシアムでは、多糖系バイオマスプラスチックの社会実装の潮流をつくり、低炭素・資源循環型社会の実現に貢献することを目指しています。

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NEC(6701)チャート/日足・6カ月NEC(6701)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【日東電工(6988)】
バイオマスプラスチックを一部に使用した養生用テープを開発

 日東電工(6988)は、液晶用偏光板フィルムや産業用テープなどを手掛ける企業で、パラレジンジャパンコンソーシアムに賛同し、活動を推進しています。2014年には、サトウキビ由来の「バイオマスプラスチック」を原材料の一部に使用することで、従来品の性能を保持しながら廃棄時のCO2排出量を30〜35%削減した養生用テープを開発しました。

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日東電工(6988)チャート/日足・6カ月日東電工(6988)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【カネカ(4118)】
植物油などのバイオマスを原料とする「グリーンプラネット」を開発

 カネカ(4118)は、植物油などのバイオマスを原料に、微生物発酵プロセスによって生産されるプラスチック「グリーンプラネット」を開発。国内に、年間5000トンの生産が可能な実証設備を保有しています。「グリーンプラネット」は生分解性も持っており、2017年には欧州の認証機関から海水中で生分解するとの認証を取得しました。

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カネカ(4118)チャート/日足・6カ月カネカ(4118)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【三菱ケミカルホールディングス(4188)】
生分解性バイオマスプラスチック「BioPBS」を手掛ける

 三菱ケミカルホールディングス(4188)は、生分解性バイオマスプラスチック「BioPBS」を開発しています。バイオマス由来であることに加え、生分解性を持つので、自然界の微生物によって水とCO2に分解されます。例えば、この「BioPBS」を農業用フィルムに利用することで、作物収穫後のフィルムの回収や処分の負荷を大幅に減らすことが可能となります。

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三菱ケミカルホールディングス(4188)チャート/日足・6カ月三菱ケミカルホールディングス(4188)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【東レ(3402)】
バイオマスプラスチックの高性能化を推進

 東レ(3402)は、バイオマス由来原料の活用や「バイオマスプラスチック」の高性能化を推進して、特徴のある製品の開発・展開を進めています。また、繊維・樹脂・フィルムという幅広い分野で、「バイオマスプラスチック」事業の拡大を図っています。

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東レ(3402)チャート/日足・6カ月東レ(3402)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 以上、今回は「バイオマスプラスチック」関連銘柄を紹介しました。

 環境省と経済産業省、農林水産省、文部科学省は合同で、「バイオプラスチック導入ロードマップ」を2021年1月に策定し、バイオプラスチック製造事業者や製品メーカー・ブランドオーナーなどの利用事業者、小売り・サービス事業者などに向けて、国の施策を示しました。

 このように政府は、「バイオマスプラスチック」を含めたバイオプラスチックの導入に向けた取り組みを積極的に展開し、気候変動問題や海洋プラスチックごみ問題の解決、さらにはプラスチックにおける資源循環の実現を目指しています。そした流れを考慮し、「バイオマスプラスチック」については国策テーマとして大いに注目しておくといいでしょう。
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