2024年10月の「QUOカード」の株主優待を徹底調査!
大手コンビニ、ファミレスやドラッグストアなどで使えて
個人投資家に人気の「QUOカード」の株主優待を比較
全国共通のプリペイドカードである「QUOカード」は、さまざまな株主優待のなかでも、特に個人投資家からの人気が高い「優待品」だ。
人気がある理由は、幅広い業種の店舗で“金券”として利用でき、利便性が高い点にある。利用可能な店舗は全国約6万店に上り、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンといった大手コンビニをはじめ、一部のファミレスやドラッグストア、書店などでも使える。しかも、会計時に1円単位で利用できて、有効期限もないので、株主優待でどれだけ大量にもらっても、利用できずに無駄にしてしまう恐れがない。また、カードタイプで財布に入れておいてもかさばらないため、保管場所に困らないこともメリットと言えるだろう。
一方、株主優待を実施する企業側にもメリットがある。「QUOカード」なら個人投資家からの注目度が高いことに加えて、優待品の配送費を安く抑えられる点も、企業にとっては魅力的。さらに、消費者にとって身近な商品やサービスを扱っていない企業でも、「QUOカード」に会社のロゴや社名をデザインすれば、優待品として採用しやすい。これらの理由で「QUOカード」を優待品に採用する企業は非常に多くなっているのだ。
それでは、「QUOカード」がもらえる多くの株主優待銘柄の中から、何を基準に、どの銘柄を選べばいいのだろうか。なかには、人気アニメのキャラクターなどが描かれた限定デザインのカードを用意している企業もあるが、多くは社名やロゴなどがデザインされているだけなので、まずは「利回り」と「最低投資額」で絞り込むのが順当だ。
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⇒「10月に権利が確定する株」の配当利回りランキング! 利回り5.4%のヤガミ、利回り4.3%で7期連続増配のグッドコムアセットなど、おすすめ高配当株を紹介!
そこで、「2024年10月」に基準日を迎える株主優待銘柄のうち、「QUOカード」を優待品としている全5銘柄(継続保有条件のある銘柄を除く)の「1年間でもらえるQUOカードの額面」と「年間配当額」、そして「最低投資額」を調査して、「株主優待利回り」や「配当利回り」を算出。「【2024年10月】QUOカードがもらえる株主優待利回りランキング」を作成した(※データは2024年9月27日時点。「QUOカード」がもらえる銘柄であっても、2024年10月の時点で一定期間以上継続保有していないと、株主優待の対象外になる銘柄はランキングに含めていない)。
なお、保有株数によって「QUOカード」の額面が変わる銘柄や「QUOカード」以外の優待品を選択できる銘柄、長期保有優遇制度を設けている銘柄については、備考欄に記載している。
この「【2024年10月】QUOカードがもらえる株主優待株利回りランキング」を参考にして、「QUOカード」がもらえる高利回りの株主優待銘柄に投資しよう!
