インド株投資の魅力をインド人ファンドマネジャーが語る! 「新興国の中でも若年層が多い。10年先を見据え投資を」
インド株投資が、かつてないほどに盛上がっている。インド株の投資信託への資金流入が増え、商品の本数も増えている。インド株に投資する投資信託の残高は8.3兆円 (2024年9月末)で、これは過去のピークの2.7倍。1カ国に投資するタイプとして見ても米国株投資信託の22.1兆円、日本株投資信託の16.9兆円に続いて3位になる。
そこでインド株投資の魅力について、インド最古の運用会社UTIアセットマネジメントで、株式ファンドマネジャーを務めるインド人のアジェイ・ティアギさんにインタビューした。
【※関連記事はこちら!】
⇒NISAで買えるインド株型投信「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」の最新格付は? オススメの新興国株型は「ピクテ新興国インカム株式ファンド」!
インド経済の成長を支えている最大の要因は人口動態
若年人口がこの先30年間増え続ける
インド経済の成長を支えている最大の要因は人口動態です。若年人口が多く、この先30年間、増え続けます。労働人口が増えれば、中間所得層も増えていきます。他の新興大国のロシア、中国、メキシコ、南アフリカでは、インドほどの有利な人口動態は成立していません。
またインドの政治は西側諸国と似た民主主義で、政策立案などを安定して予見できます。政府はこの数年間、インフラへの支出を大幅に増やしてきました。これは高い経済成長を続けるには不可欠で、これからも続くと予想されます。ただ、過去3年間に比べると緩やかなペースになるかもしれません。
この2年はIPOブームで株式市場が活況に
ユニコーン企業の数は世界3位
新しいビジネスや企業が立ち上がり、インドの株式市場ではこの2年間はIPO(株式上場)が活発でした。インドはユニコーン企業(評価額10億ドル以上、創業10年以内で、未上場のテクノロジー関連の企業)の数が世界3位で100社ほどあります。今後12カ月間もかなりの数の上場が見込めます。
ただ、中小型株の過熱感には少し注意が必要です。中小型株は過去20年平均のPERが17倍なのに対して、足元は28倍あります。
またインフラ関連など特定の分野への投資は、年によっていいリターンの時もあれば、そうでない時もあります。さまざまなセクターや時価総額大小の銘柄を含めて、インド株全般に分散して投資する方がいいでしょう。
【※関連記事はこちら!】
⇒新NISAで人気のインド株型投資信託! 「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」で人口増加と消費拡大の恩恵を享受しよう
一時的な株価の調整は2024年秋にもあった
大きな視点で積立投資を
インド株は2024年秋に調整局面がありました。マーケットのいいところだけを捉えて投資するのは簡単ではありません。だから、一気に投資するのではなく、少しずつ継続して投資に臨んでほしい。
今後10年間、インドは高い経済成長率を維持すると予想されています。これに伴い、企業業績の向上や株価の上昇が見込まれます。
小さなイベントごとに株価が下がる局面はありますが、投資をやめる時ではありません。むしろ市場全体が少し下落している時こそ投資をするいいチャンスで、3~5年後にいい成績を得やすくなります。一方、上昇基調の時に投資をすると、3~5年先の成績はそれほどでもありません。
米トランプ政権はインドにとって追い風
医薬、化学、自動車部品の分野に注目
米国でトランプ政権が誕生します。インドにとってはマイナスよりもプラス面が多いでしょう。
最も注目されているのが、米国が大きな経常赤字を抱えている中国に対する関税の引上げです。また民間企業は中国と距離を置き始め、生産拠点を中国以外の国に移そうとしています。インドはその恩恵を受けられる立場にいます。特に医薬、化学、自動車部品などの分野に恩恵がありそうです。
【※関連記事はこちら!】
⇒【NISA投信グランプリ2024・番外編】「オルカン」やS&P500型など新NISAで買えるインデックス投信の信託報酬ランキング! 低コスト投信が集結
月刊マネー誌『ダイヤモンド・ザイ』では毎年、良い投資信託を表彰。第2回となる今回は、“新NISAで買える”好成績のアクティブ型投信30本を表彰した。本グランプリの特徴は、「5年以上の運用成績があり、みんなが買っている分野・投信に限定し、1.どれだけ上がったか(成績)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの基準で選定している点。完全な実力主義で評価し、「個人投資家にとって本当にイイ投資信託」かという点にこだわっている。特別枠として5年未満の好成績投資信託を厳選し、フレッシャー賞を設けている。
⇒詳しい選定基準はこちら
⇒受賞した投資信託全30本のラインナップはこちら
※本記事は「ダイヤモンド・ザイ」2025年3月号から一部抜粋・再構成したものです。
- プロに運用をお任せのラップ口座が過去最高を更新! 債券の組み入れ増加で安定志向の投資家の受け皿に【投資信託の最前線】
- 【NISA投信グランプリ2024】新NISAで買える本当にいい投資信託の「3つの選定基準」とは? 「成績」「損しにくさ」「安定性」をザイが採点
- NISAのお悩み相談! S&P500型投資信託の積立が円高進行で含み損に…日本株型に買い替えるべきか人気FPがアドバイス
- 「オルカンとは何なのか」をマンガで解説! 新NISAで話題沸騰の「全世界株型(オール・カントリー)」投資信託は、低コストで分散投資ができる優れもの!
