2023年10月の「QUOカード」の株主優待を徹底調査!
大手コンビニ、ファミレスやドラッグストアなどで使えて
個人投資家に人気の「QUOカード」の株主優待を比較
全国共通のプリペイドカードである「QUOカード」は、さまざまな株主優待のなかでも、特に個人投資家からの人気が高い「優待品」だ。
人気がある理由は、幅広い業種の店舗で”金券”として利用でき、利便性が高い点にある。利用可能な店舗は全国約6万店に上り、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンといった大手コンビニをはじめ、一部のファミレスやドラッグストア、書店などでも使える。しかも、会計時に1円単位で利用できて、有効期限もないので、株主優待でどれだけ大量にもらっても、利用できずに無駄にしてしまう恐れがない。また、カードタイプで財布に入れておいてもかさばらないため、保管場所に困らないところもメリットと言えるだろう。
一方、株主優待を実施する企業側にもメリットがある。「QUOカード」なら個人投資家からの注目度が高いことに加えて、優待品の配送費を安く抑えられる点も、企業にとっては魅力的。さらに、消費者にとって身近な商品やサービスを扱っていない企業でも、「QUOカード」に会社のロゴや社名をデザインすれば、優待品として採用しやすい。これらの理由で「QUOカード」を優待品に採用する企業は、非常に多くなっているのだ。
それでは、「QUOカード」がもらえる多くの株主優待銘柄の中から、何を基準に、どの銘柄を選べばいいのだろうか。なかには、人気アニメのキャラクターなどが描かれた、限定デザインのカードを用意している企業もあるが、多くは社名やロゴなどがデザインされているだけなので、まずは「利回り」と「最低投資額」で絞り込むのが順当だ。
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⇒「10月に権利が確定する株」の配当利回りランキング! 利回り4.7%の「ノバック」、利回り3.9%で連続増配を見込む「アールエイジ」など、おすすめ高配当株を紹介
そこで、「2023年10月」に基準日を迎える株主優待銘柄のうち、「QUOカード」を優待品としている全5銘柄(継続保有条件のある銘柄を除く)の「1年間でもらえるQUOカードの額面」と「年間配当額」、そして「最低投資額」を調査して、「株主優待利回り」や「配当利回り」を算出。「【2023年10月】QUOカードがもらえる株主優待利回りランキング」を作成した(※データは2023年9月28日時点。「QUOカード」がもらえる銘柄であっても、2023年10月の時点で一定期間以上継続保有していないと、株主優待の対象外になる銘柄はランキングに含めていない)
なお、保有株数によって「QUOカード」の額面が変わる銘柄や「QUOカード」以外の優待品を選択できる銘柄、長期保有優遇制度を設けている銘柄については、備考欄に記載している。
この「【2023年10月】QUOカードがもらえる株主優待株利回りランキング」を参考にして、「QUOカード」がもらえる高利回りの株主優待銘柄に投資しよう!
