新NISA2年目に向け“年末までにやらないと損”なことは!? 旧NISAの株や投資信託を売って新NISAで買い直した方がオトクなケースを解説

新NISA2年目に向け“年末までにやらないと損”なことは!? 旧NISAの株や投資信託を売って新NISAで買い直した方がオトクなケースを解説

2024年11月30日公開(2024年11月29日更新)
ダイヤモンド・ザイ編集部
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今年1月にスタートした「新NISA(少額投資非課税制度)」。最新トレンドを紹介する雑誌で「2024年のヒット商品」の第1位に選ばれたほど、投資の初心者からベテランまで、多くの人の間で話題になった。

さて、そんな新NISAだが、2年目の2025年を迎える前に知っておくべきこと、対応しておいた方がいいことはないだろうか。この記事では、旧NISAを使っていた人が、保有している株や投資信託をどうするのがいいか、解説する。そのままにしておくと損してしまうケースもあるので注意しよう。

「旧NISA」のこと忘れてない?
一般NISA・つみたてNISAの仕組みをおさらい

 旧NISAのことはお忘れではないだろうか。まずはその仕組みをおさらいしておこう。下に旧NISAの「つみたてNISA」と「一般NISA」の制度をまとめた。参考までに今年始まった新NISAの制度も掲載している。比較してみてほしい。

2023年までの旧NISA
比較項目 旧・つみたてNISA 旧・一般NISA
買付可能期間 2023年末で新規買付終了
最大利用可能額 800万円 600万円
年間投資上限額 40万円 120万円
非課税期間 20年 5年
制度選択 併用不可
購入方法 積立 スポット・積立
対象商品 金融庁が指定する投資信託・ETF 上場株式・リート・ETF・投資信託など
新NISA(参考)
比較項目 つみたて投資枠 成長投資枠
買付可能期間 2024年からいつでも
最大利用可能額 1800万円(うち成長投資枠1200万円)
年間投資上限額 120万円 240万円
非課税期間 無期限
制度選択 併用可
購入方法 積立 スポット・積立
対象商品 金融庁が指定する投資信託・ETF(つみたてNISAと同じ) 上場株式・リート・ETF・投資信託(高レバレッジ型投資信託など一部は対象外)

 旧NISAの大きなポイントの一つは、非課税で保有できる期間が旧・一般NISAは最長5年、旧・つみたてNISAは最長20年と限られていたこと。新NISAではそれが無期限となった。

 旧NISAでは2023年末を最後に新規買付はできなくなっているが、非課税での運用は続いている。下の図の通り、旧・一般NISAの非課税期間は5年だったので最長2027年まで、旧・つみたてNISAは同20年だったので最長2042年まで運用できる。

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旧NISAの株や投資信託は非課税期間終了でどうなる?
20年に旧・一般NISAで買付したものは24年末に期限

 上で見たように、旧NISAでも非課税での運用はまだ続けられるものの、非課税期間が終了したら、その株や投資信託はどうなるのだろうか。例えば、旧・一般NISAで2020年に買付したものは、2024年12月末で非課税期間の期限を迎えることになる。

 答えは、旧・一般NISAなら買付から5年目、旧・つみたてNISAなら20年目の年末に、課税口座(特定口座もしくは一般口座)へと「払出し」されることになる。この際、特に手続きは必要ない。つまり、旧・一般NISAで2020年で買付したものは、放っておくと今年の年末で課税口座に移される

 「払出し」と聞くと、何となく、その前に売らないと損するのでは? と気になる人も多いだろうが、非課税期間終了時点で保有商品が値上がりし、「含み益」を抱えている場合は心配不要。(「含み損」になっている場合は要注意なので後述)

 下の図の通り、NISAで運用していた期間の含み益は非課税になる。課税口座に払出しされた時点の株価が新たな取得価格となるので、課税されるのはその後の利益だけ。急いで売却しなくても、非課税のメリットが減るわけではない。

ただし! 払出し後は「課税口座」なので課税されてしまう
売却して新NISAでの購入資金に充てる検討を!

 しかし、非課税期間が終わって課税口座に払出しされると、当然ながらそれ以降に値上がりした場合の売却益や配当金・分配金は課税されることになる。これを避けて非課税で運用を続けるには、旧NISAでの非課税期間終了前に売却し、非課税期間が無制限の新NISAで買い直す必要がある。

 新NISAの年間投資上限額までまだ余裕がある人なら、今後もさらに値上がりしそうな株や投資信託は、課税口座への払出しを待つのではなく、売却後に新NISAで買い直した方がその後もずっと非課税で運用できるのでオトクになる。

 もしも払出し後の課税口座で値上がりが続くと、売り時を見失ってしまうこともあるので、このタイミングで「整理」するのがオススメ。また、一度売却することで、今の投資内容でいいのか真剣に見直すチャンスにもなる。この機会に、より良い株や投資信託がないか、チェックしてみよう。

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要注意なのはこのケース! 旧NISAが「含み損」になっている場合
課税口座に払出しされる前に損切りを!

 また、旧NISAの株や投資信託が「含み損」になっている場合は特に注意が必要だ。

 課税口座に払出しされる際、繰り返しになるが、払出し時点の株価が新たな取得価格となる。もしもそこから値上がりすると、実際の買値に比べたら損をしていても、その値上がり分が利益と見なされて税金がかかる

 例えば、一般NISAで120万円で購入した投資信託が、非課税期間終了時に100万円に値下がりしていた場合、課税口座での新しい取得価格は100万円になる。その後、100万円から130万円に値上がりして売却するケースだと、利益の30万円に課税される。

 しかし、実際の買値は120万円なので、本来の利益は10万円だけのはず。同じ投資信託を最初から課税口座で購入していた場合よりも、20万円分が余計に課税されてしまうのだ。

 こうしたことを避けるために、課税口座に払出しされる前、つまり2024年のうちに損切りすることを検討しよう

年内の損切りなら早めの手続きを!
タイミングが遅いと意図した通りに売却できない場合も

 そして、旧NISAの非課税期間中に売却する際のポイントは、早めに手続きすること非課税期間中に売る場合、非課税期間が終了する年末までに「受渡し」が完了していなければならない。約定から受渡しまで数日かかる場合が多いので、早めに売却手続きを取る必要がある。

 また、例えば投資信託だとファンドごとに約定から受渡しまでの日数が異なる場合があるので、各証券会社や商品ごとの取引スケジュールをチェック。さらに、日本株と米国株でもかかる時間が異なるので、いずれにしても早めの対応を心がけよう。

 なお、非課税期間が終了する銘柄と同じ商品を旧NISAで複数年にわたって買っているケースだとさらに注意が必要だ。

 この時、受渡しが翌年になるタイミングで売却すると、非課税期間が終了する分は課税口座に払出される。すると非課税期間終了分ではなく、旧NISAに残っていた非課税期間内の同商品が先に売却されてしまうのだ。このように、手続きが遅れると、意図した取引ができない場合があるので注意しよう。

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詳しい選定基準はこちら
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