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AIデータセンターの安定稼働には、急速な消費電力の
変動に対応する「データセンター向け蓄電池」が必要!
蓄電池(バッテリー)と聞けば、電気自動車(EV)やスマートフォン、家庭用蓄電池などを連想しがちですが、この技術はその他にも幅広い分野で必要とされています。なかでも特に将来性を期待されているのが「データセンター向け蓄電池」です。
AI向けデータセンターは膨大な電力を使用するため、専用の発電機を用意するケースも少なくありません。
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ただ、データセンター向け電源に関しては、単なる電力の大きさだけでなく、消費電力の変動が大きいことも課題とされています。。AIサーバーは処理の内容に応じて消費電力が急に変わるため、発電量を増やすだけでは細かな変動への対応まで解決できません。さらに、データセンターを安定して稼働させるには、万が一の停電に備える仕組みも必要となります。そこを解決する手段として、データセンター向け蓄電池の需要が大きく伸びているのです。
データセンター向け蓄電池に関連する主な装置・部品としては、蓄電池や制御回路などを組み合わせた電源ユニットの「BBU(バッテリーバックアップユニット)」、停電時に備える「UPS(無停電電源装置)」、短時間に大きな電力を繰り返し充放電できる大容量コンデンサ「スーパーキャパシタ」などが挙げられます。
それぞれ供給できる電力の大きさや供給可能な時間、変動への反応の速さなどが異なるため、用途に合わせた組み合わせが重要となり、電池の容量だけを比べていてはこうした商機を見落としてしまいます。
高市政権は、戦略17分野に関するロードマップとして、
国内企業の蓄電池関連の売上高を3倍に成長させることを目指す
蓄電池メーカーの間にもデータセンター向け商品に注力する動きが出てきています。
例えば、パナソニックホールディングス(6752)傘下のパナソニック エナジーは、10月14日に公開した自社メディアの記事で、生成AIの普及を背景に需要が急拡大しているAIインフラ向け事業を、EV用リチウムイオン電池などの車載事業と並んで収益基盤を支えるもう一つの柱へと育てていく方針を示しました。
記事によると、パナソニック エナジーは、データセンター向け蓄電システムの売上高を2025年度の3220億円から2028年度には1兆円規模に成長させることを目標に掲げています。その一環として、2026年4月に大阪の車載用ラインを転用し、データセンター向け蓄電池の出荷を開始。メキシコに新設した工場でも、2026年度第2四半期から量産を開始したとのことです。
データセンター向け蓄電池に注力する動きが見られるのは民間企業だけではありません。政策面でも、データセンター向け蓄電池の供給を後押しする動きがあります。
7月21日の政府会議で示された「戦略17分野における『主要な製品・技術等』の官民投資ロードマップ(案)」では、「デジタル・サイバーセキュリティ」分野の「クラウド・データセンター、蓄電池」のなかで、車載用や定置用なども含む蓄電池全体のグローバルな市場規模は2025年から2035年までに2倍に成長する見通しであり、その間に日本企業の蓄電池関連の売上高を3倍に成長させることを目指すとしています。
そこで今回は「データセンター向け蓄電池」関連銘柄に注目。需要拡大が見込まれるAIデータセンター向けのBBU、UPS、スーパーキャパシタ、電源安定化部品を手掛ける企業を選定しました。
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【TDK(6762)】
AIデータセンター向け高出力電池の量産開始の計画を公表
TDK(6762)は、電子部品と二次電池を主力とし、材料技術や高密度実装技術に強みを持つ電子部品大手です。AIデータセンター向けとして、電力変動が大きいサーバーに対応するBBU用の高出力電池を開発。2027年3月期・第1四半期の決算説明会では、BBUについて、複数顧客から承認を取得し、第3四半期から直流・高電圧対応製品の量産を開始する計画を明らかにしました。さらに、AIデータセンター向けコンデンサの販売も拡大しており、蓄電池と電子部品の両面で成長が見込めます。株価は、足元の調整で52週移動平均線を割り込んでいます。いったんは調整一巡が意識されやすく、リバウンド狙いのスタンスです。
TDK(6762)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【GSユアサ コーポレーション(6674)】
データセンター向けのUPS用蓄電池を手掛ける蓄電池大手
GSユアサ コーポレーション(6674)は、自動車用・産業用蓄電池の大手で、鉛蓄電池からリチウムイオン電池、電源制御システムまで幅広く展開。高い安全性と信頼性、さらに全国に広がる保守サービス網が強みです。データセンター向けとして、UPS用の国産鉛蓄電池を供給。既存顧客との取引実績を生かして需要を取り込むとしています。さらに、2月18日には、国産の定置用リチウムイオン電池の開発・量産計画が、経済産業省の「蓄電池に係る供給確保計画」として認定されたと発表。約703億円を投じて年産2GWhの生産体制を整え、2028年10月の供給開始を予定しています。データセンター向けの非常用電源に加え、電力需給調整市場の拡大も追い風となるでしょう。株価は、下向きで推移する13週移動平均線に上値を抑えられる形での調整が続き、足元で52週移動平均線を割り込んできました。さらに、週足の一目均衡表では雲下限まで売られたことで、ここからのリバウンドが期待されます。
