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アマゾンの「Audible」やオトバンクの「audiobook.jp」など、
“ながら聴き”需要を取り込んだ「オーディオブック」の市場が拡大
スマートフォンの普及とサブスクリプション(定額料金制)の浸透を背景に、“耳で聴く本”である「オーディオブック」の市場が拡大しています。アマゾンの「Audible(オーディブル)」やオトバンクの「audiobook.jp」などの大手を筆頭に、紙の書籍と電子書籍に続く「第3の書籍」として存在感を高めています。
例えば、オーディオブック大手のaudiobook.jpは、2026年8月に会員数が350万人を突破。「聴き放題プラン」なら月額プランが月1330円、年割プランが年9990円(月833円相当)で、小説からビジネス書、自己啓発本まで幅広いジャンルの対象商品を何冊でも楽しめます。
オーディオブック市場の拡大を支えるのは、通勤や家事、散歩などの「ながら聴き」需要です。オトバンクが2026年2月に公表した「オーディオブック白書2026」を見ると、audiobook.jp利用者を対象とした調査では回答者の75.1%が「移動や家事の時間が、読書時間に変わった」と回答しています。
つまり、忙しい人が別途読書のための時間を確保することなく、日常のスキマ時間を学びや娯楽に充てられる点が支持を集めているのです。また、目で文字を読まずに利用できるため、視力の衰えを感じる高齢者や視覚障害者などにとっても、読書機会の拡大につながります。
AIの活用により、これまで採算が合わなかった作品の
オーディオブック化や翻訳による海外配信が進む可能性も!
オーディオブック市場は、成長余地も大きいと思われます。米国の調査会社フォーチュン・ビジネス・インサイトによると、オーディオブックの世界市場は、2026年の141.5億ドル(約2兆2000億円)から2034年には931.5億ドル(約14兆7000億円)へ拡大し、年平均26.56%で成長すると予測されています(1ドル=158円で換算)。
AIの活用も、オーディオブック市場の成長の鍵となるでしょう。AI音声を用いた朗読制作の効率化や自動翻訳が普及すれば、オーディオブックの制作費や多言語化の負担が減り、これまで採算が合わなかった作品の音声化や海外配信が進む可能性があります。
著作権や音声利用の許諾、作品の品質確保が課題となるものの、出版社にとっては既存作品の再活用や新たな読者層の開拓につながりそうです。
そこで今回は「オーディオブック」関連銘柄に注目。配信プラットフォームや出版・コンテンツ企業、電子書籍の取次企業など、オーディオブックの普及により事業機会の広がりが期待される銘柄を選定しました。
【メディアドゥ(3678)】
Audibleと出版社を結ぶ窓口となる電子書籍取次の国内最大手
メディアドゥ(3678)は、電子書籍取次の国内最大手です。アマゾン傘下のAudibleと出版社を結ぶ窓口として、書籍の音源化の許諾取得や共同制作を支援しており、出版社との豊富なネットワークが強みです。10月14日発表の2027年2月期・中間決算では、売上高が前年同期比8.3%増と中間期として過去最高を更新。なお、戦略投資事業では、中長期の注力領域の一つにオーディオブック事業を挙げています。株価は、2025年9月以降、調整が続き、10月5日には一時1131円まで売られました。しかし、直近のリバウンドで上値を抑えられていた13週・26週移動平均線を上抜けており、52週移動平均線を射程に入れた上昇に期待したいところです。
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メディアドゥ(3678)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【TOブックス(500A)】
社内の音響制作チームが自社IPのオーディオブックを制作
TOブックス(500A)は、「本好きの下剋上」や「ティアムーン帝国物語」といったライトノベル・コミックの出版を軸に、アニメ・舞台の制作やグッズ販売を展開しています。社内に音響制作チームを持ち、オーディオブックやドラマCDの制作、人気声優のキャスティングまで手掛けています。なお、人気作品「本好きの下剋上」のオーディオブックでは、アニメ版で主人公マインを演じた井口裕香氏が朗読を担当。声優ファンやアニメファンの需要の取り込みが期待できます。株価は、9月16日に一時3745円まで買われた後、3400~3450円辺りのレンジで推移。直近で、下値支持線として意識されている13週移動平均線に接近しており、同線水準でのリバウンドが見られるようだと、9月の高値3745円、さらには4月の高値3880円が意識されそうです。
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TOブックス(500A)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【KADOKAWA(9468)】
豊富な出版IPを活用し、音声コンテンツを拡充
KADOKAWA(9468)は、出版・アニメ・ゲームを柱とする総合エンターテインメント企業で、小説やライトノベル、ビジネス書など豊富なIPを保有しています。書籍の音声化によって既存IPの収益機会を広げるとともに、新たな読者層を開拓しています。株価は、上向きで推移する13週・26週移動平均線を下値支持線とした上昇が続いており、4月につけた高値3967円に接近。高値更新からの一段高が期待されます。
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KADOKAWA(9468)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【学研ホールディングス(9470)】
既存の教育・旅行コンテンツをオーディオブック化
学研ホールディングス(9470)は、出版、教育、医療福祉関連などの事業を展開。出版事業や教育事業では、語学書や学習書、旅行ガイドなど幅広いコンテンツを保有しています。2025年9月にはグループ会社が「地球の歩き方 日本」を35時間34分のオーディオブックとしてAudibleとaudiobook.jpで配信を開始。こうした教育・旅行分野の音声コンテンツ化により、新たな需要の取り込みが見込まれます。株価は、9月28日につけた高値1094円をピークに長い陰線を残す形で13週・52週移動平均線を下抜け、一時は26週移動平均線を割り込む場面も見られました。足元のリバウンドで13週・52週移動平均線辺りでの攻防を見せており、両線を明確に上抜けてくるようだとさらなる上昇が期待されます。
学研ホールディングス(9470)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【インターネットイニシアティブ(3774)】
audiobook.jpとの連携で格安携帯キャリアの付加価値を向上
インターネットイニシアティブ(3774)は、インターネット接続や格安携帯キャリアのIIJmio、クラウドサービス、セキュリティなどを中心とする総合ITサービス企業です。10月1日には、IIJmioの対象通信プランとaudiobook.jpの「聴き放題プラン」をセットで契約した場合、月額利用料が220円割り引かれる新サービスを開始。通信と音声コンテンツの連携により、顧客獲得や継続利用の促進が期待されます。株価は、上向きで推移する13週移動平均線に沿った上昇トレンドを形成しており、押し目を狙いたいところです。
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インターネットイニシアティブ(3774)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【メディア工房(3815)】
「占い×音声コンテンツ」で新たな需要開拓を狙う
メディア工房(3815)は、占いを中心としたデジタルコンテンツを展開しています。2026年2月に、audiobook.jpの「聴き放題プラン」で、12星座別「今日の運勢」の音声配信を開始。毎朝更新する短尺コンテンツで通勤や家事の合間の「ながら聴き」需要の取り込みを狙います。2026年8月期の業績は赤字でしたが、新たな収益機会の開拓として要注目です。株価は8月末以降、年初来安値の水準で推移しており、明確な底入れを見極めながらリバウンド狙いのスタンスでのぞみましょう。
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メディア工房(3815)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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以上、今回は「オーディオブック」関連銘柄を発掘しました。
今後は配信サービスの会員獲得やコンテンツの充実、AIを活用した制作コストの削減など、各社の収益化に向けた取り組みが重要になると思われます。オーディオブックが新たな成長産業として存在感を高めるなか、関連企業の事業展開に注目しておきたいところです。
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