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⇒【10月の株主優待の内容&利回りを調査(2023年版)】総菜店「RF1」のロック・フィールド、ラーメン「町田商店」のギフトHDなど人気優待のほか、新設優待も紹介
【2023年10月】
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順位 | 最低投資金額 (株価×必要株数) |
QUOカード 額面(内訳) |
株主優待+ 予想配当利回り |
株主優待 利回り |
予想配当 利回り |
1位 | ◆ケア21(2373) 【確定月】10月 | ||||
7万5100円 (751円×100株) |
1000円 (10月のみ) |
3.59% | 1.33% | 2.26% | |
【備考】特になし。 | |||||
2位 | ◆萩原工業(7856) 【確定月】10月 | ||||
18万2700円 (1827円×100株) |
1000円 (10月のみ) |
3.29% | 0.55% | 2.74% | |
【備考】他に、マスキングテープ、レジャーシート(2畳)も選択可。1000株以上は3000円相当。3年以上の継続保有で優待金額は各2倍。 | |||||
3位 | ◆泉州電業(9824) 【確定月】10月 | ||||
34万5500円 (3455円×100株) |
1000円 (10月のみ) |
3.18% | 0.29% | 2.89% | |
【備考】株式分割に伴い、今回から実質拡充。1年以上の継続保有で2倍に増額。 | |||||
4位 | ◆SCAT(3974) 【確定月】10月 | ||||
5万4400円 (544円×100株) |
500円 (10月のみ) |
2.85% | 0.92% | 1.93% | |
【備考】5月に社名を変更。300株以上で1000円分。 | |||||
5位 | ◆学情(2301) 【確定月】10月 | ||||
101万8500円 (2037円×500株) |
3000円 (10月のみ) |
2.65% | 0.29% | 2.36% | |
【備考】特になし。 | |||||
※最低投資額や利回りは2023年9月28日時点。順位は株主優待と配当の合計利回りで決定。 |
10月は株主優待を実施するのが約30銘柄と少なく、「QUOカード」を株主優待品としている銘柄も限られている。保有期間の条件なしで「QUOカード」がもらえるのは、ケア21(2373)、萩原工業(7856)、泉州電業(9824)、SCAT(3974)、学情(2301)の5銘柄で、いずれも年1回、10月のみ株主優待を実施している。
「株主優待+配当利回り」ランキングの第1位は、ケア21の3.59%。続く第2位は3.29%の萩原工業、第3位は3.18%の泉州電業で、ここまでが利回り3%台となっている。第4位のSCATと第5位の学情の「株主優待+配当利回り」は、2%台後半だ。
ちなみに、継続保有が必要な銘柄も含めた場合、ファースト住建(8917)が4.20%で「株主優待+配当利回り」のトップとなる(※利回り計算では継続保有期間は考慮していない)。ファースト住建の株主優待を獲得するには、1年以上の継続保有が必要で、最低投資額は12万6100円。10月と4月に、100株保有時で500円分の「QUOカード」がもらえる。
一度にもらえる「QUOカード」の金額は、利回りランキング第5位の学情が3000円分で、もっとも多い。ただし、必要投資金額は101万8500円と、5銘柄中ダントツで高くなるため、「QUOカード」の金額だけで選ぶのは考えものかもしれない。たとえば、ケア21と萩原工業、泉州電業の3銘柄に投資すれば、同様に3000円分の「QUOカード」が手に入り、合計投資金額は60万3300円で済む。
長期保有優遇制度は、萩原工業と泉州電業の2銘柄が設けている。萩原工業は3年間の継続保有で、保有区分ごとに株主優待金額が2倍になる。萩原工業の株主優待は選択制で、自社製品や「QUOカード」1000円分がラインアップされている。長期保有で株主優待金額が2倍になった場合は、「QUOカード」を2000円分選ぶことも可能だ。
なお、萩原工業は2026年10月の実施を最後に、株主優待を廃止することを発表済み。今回を含めてあと4回の実施となるが、今年10月の株主優待を獲得して、3年間株式を保有し続けた場合は、2026年10月の最後の株主優待で継続保有特典を得ることができる。
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⇒萩原工業(7856)、株主優待を2026年10月実施分で廃止! 1000円分の「QUOカード」などが選べる株主優待を実施してきたが、2026年実施分を最後に廃止に
一方、泉州電業は1年間の継続保有で「QUOカード」の金額が1000円分⇒2000円分になり、継続保有期間を考慮しない場合、「株主優待+配当利回り」は3.18%⇒3.47%までアップする。
10月に権利を獲得できる「QUOカード」優待全5銘柄について
「株主優待+配当利回り」や優待内容などを詳しく解説!
