NISAで“オルカンの次”は? 「日本の成長株」ならS&P500との組合せでも地域分散でリスク軽減になる! おすすめ投資信託4本を紹介
個人投資家から圧倒的人気を誇るオルカン(全世界株式型のインデックス投資信託)や、S&P500連動型投資信託。NISA口座でこれらを積立てている人も多いだろう。この記事では、そこからもう一歩進んで、「次の投資信託」を買うならどんな商品が候補に挙がるのか見ていこう。
次の一手にふさわしい投資信託を楽天証券資産づくり研究所副所長でファンドアナリストの篠田尚子さんに聞いた。さまざまな選択肢があるが、今回はその中から、地域を分散しつつ利益も狙える、「日本の成長株」に投資するおすすめの投資信託を4本紹介する。
【※関連記事はこちら!】
⇒「オルカンとは何なのか」をマンガで解説! 新NISAで話題沸騰の「全世界株型(オール・カントリー)」投資信託は、低コストで分散投資ができる優れもの!
※「オルカン」は三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称として商標登録されているが、ここでは全世界株のインデックス型投資信託の総称として使っている。
為替リスクがない日本株で「攻め」の投資!
ザイNISA投信グランプリで優秀賞を受賞した投資信託も
オルカンの次の一手として「攻め」の運用をしたい人におすすめなのが、日本の成長株に投資する投資信託だ。オルカンに含まれる日本株の比率は、わずか5%台にすぎない。オルカンに加えて日本株を組入れることで、地域の分散によるリスクの低減が期待できる。また、日本株への投資なら為替リスクがないため、為替レートの値動きを心配する必要もない。
以下では、日本株の中でも5年の成績が群を抜いていいエレクトロニクス関連1本と、中小型株型で同じく5年の成績がいい3本を紹介する。長期の視点で成長力を持つ銘柄を組入れている。NISAではいずれも成長投資枠で買える商品だ。データは2024年7月末時点。
運用実績40年の長寿投資信託!
「情報エレクトロニクスファンド」
まず初めに紹介するのは、野村アセットマネジメントの「情報エレクトロニクスファンド」。運用実績が40年ある、長寿投資信託だ。
エレクトロニクス関連の43銘柄に投資している。ソフトバンクグループや東京エレクトロンといった注目のAI・半導体関連株をはじめ、リクルートホールディングスや任天堂なども組入れている。
組入れ上位銘柄のトップは日立製作所で7.5%。相場に応じて機動的に入替えを行っている。5年の成績は181.0%と、今回紹介する4本の中ではトップだ。
割安な日本株に幅広く投資!
「イーストスプリング・ジャパン中小型厳選バリュー株ファンド」
次に紹介するのは、イーストスプリング・インベストメンツの「イーストスプリング・ジャパン中小型厳選バリュー株ファンド」。この投資信託は「ザイNISA投信グランプリ2024」の日本中小型株部門で優秀賞を受賞している。
主な投資対象は、時価総額が市場全体の下位3分の1の銘柄。さらに、割安性や収益の持続可能性の高さでも厳選している。組入れ銘柄はマイナーな企業も多いが、全体の9割超は東証プライム市場への上場銘柄だ。業種は幅広く分散しており、成績の安定度が高いのも特徴。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券の大手ネット証券いずれでも購入可能だ。
中小型株にバランスよく投資!
「眼力(ガンリキ)[企業価値成長小型株ファンド]」
3番目に紹介するのは、アセットマネジメントOneの「眼力(ガンリキ)[企業価値成長小型株ファンド]」。こちらは利益成長によるROE(自己資本利益率)改善に注目して銘柄を選んでいる。国内の金利上昇などで短期の成績は苦戦しているが、長期は好成績だ。
組入れ上位銘柄を見ると、楽天銀行が3.3%でトップ。業種別では情報・通信の比率が最も高いが、それでも全体の約16%にとどまる。計60銘柄をバランスよく組入れている。この投資信託も大手ネット証券のいずれでも買える。
小型株の隠れた成長力を発掘!