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【2024年10月】
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順位 | 最低投資金額 (株価×必要株数) |
QUOカード 額面(内訳) |
株主優待+ 予想配当利回り |
株主優待 利回り |
予想配当 利回り |
1位 | ◆グリーンエナジー&カンパニー (1436) 【確定月】10月/4月 | ||||
85万5000円 (2850円×300株) |
30000円 (10月15000円、4月15000円) |
3.97% | 3.51% | 0.46% | |
【備考】今回から株主優待を拡充。旧社名はフィット。 | |||||
2位 | ◆萩原工業(7856) 【確定月】10月 | ||||
15万4200円 (1542円×100株) |
1000円 (10月のみ) |
3.89% | 0.65% | 3.24% | |
【備考】他に、マスキングテープ、レジャーシート(2畳)も選択可。1000株以上は3000円相当。3年以上の継続保有で優待金額は各2倍。 | |||||
3位 | ◆マーチャント・バンカーズ(3121) 【確定月】10月 | ||||
9万6000円 (320円×300株) |
3000円 (10月のみ) |
3.76% | 3.13% | 0.63% | |
【備考】今回株主優待を実施。他に、1000株以上で1万円相当の自社子会社商品を追加。300株以上を1年以上、継続保有すると5000円分のQUOカードを追加。 | |||||
4位 | ◆学情(2301) 【確定月】10月 | ||||
91万1000円 (1822円×500株) |
3000円 (10月のみ) |
3.18% | 0.33% | 2.85% | |
【備考】特になし。 | |||||
5位 | ◆泉州電業(9824) 【確定月】10月 | ||||
51万円 (5100円×100株) |
1000円 (10月のみ) |
2.75% | 0.20% | 2.55% | |
【備考】1年以上の継続保有で2000円分に増額。 | |||||
※最低投資額や利回りは2024年9月27日時点。順位は株主優待と配当の合計利回りで決定。 |
2024年10月の株主優待で、保有期間の条件なしで「QUOカード」がもらえる(つまり今回の権利確定日に規定の株数を保有しておけば株主優待で「QUOカード」がもらえる)のは全部で5銘柄。実施銘柄数自体は2023年10月期と変わらないが、銘柄は一部入れ替わっている。具体的には、ケア21(2373)とSCAT(3974)が今期から株主優待を廃止したが、新たにグリーンエナジー&カンパニー(1436)とマーチャント・バンカーズ(3121)が加わった。
では、「株主優待+配当利回り」のランキングから見ていこう。第1位は、今回から株主優待を拡充したグリーンエナジー&カンパニーの3.97%だ。これまでは4月のみだったが、今回から4月に加えて10月も株主優待を実施する。第2位は萩原工業(7856)の3.89%で、こちらの株主優待は「QUOカード」を含む複数の選択肢が用意されているのが特徴だ。
「株主優待+配当利回り」が3.76%で第3位になったのはマーチャント・バンカーズ。第4位は学情(2301)の3.18%で、ここまでの4銘柄は「株主優待+配当利回り」が3%を超える。ランキング第5位の泉州電業(9824)のみ、利回りが3%を下回っていて、2.75%となっている。
「株主優待+配当利回り」は1銘柄を除いていずれも3%台だが、もらえる「QUOカード」の額面や、必要投資金額を見ていくと、それぞれかなり違いがあることがわかる。
まず「QUOカード」の額面は、ランキング第1位のグリーンエナジー&カンパニーがダントツで高額となり、1万5000円分の「QUOカード」を年2回、合計3万円分もらえる。続いて、3000円分の「QUOカード」がもらえるのは、ランキング第3位のマーチャント・バンカーズと第4位の学情。そして、利回りでは第2位の萩原工業と第5位の泉州電業は、どちらも1000円分の「QUOカード」がもらえる。
利回りおよび「QUOカード」の額面では、圧倒的にグリーンエナジー&カンパニーが魅力的と言えるだろう。ただ、グリーンエナジー&カンパニーの必要投資金額は85万5000円と、かなり高めだ。
なるべく高額の「QUOカード」は欲しいが、投資金額は抑えたいという人は、利回りランキング第4位のマーチャント・バンカーズに注目するとよさそうだ。必要投資金額は5銘柄の中で唯一10万円以下となる9万6000円で、前述のとおり、3000円分の「QUOカード」を手に入れることができる。ちなみに、株主優待品は同じ3000円分の「QUOカード」でも、学情の場合は91万1000円の投資金額が必要になる。
長期保有優遇制度を設けているのは、萩原工業、マーチャント・バンカーズ、泉州電業の3銘柄だ。萩原工業は3年以上の継続保有で区分ごとに株主優待品の額面が2倍になるが、同社は2026年10月期を最後に株主優待を廃止することを決定している。そのため、これから保有し続けても継続保有特典を得ることはできない。
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⇒萩原工業(7856)、株主優待を2026年10月実施分で廃止! 1000円分の「QUOカード」などが選べる株主優待を実施してきたが、2026年実施分を最後に廃止に
マーチャント・バンカーズと泉州電業は、1年以上、保有し続ければ継続保有特典を得られる。マーチャント・バンカーズの場合、3000円分⇒8000円分と倍増以上で「株主優待+配当利回り」も3.76%⇒8.33%と大幅にアップする(継続保有期間を考慮せずに計算)。泉州電業は「QUOカード」の金額が1000円分⇒2000円分となり、利回りは2.75%⇒2.94%と、こちらは多少のアップに留まる。
10月に権利を獲得できる「QUOカード」優待銘柄の中で、
「株主優待+配当利回り」が高い上位3銘柄を詳しく解説!