- 「ひふみプラス」&「さわかみファンド」 純資産額が大きい2つの人気投資信託の運用成績を星の数でズバリ判定! 最新格付を発表
- インド株投資の魅力をインド人ファンドマネジャーが語る! 「新興国の中でも若年層が多い。10年先を見据え投資を」(2025.01.18)
- 2025年NISAは中国株とブラジル株に注目! 「米国株偏重はリスクが大きい」フィデリティのファンドマネジャーが新興国を“狙う”ワケ(2024.12.28)
- NISAのお悩み相談! S&P500型投資信託の積立が円高進行で含み損に…日本株型に買い替えるべきか人気FPがアドバイス(2024.12.14)
- 新NISA2年目に向け“年末までにやらないと損”なことは!? 旧NISAの株や投資信託を売って新NISAで買い直した方がオトクなケースを解説(2024.11.30)
- NISAで注目! つみたて投資枠で買える低コスト投資信託も! 企業が長期的に成長を続けるために欠かせない「エコ・ESG」関連のテーマ型3本(2024.11.16)
- NISAで買える好成績のテーマ型投資信託! 米国が超巨額予算で整備中のインフラ・製造業に投資する「USルネサンス」「グレート・アメリカ」など3本(2024.11.02)
- NISAで“オルカンの次”は? 「日本の成長株」ならS&P500との組合せでも地域分散でリスク軽減になる! おすすめ投資信託4本を紹介(2024.10.19)
- NISAで買う投資信託の選び方は? キホンはオルカン1本! 全世界株型と米国株型の組合わせなど「ありがちな失敗」に注意しよう(2024.10.05)
- 世界の10倍株を見つける「テンバガー・ハンター」の最新格付を発表! NISAのつみたて投資枠でも買えて中長期の成績が“オルカン以上”の投資信託は?(2024.09.21)
- NISAで買えるインド株型投信「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」の最新格付は? オススメの新興国株型は「ピクテ新興国インカム株式ファンド」!(2024.09.07)
- 「ひふみプラス」&「さわかみファンド」 純資産額が大きい2つの人気投資信託の運用成績を星の数でズバリ判定! 最新格付を発表(2024.08.24)
- 新NISAで人気のインド株型投資信託! 「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」で人口増加と消費拡大の恩恵を享受しよう(2024.08.10)
- 武藤十夢が自作した「オルカン」を先輩FP藤川太がガチ診断! 新NISAならナスダック100も検討の余地あり?(2024.07.27)
- 「オルカン+α」のNISA投資戦略! 指数以上の成績を狙うアクティブ型投資信託と「全世界株型(オール・カントリー)」を組合せるのも手(2024.07.20)
- 「ピクテ新興国インカム株式ファンド」は高配当株への投資がカギ! NISAでオルカンやS&P500型投資信託の次の一手に(2024.07.13)
- 「オルカンとは何なのか」をマンガで解説! 新NISAで話題沸騰の「全世界株型(オール・カントリー)」投資信託は、低コストで分散投資ができる優れもの!(2024.07.06)
- 「テンバガー・ハンター」の運用担当者に聞く10倍株の見つけ方! 日本のテクノロジー分野や欧米の銀行株に注目だ(2024.06.29)
- 【NISAおすすめ投資信託】「USルネサンス(米国製造業株式ファンド)」は米国のものづくり成長企業に投資! 躍進の秘密を運用チームのプロダクトマネジャーに聞く!(2024.06.22)
- 【NISAおすすめ投資信託】「ブラックロックESG世界株式ファンド(為替ヘッジなし)」が実現するESG投資と好成績の両立! 「転職サイトのクチコミ」まで投資に生かす(2024.06.15)
- 「ひふみプラス」は復活する? 立て直しに挑戦中の藤野英人さん「1兆円規模ではまだまだ、10兆円規模を目指す」と意欲【特別インタビュー・後編】(2024.06.08)
- 「ひふみプラス」は復活する? 運用責任者の藤野英人さんに聞く“苦戦のワケ”と“巻き返し策”【特別インタビュー・前編】(2024.06.01)
- 「ニッポン中小型株ファンド」が指数を上回る好成績を続ける秘訣とは? スゴ腕ファンドマネージャー・苦瓜達郎さんインタビュー(2024.05.18)
- 「One高配当利回り厳選ジャパン」が3年の上昇率79.5%を記録できたワケ! ファンドマネージャーが明かす銘柄選びのポイント(2024.05.11)
- 【NISA投信グランプリ2024・番外編】「オルカン」やS&P500型など新NISAで買えるインデックス投資信託の信託報酬ランキング! 低コスト投資信託が集結(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・もっとがんばりま賞】人気なのに成績が悪い「ひふみプラス」「さわかみファンド」は復活できる?(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・フレッシャー賞】「One高配当利回り厳選ジャパン」や「フィデリティ・世界割安成長株投信Bコース」が受賞!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・リート部門】最優秀賞は割安銘柄の比重を高くする「ダイワ米国リート・ファンドII(年1回決算型)」!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・新興国株部門】最優秀賞は組入銘柄の平均配当利回りが5%の「ピクテ新興国インカム株式ファンド(1年決算型)」!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・世界株部門】最優秀賞は米大手ITにも投資する「ブラックロックESG世界株式ファンド」! つみたて投資枠でも購入可(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・米国株部門】最優秀賞はGAFAMなどに早くから投資した「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース」!(2024.04.19)