ここからは「【2023年10月】QUOカードの優待利回りランキング!」の全5銘柄について改めて詳しく見ていこう。
「株主優待+配当利回り」ランキングの第1位は、利回り3.59%のケア21(2373)。訪問介護や有料老人ホーム運営などの高齢者介護を核とする、総合福祉企業を目指している。株主優待は、100株以上で一律1000円分の「QUOカード」だ。
2023年10月期第3四半期は、各種費用の増加に対応するため、一部サービスの提供価格の見直しを進めていて、収益性改善の効果が出始めているとしている。なお、2023年10月期の通期の業績については、増収ながらも2ケタの減益を見込んでいる。
■ケア21 | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
サービス業 | 2373 | 東証スタンダード | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
751円 | 100株 | 7万5100円 | 3.59% |
※株価などのデータは2023年9月28日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
ランキングの第2位は、キャンプなどで使われるレジャーシートのほか、合成樹脂製品や機械製品などの製造販売を手がけている萩原工業(7856)で、「株主優待+配当利回り」は3.29%。2023年10月期の通期の業績予想は、増収かつ3ケタの増益を見込んでいて、前期比14円の増配も予定している。
株主優待は、100株で1000円相当、1000株以上で3000円相当オリジナルカタログギフト。今回は100株保有の場合、自社製品のシート、岡山県の特産品であるマスキングテープ、1000円分の「QUOカード」の3種類から選べる。また、長期保有優遇制度もあり、3年以上の継続保有で株主優待金額が区分ごとに2倍になる。すでに述べたとおり、2026年10月を最後に株主優待を廃止すると発表済みだ。
■萩原工業 | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
その他製品 | 7856 | 東証プライム | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
1827円 | 100株 | 18万2700円 | 3.29% |
※株価などのデータは2023年9月28日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
第3位は「株主優待+配当利回り」が3.18%の泉州電業(9824)。電線専門商社で、各種電線・ケーブルの販売や電線加工、ネットワーク工事などを手がけている。2023年10月期の通期の業績予想は増収増益を見込んでいて、前期比実質30円の増配も予定している。
株主優待は、100株以上で1000円分の「QUOカード」。長期保有の優遇制度もあり、1年以上の継続保有で「QUOカード」の金額が2000円分にアップする。なお、2022年10月末を基準日として1株⇒2株の株式分割を実施したが、株主優待内容は据え置いたため、今回から実質拡充となっている。
■泉州電業 | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
卸売業 | 9824 | 東証プライム | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
3455円 | 100株 | 34万5500円 | 3.18% |
※株価などのデータは2023年9月28日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
「株主優待+配当利回り」が2.85%でランキング第4位となったのは、今年5月にティビィシィ・スキヤツトから社名を変更したSCAT(3974)。美容サロン向けの顧客・売上管理システムなどの開発・販売が中核事業だが、中小企業向けのビジネスサービスや介護サービスの事業も展開している。株主優待品は、100株で500円分、300株で1000円分の「QUOカード」だ。
2023年10月期の通期の業績予想は増収かつ2ケタの増益で、前期比2円の増配(記念配当1円分を含む)を予定している。
■SCAT | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
情報・通信 | 3974 | 東証スタンダード | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
544円 | 100株 | 5万4400円 | 2.85% |
※株価などのデータは2023年9月28日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
第5位は、20代向け転職サイト「Re就活」や新卒学生向け就職サイト「あさがくナビ」などを展開する学情(2301)で、「株主優待+配当利回り」は2.65%。500株以上で3000円分の「QUOカード」がもらえる。なお、2023年10月期の通期業績予想は2ケタの増収増益で、前期比5円の増配も予定している。
■学情 | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
サービス業 | 2301 | 東証プライム | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
2037円 | 500株 | 101万8500円 | 2.65% |
※株価などのデータは2023年9月28日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
以上、2023年10月の株主優待で「QUOカード」がもらえる全5銘柄を紹介した。
10月は「株主優待+配当利回り」が突出して高い銘柄がない代わりに、利回り1%台や1%未満といった「低利回り銘柄」もないのが特徴だ。また、10万円以下で買える「お手頃」銘柄や、長期保有優遇制度を設けている銘柄も複数ある。全体数が少ないからこそ、個々の銘柄の株価動向や業績内容をしっかり吟味して、目当ての「QUOカード」優待株を確実に手に入れよう!
(構成・文/肥後紀子)
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