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GSユアサ コーポレーション(6674)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【パナソニック ホールディングス(6752)】
BBUを主力に2028年度に1兆円規模の売上を目指す
パナソニック ホールディングス(6752)は、前述したように傘下のパナソニック エナジーがAIデータセンター向け電源事業を強化。停電時のバックアップ電源として活用でき、AIサーバーの急激な電力需要変動に対応するBBUを主力に、2028年度にデータセンター向け蓄電システムの売上高1兆円規模の達成を目指しています。さらに、BBUよりも急激な電力変動に対応するスーパーキャパシタを組み込んだバックアップユニット(CBU)も開発しており、2026年度中の生産開始を予定しています。株価は、足元の調整で7月下旬につけた直近安値水準まで下げており、ダブルボトム(二点底)形成からのリバウンドが期待されます。
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パナソニック ホールディングス(6752)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【富士電機(6504)】
UPSと受配電設備の一括納入でデータセンター需要に応える
富士電機(6504)は、パワーエレクトロニクスを中核に、受変電設備、電源機器、パワー半導体、蓄電システムなどを展開しています。データセンター向け事業では、大容量UPSと受配電設備、低圧配電盤などを一括で納入できることが強みです。変圧器盤とUPSなどを一体化した「スキッドシステム」も展開しています。2026年3月期は、データセンター向け需要の増加により、施設・電源システム分野が増収増益でした。さらに国内のUPS生産設備の増強や、マレーシアでの生産拠点拡充を進めています。株価は、52週移動平均線を下値支持線に、1万5500円辺りを上限としたレンジでの推移が継続。52週移動平均線までの調整を経て、レンジ上限の突破を見極めたいところです。
富士電機(6504)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【日本ケミコン(6997)】
AIサーバー用大容量コンデンサなどで売上倍増を計画
日本ケミコン(6997)はアルミ電解コンデンサの大手で、材料開発から電極製造までの一貫技術が強みです。AIサーバー向けとしては、大容量アルミ電解コンデンサの販売が拡大しています。2025年10月には、車載・データセンターをはじめとした各種バックアップ電源向けに電気二重層キャパシタ「DKJシリーズ」を発表。さらに、2026年5月にはAIサーバー用途に適した電解コンデンサ「LBYシリーズ」を発表しました。AIサーバー市場関連の売上高を2025年度の115億円から2028年度には276億円へ拡大する計画です。株価は調整が続いていますが、上昇基調を強めた4月初旬の水準まで下げてきたことで、売り一巡からの仕切り直しとなりそうです。
日本ケミコン(6997)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【山洋電気(6516)】
高信頼性UPSと冷却ファンでAIデータセンターを支える
山洋電気(6516)は、冷却ファン「San Ace」、無停電電源装置「SANUPS」、サーボシステムなどを主力とする電機メーカーで、高効率・高信頼性の電源技術と精密モーター技術が強みです。データセンター向けには、停電や電圧変動からサーバーを守るUPS「SANUPS」シリーズなどを展開しています。また従来品比で消費電力を従来製品に比べて約36%削減したGPUサーバーラック用ファン「San Ace 200」を2025年に発売。その他にも、AIサーバーの高発熱化と安定電源需要の双方に対応する製品群を展開しており、データセンター設備投資の拡大が追い風となりそうです。株価は、5月の高値7880円をピークに調整が続いており、足元で52週移動平均線を割り込みました。4月以降の上昇分を帳消したことで、仕切り直しのスタンスで臨みたいところです。
山洋電気(6516)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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以上、今回は「データセンター向け蓄電池」関連銘柄を発掘しました。
蓄電池は今回注目したデータセンター向けのほかに、EVなどの車載用や再生可能エネルギーの普及を支える電力需要の調整用、さらには5G通信基地局のバックアップ電源用などさまざまな用途で活用されています。現在の電化社会・デジタル社会において欠かすことのできない重要な存在と言えるでしょう。
投資テーマとしても非常に重要となってくるので、今後もチェックしていきたいと思います。
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