「カレラ日本小型株式ファンド」
最後に紹介するのは、カレラアセットマネジメントの「カレラ日本小型株式ファンド」。この投資信託は銘柄選びがユニークだ。内需中心の隙間市場で成長が期待できる、時価総額2000億円以下の小型成長株を中心に投資している。
銘柄数は28に絞っており、業種別では機械関連が全体の約40%を占めている。組入れ上位銘柄はトップが5.7%のジャパンエンジンコーポレーション、2位が4.8%でダイハツディーゼル、3位が4.5%の日本アビオニクスなどとなっている。1年の成績が33.0%と、今回紹介した4本の中ではトップだ。
これまで「日本の成長株」に投資するおすすめの投資信託4本を紹介してきた。一般的に、成長株に投資する投資信託は基準価額の変動が大きめなので、一括での購入は避けた方が無難。NISAの積立投資枠だけでなく成長投資枠でも積立購入はできるので、コツコツ積立てしてみよう。各投資信託の最新情報は、運用会社が発行する「月次レポート」などでチェックを。
【※関連記事はこちら!】
⇒【NISA投信グランプリ2024・番外編】「オルカン」やS&P500型など新NISAで買えるインデックス投信の信託報酬ランキング! 低コスト投信が集結
月刊マネー誌『ダイヤモンド・ザイ』では毎年、良い投資信託を表彰。第2回となる今回は、“新NISAで買える”好成績のアクティブ型投信30本を表彰した。本グランプリの特徴は、「5年以上の運用成績があり、みんなが買っている分野・投信に限定し、1.どれだけ上がったか(成績)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの基準で選定している点。完全な実力主義で評価し、「個人投資家にとって本当にイイ投資信託」かという点にこだわっている。特別枠として5年未満の好成績投資信託を厳選し、フレッシャー賞を設けている。
⇒詳しい選定基準はこちら
⇒受賞した投資信託全30本のラインナップはこちら
※本記事は「ダイヤモンド・ザイ」2024年11月号から一部抜粋・再構成したものです。
- インド株投資信託は多様化の段階へ! 低コストのインデックス投資信託が増えテック系のテーマ型なども続々設定へ!【投資信託の最前線】
- 世界の10倍株を見つける「テンバガー・ハンター」の最新格付を発表! NISAのつみたて投資枠でも買えて中長期の成績が“オルカン以上”の投資信託は?
- NISAで“オルカンの次”は? 「日本の成長株」ならS&P500との組合せでも地域分散でリスク軽減になる! おすすめ投資信託4本を紹介
- 「オルカンとは何なのか」をマンガで解説! 新NISAで話題沸騰の「全世界株型(オール・カントリー)」投資信託は、低コストで分散投資ができる優れもの!
- 「ひふみプラス」&「さわかみファンド」 純資産額が大きい2つの人気投資信託の運用成績を星の数でズバリ判定! 最新格付を発表
- NISAのお悩み相談! S&P500型投資信託の積立が円高進行で含み損に…日本株型に買い替えるべきか人気FPがアドバイス(2024.12.14)
- 新NISA2年目に向け“年末までにやらないと損”なことは!? 旧NISAの株や投資信託を売って新NISAで買い直した方がオトクなケースを解説(2024.11.30)
- NISAで注目! つみたて投資枠で買える低コスト投資信託も! 企業が長期的に成長を続けるために欠かせない「エコ・ESG」関連のテーマ型3本(2024.11.16)
- NISAで買える好成績のテーマ型投資信託! 米国が超巨額予算で整備中のインフラ・製造業に投資する「USルネサンス」「グレート・アメリカ」など3本(2024.11.02)
- NISAで“オルカンの次”は? 「日本の成長株」ならS&P500との組合せでも地域分散でリスク軽減になる! おすすめ投資信託4本を紹介(2024.10.19)
- NISAで買う投資信託の選び方は? キホンはオルカン1本! 全世界株型と米国株型の組合わせなど「ありがちな失敗」に注意しよう(2024.10.05)
- 世界の10倍株を見つける「テンバガー・ハンター」の最新格付を発表! NISAのつみたて投資枠でも買えて中長期の成績が“オルカン以上”の投資信託は?(2024.09.21)
- NISAで買えるインド株型投信「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」の最新格付は? オススメの新興国株型は「ピクテ新興国インカム株式ファンド」!(2024.09.07)
- 「ひふみプラス」&「さわかみファンド」 純資産額が大きい2つの人気投資信託の運用成績を星の数でズバリ判定! 最新格付を発表(2024.08.24)