ここからは「【2024年10月】QUOカードの優待利回りランキング!」の第1~3位までの銘柄について詳しく見ていこう。
利回りランキングの第1位は、太陽光発電施設やネットゼロ・エネルギー・ハウスの企画・販売などを手がけるグリーンエナジー&カンパニー(1436)の3.97%。今年5月に持株会社体制に移行し、社名をフィットから変更した。
株主優待内容を今回から大幅に拡充していて、300株以上で1万5000円分の「QUOカード」が、10月と4月の年2回もらえる。なお、2025年4月期の通期業績は2ケタの増収、1ケタの増益を見込んでいて、前期比1円の増配も予定している。
■グリーンエナジー&カンパニー | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
建設業 | 1436 | 東証グロース | 10月末・4月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
2850円 | 300株 | 85万5000円 | 3.97% |
※株価などのデータは2024年9月27日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
ランキングの第2位は、キャンプなどで使われるレジャーシートのほか、合成樹脂製品や機械製品などの製造販売を手がける萩原工業(7856)で「株主優待+配当利回り」は3.89%。2024年10月期の通期の業績予想は、増収ながら2ケタの減益を見込んでいるが、これは前期に特別利益を計上した反動となっている。
株主優待は100株で1000円相当、1000株以上で3000円相当のオリジナルカタログギフト。すでに今期の株主優待を発表済みで、100株保有の場合は「QUOカード」のほか、マスキングテープセット、自社製品のデニム調シートから一つを選択できる。
長期保有優遇制度もあり、3年以上の継続保有で株主優待金額が区分ごとに2倍になるが、すでに述べたとおり、2026年10月を最後に株主優待を廃止するため、これから保有し続けても継続保有特典は得られない。
■萩原工業 | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
その他製品 | 7856 | 東証プライム | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
1542円 | 100株 | 15万4200円 | 3.89% |
※株価などのデータは2024年9月27日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
第3位は、昨年から決算期を3月⇒10月に変更したマーチャント・バンカーズ(3121)で「株主優待+配当利回り」は3.76%。おもに、国内外の企業や不動産向けの投資事業を行うマーチャント・バンキング事業を展開している。2024年10月期は、前期が7カ月の変則決算だったため前期比の数字は公表されていないが、通期の売上高は30億円、純利益は2億6000万円を見込んでいる。
株主優待の内容は、300株以上で3000円分の「QUOカード」。さらに、1000株以上を保有している場合は1万円相当の自社子会社商品も追加される。長期保有の優遇制度もあり、300株以上を1年以上にわたって継続保有した場合は、5000円分の「QUOカード」が追加される。なお、現時点では来期以降の株主優待の実施については不明となっている。
■マーチャント・バンカーズ | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
サービス業 | 3121 | 東証スタンダード | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
320円 | 300株 | 9万6000円 | 3.76% |
※株価などのデータは2024年9月27日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
以上、2024年10月の株主優待で「QUOカード」がもらえる全5銘柄を紹介した。
銘柄数こそ少ないが、5銘柄中4銘柄の「株主優待+配当利回り」が3%を超えていて、年間3万円分、3000円分などもらえる「QUOカード」の金額も高めの銘柄が多い。さらに、長期保有の優遇制度を設けている銘柄も複数ある。5銘柄のみなので、利回りや株主優待内容はもちろん、個々の業績や株価動向などもしっかり確認した上で、目当ての「QUOカード」優待株を絞り込もう!
(構成・文/肥後紀子)
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