- 新NISAで人気のインド株型投資信託! 「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」で人口増加と消費拡大の恩恵を享受しよう(2024.08.10)
- 武藤十夢が自作した「オルカン」を先輩FP藤川太がガチ診断! 新NISAならナスダック100も検討の余地あり?(2024.07.27)
- 「オルカン+α」のNISA投資戦略! 指数以上の成績を狙うアクティブ型投資信託と「全世界株型(オール・カントリー)」を組合せるのも手(2024.07.20)
- 「ピクテ新興国インカム株式ファンド」は高配当株への投資がカギ! NISAでオルカンやS&P500型投資信託の次の一手に(2024.07.13)
- 「オルカンとは何なのか」をマンガで解説! 新NISAで話題沸騰の「全世界株型(オール・カントリー)」投資信託は、低コストで分散投資ができる優れもの!(2024.07.06)
- 「テンバガー・ハンター」の運用担当者に聞く10倍株の見つけ方! 日本のテクノロジー分野や欧米の銀行株に注目だ(2024.06.29)
- 【NISAおすすめ投資信託】「USルネサンス(米国製造業株式ファンド)」は米国のものづくり成長企業に投資! 躍進の秘密を運用チームのプロダクトマネジャーに聞く!(2024.06.22)
- 【NISAおすすめ投資信託】「ブラックロックESG世界株式ファンド(為替ヘッジなし)」が実現するESG投資と好成績の両立! 「転職サイトのクチコミ」まで投資に生かす(2024.06.15)
- 「ひふみプラス」は復活する? 立て直しに挑戦中の藤野英人さん「1兆円規模ではまだまだ、10兆円規模を目指す」と意欲【特別インタビュー・後編】(2024.06.08)
- 「ひふみプラス」は復活する? 運用責任者の藤野英人さんに聞く“苦戦のワケ”と“巻き返し策”【特別インタビュー・前編】(2024.06.01)
- 「ニッポン中小型株ファンド」が指数を上回る好成績を続ける秘訣とは? スゴ腕ファンドマネージャー・苦瓜達郎さんインタビュー(2024.05.18)
- 「One高配当利回り厳選ジャパン」が3年の上昇率79.5%を記録できたワケ! ファンドマネージャーが明かす銘柄選びのポイント(2024.05.11)
- 【NISA投信グランプリ2024・番外編】「オルカン」やS&P500型など新NISAで買えるインデックス投資信託の信託報酬ランキング! 低コスト投資信託が集結(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・もっとがんばりま賞】人気なのに成績が悪い「ひふみプラス」「さわかみファンド」は復活できる?(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・フレッシャー賞】「One高配当利回り厳選ジャパン」や「フィデリティ・世界割安成長株投信Bコース」が受賞!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・リート部門】最優秀賞は割安銘柄の比重を高くする「ダイワ米国リート・ファンドII(年1回決算型)」!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・新興国株部門】最優秀賞は組入銘柄の平均配当利回りが5%の「ピクテ新興国インカム株式ファンド(1年決算型)」!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・世界株部門】最優秀賞は米大手ITにも投資する「ブラックロックESG世界株式ファンド」! つみたて投資枠でも購入可(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・米国株部門】最優秀賞はGAFAMなどに早くから投資した「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース」!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・日本中小型株部門】最優秀賞は成長期待が高い割安株に投資する「ニッポン中小型株ファンド」!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024】新NISAで買える本当にいい投資信託の「3つの選定基準」とは? 「成績」「損しにくさ」「安定性」をザイが採点(2024.04.19)